児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

不作為による現住建造物放火罪で逮捕された例

 刑法の論文書くときは
    「火事になったことに気付いたのに消火のために必要な措置を取らず立ち去った」ことが
    「放火して」(108条)といえるかどうかが問題になる
という書き出しでお願いします。
 「火を放ちて」というと年代がばれます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060211-00000125-kyodo-soci
実際に放火していないのに同容疑を適用するのは極めて異例。同様のケースで「不作為による放火罪が成立する」と認定した最高裁判例に基づくもので、

参考判例

  • 最判昭33・9・9
  • 大判昭13・3・11
  • 大判大7・12・18

第108条(現住建造物等放火) 
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

「既発の火力を利用する意図がありました」なんて供述取られるとつらいです。そこは当番弁護士が頑張るところです。

追記
 画像掲示板管理者の刑事責任というのも、
   削除すべきであったのに故意に放置した(削除しなかった)
という不作為が、
   公然と陳列した
と言えるかどうかという問題です。不真正不作為犯。

 東京高裁H16は掲示板の設置・管理行為を作為による実行の着手と評価しています。