自戒弁護人は報道ごとに裁判例を引っ張り出して復習しています。
他府県警察を見習って、京都府警も、児童ポルノ販売罪の被害者をカウントしてください。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050118-00000001-kyt-l26
2人は昨年4月中旬から6月初旬にかけて、インターネットのオークションで、京都市内の会社員(29)や大阪府東大阪市内の会社員(33)に、児童ポルノを収録したCDなどを3回にわたり計17枚、約1万5000円で販売した疑い。
被害者数が多い方が重くなるんだって。
大阪高裁平成14年9月12日児童ポルノ販売罪
また,写真集が児童ポルノに当たり得るからといって,犯情の軽重を判断したり,刑を量定したりする際に,その要件を満たす写真や被撮影者の数を考慮することができないと考える根拠もない。したがって,原判決には所論のような理由のそごはない。
罪数も勉強してください。東京高裁は併合罪説、大阪高裁は併合罪説と一罪説に分かれています。迷うよねぇ〜。横浜は1人1罪だって。東京高裁は公然陳列罪について一罪説の判決もあります。
地裁レベルの、併合罪の判決は大阪高裁判決(一罪説)・東京高裁判決(一罪説)に違反し、一罪説の判決は、東京高裁判決(併合罪説)と大阪高裁判決(併合罪説)に違反することになり、地裁判決は全部「判例違反」です。罪数判断を書いたらどっちに転んでも判例違反。これでは処断刑期の上限が判らない。
これまで数百件の児童ポルノ罪の判決を出しておいていまさら「立法者が悪い」なんて、口が裂けても言えませんよね。
横浜地方裁判所平成15年12月15日 児童ポルノ公然陳列罪
(法令の適用)
1 罰条 被害者ごと(画像が複数ある被害者については,その複数は包括して)に,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条1項
2 科刑上一罪の処理 刑法54条1項前段,10条(一罪として,犯情の最も重い別紙一覧表番号1の被害者に対する児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反罪の刑で処断)
京都地裁平成14年4月24日 児童ポルノ販売罪
(法令の適用)
罰 条
別紙一覧表の各番号ごとにいずれも(なお,同番号4については,各写真集ごとに包括して)児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条1項,2条3項3号
観念的競合の処理 前記番号4につき,刑法54条1項前段、10条(犯情の重い児童ポルノ写真集「109人の少女たち」の販売の罪で処断。)
刑 種 の 選 択 いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理 刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い前記番号4の罪の刑に法定の加重。)
全部公刊物未掲載の判決ですが(刑事確定訴訟記録法で閲覧しようにも被告人氏名が判らないか記録が特定できないはずです)、勉強熱心な京都地検の検事さんに、児童ポルノ罪の罪数論を教わってください。