奥村弁護士の関係でよく登場するのは12〜17才です。6才もやったけど。
奈良の事件で、各報道機関が「低年齢児童に対する性犯罪に詳しい弁護士」を捜しているようなんですが、居ないそうです。
被害者側の権利擁護に詳しい弁護士はいても、犯人に詳しい弁護士がいない。
理由はおそらく
そういう犯人は絶対数が少ない(少数が繰り返している)から、弁護士も巡り会わない。
実刑必至であり、国選弁護事件が多い。
性犯罪の弁護方針は、被害弁償(示談)に決まっていて、特殊性がない。
そんな専門弁護士は恥ずかしい。
ということでしょう。
奥村弁護士は、1件だけ「低年齢児童に対する連続性犯罪」の国選弁護をやった経験があって、その縁で、これから性犯罪者(同種累犯)の処遇について語ることになりますが、結局、「処遇の個別化」「『懲役刑=定役』の限界」を説いているだけです。
処遇の個別化を徹底すると、
こういう事件を起こしたこの人(Aさん、Bさん・・・)が再犯しないためには、
どんな処遇がふさわしいか
という問題になって、矯正施設はそういう個別のケースに対応しなければならないことになる。オーダーメード式。
しかも、全対象者に対して本当に再犯防止できるかどうかはわからない。
それをパターン化・類型化できれば
性犯罪者に対する類型別処遇
が成立する。イージーオーダーとか吊り下げ既製服的。
犯罪者に対する。このコストを社会が負担するかという問題。
処遇内容に目を向けると、カウンセリングや薬物療法や電気ショック療法などがあり得るらしいけど、刑務作業を中心とする「懲役刑」に含ませるには罪刑法定主義の限度があり、結局、治療を受けることを強制できない。
刑法第12条(懲役)
1 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上十五年以下とする。
2 懲役は、監獄に拘置して所定の作業を行わせる。
だとすると、懲役以外の新種の刑罰を設ける必要がある。
というか、ここまで考えると、そもそも刑罰=行為責任であることからすれば、将来の危険性を除去することを内容とする「カウンセリングや薬物療法や電気ショック療法」は、そもそも「刑罰」といえるものではなく、「保安処分」であって、このような保安処分の導入の可否が議論されなければならない。
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GGLD,GGLD:2004-39,GGLD:ja&q=%E4%BF%9D%E5%AE%89%E5%87%A6%E5%88%86%E3%80%80%E7%A6%81%E7%B5%B6%E5%87%A6%E5%88%86%E3%80%80%E6%B2%BB%E7%99%82%E5%87%A6%E5%88%86
ということで、考え出すとやっぱり弁護士の手に負えない問題のようです。
司法試験法律選択科目で「刑事政策」選択の弁護士なんて、年々化石化していくわけだし。