児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

<逮捕された男>弟になりすまし 大阪地裁で有罪判決 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060306-00000101-mai-soci
弟B、本名Aとすると、
身柄事件の場合は、
確定した覚せい剤被告事件の被告人って、BことAですよね。

被告人の特定
という論点ですね

大阪高等裁判所決定昭和52年3月17日
起訴状の表示および検察官の客観的意思との間に乖離がないこと、そして略式命令はこの裁判所の意思の発現したものであることなど、起訴状における「逮捕中待命」なる被告人に関する実質的表示、逮捕中なる事実および写真、指紋に裏打ちされた検察官の起訴における客観的意思、これらと対応関係にある略式命令における裁判所の客観的意思等にかんがみると、逮捕中待命方式において、「逮捕」された被逮捕者が実在の他人の氏名を冒用し、起訴状に被冒用者名義であるが「逮捕中待命」と表示されて逮捕中の略式命令請求の起訴をされたときは、特段の事由のない限り、起訴における被告人は被冒用者ではなくて冒用者である被逮捕者であり、この者が被告人として被冒用者名義の略式命令の謄本の交付を受けたときは、原則として略式命令の効力は冒用者である被逮捕者に生ずるものと解するのが相当である。

東京高等裁判所決定/昭和49年(う)第1329号昭和49年8月29日
また、右事件において、検察官は起訴状の表示と本件被告人との同一性を信じて起訴したものではあるが、起訴状における被告人唯野貢二の表示は本件被告人小川の通称ないし単純な偽名ではなく、本件被告人によつて住居・氏名等を冒用された実在人であり、しかも本件被告人は当時勾留等の身柄拘束を受けて起訴されたわけでもないことにもかんがみると、右起訴状および略式命令表示の被告人と本件被告人との同一性を認めることはできないから、右の表示を検察官の意思によつて本件被告人に訂正ないし変更することは許されないのであり(東京高等裁判所第二刑事部昭和三六年七月二八日決定、東京高裁判決時報一二巻七号刑一二八頁参照)、したがつて、右略式命令における被告人は本件被告人小川ではなく、結局その表示にしたがい唯野と認むべきである

最高裁判所第3小法廷決定昭和50年5月30日
 弁護人の上告趣意は、違憲(三九条違反)をいうが、実質は単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(なお、原判示の事実関係のもとで被告人が他人の氏名を冒用して交付を受けた略式命令は冒用者である被告人に効力を生じないとした原判決の判断は、正当である。)。
 よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  昭和五〇年五月三〇日
     最高裁判所第三小法廷