大阪とか東京とか10件くらい、この種の自首事件を扱ったので、MIXすればネタにできますよね。
心理的に追い詰められて自首したい人に付き添って、警察署にいったら、被害児童の保護者から被害申告が出ていたりする。間一髪。
こんなやりとり。
刑事
あの、奥村弁護士ですか。大阪から?
こんな田舎の警察で直にお目に掛かれるとは思いませんでした。わざわざご足労様です。
今日は別件で忙しいので、一通り聞いておきますが、被害届も出ているし、いずれこっちから行こうと思っていたとこですわ。弁護士
「いずれこっちから」ということは、「強制捜査(逮捕)」ということですか?
通常はそうだと思うんですが、罰金程度の事件で、上申書と証拠物(携帯電話・メールなど)を持参して出頭して、身柄引受人(両親)が確保されいているのに、これから通常逮捕できますか?刑事
先生、それが辛いところや。
段取りというものがあって、警察としては、今やっている身柄事件が片付くころに、逮捕して・・・と思って段取りしとったところに、被疑者が全部持って来られると、逮捕できんようになるがな。押収する物もなくなるし。
困ったもんや。弁護士
グッドタイミングでしょ。
そこがこっちの狙いですがな。「○月×日自ら出頭」という調書は残しておいてくださいよ。
然るべき刑事処分は覚悟している。然るべき民事責任も取らせる。
その代わり、逮捕だけは勘弁して欲しいということですわ。
奥村弁護士が「この人は買春罪や」といえば、買春罪なんだから、擬律は迷わなくていい。刑事
逮捕するかどうかは上司が決めるのでなんとも言えないが、
奥村弁護士同行で証拠と上申書を持って出頭してきてくれてるし、その点は配慮させていただきます。弁護士
こちらこそよろしくお願いします。
被害者側の取調が終わったところで被害弁償に行きます。
(つづく)
それで、このあとどうなるのか?
これまでの事例からみると、確かに逮捕はされないんだけど、任意で取り調べや現場の引き当たりに、たびたび、しかも忘れたころに付き合わされて、なかなか処分が決まらないようです。
任意捜査ですから期限がない。
これも生殺し状態であって辛い。
なかには被疑者の立場で催促するやつまで出てくる。
被疑者 次の取調はいつですか?いつ終わるんですか?
刑事 いまやってるところだ。もう少し待ってください。
被疑者 自首しとるんやから早いところ処分決めてや!
刑事 もう少し待ってくれんかなぁ〜
被疑者 頼みますわぁ〜
警察も蕎麦屋の出前みたいな対応。
そんなに処分を急ぐのであれば、逮捕された方が、23日後には処分が決まるから手っとり早いかもしれません。
自首なんて、敗北宣言であって、弁護士としては窮余の策なんですが、法定刑も引きあげられたし、こんなんで自首して任意捜査を希望するというのも、いつまでも通用しないんじゃないか?
「逮捕されない方法」とかで検索してくる方が多いわけですが、やっぱり、罪を犯すと逮捕されるんじゃないですか?罪を犯さないことがコツですね