児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

青少年健全育成条例違反・児童買春・児童ポルノ

 大阪とか東京とか10件くらい、この種の自首事件を扱ったので、MIXすればネタにできますよね。

 心理的に追い詰められて自首したい人に付き添って、警察署にいったら、被害児童の保護者から被害申告が出ていたりする。間一髪。
 こんなやりとり。

刑事 
 あの、奥村弁護士ですか。大阪から?
 こんな田舎の警察で直にお目に掛かれるとは思いませんでした。わざわざご足労様です。
 今日は別件で忙しいので、一通り聞いておきますが、被害届も出ているし、いずれこっちから行こうと思っていたとこですわ。

弁護士 
 「いずれこっちから」ということは、「強制捜査(逮捕)」ということですか?
 通常はそうだと思うんですが、罰金程度の事件で、上申書と証拠物(携帯電話・メールなど)を持参して出頭して、身柄引受人(両親)が確保されいているのに、これから通常逮捕できますか?

刑事
 先生、それが辛いところや。
 段取りというものがあって、警察としては、今やっている身柄事件が片付くころに、逮捕して・・・と思って段取りしとったところに、被疑者が全部持って来られると、逮捕できんようになるがな。押収する物もなくなるし。
 困ったもんや。

弁護士 
 グッドタイミングでしょ。
 そこがこっちの狙いですがな。「○月×日自ら出頭」という調書は残しておいてくださいよ。
 然るべき刑事処分は覚悟している。然るべき民事責任も取らせる。
 その代わり、逮捕だけは勘弁して欲しいということですわ。
 奥村弁護士が「この人は買春罪や」といえば、買春罪なんだから、擬律は迷わなくていい。

刑事
 逮捕するかどうかは上司が決めるのでなんとも言えないが、
 奥村弁護士同行で証拠と上申書を持って出頭してきてくれてるし、その点は配慮させていただきます。

弁護士 
 こちらこそよろしくお願いします。
 被害者側の取調が終わったところで被害弁償に行きます。
 (つづく)

 それで、このあとどうなるのか?

 これまでの事例からみると、確かに逮捕はされないんだけど、任意で取り調べや現場の引き当たりに、たびたび、しかも忘れたころに付き合わされて、なかなか処分が決まらないようです。
 任意捜査ですから期限がない。
 これも生殺し状態であって辛い。

 なかには被疑者の立場で催促するやつまで出てくる。

被疑者 次の取調はいつですか?いつ終わるんですか?
刑事  いまやってるところだ。もう少し待ってください。
被疑者 自首しとるんやから早いところ処分決めてや!
刑事  もう少し待ってくれんかなぁ〜
被疑者 頼みますわぁ〜

 警察も蕎麦屋の出前みたいな対応。

 そんなに処分を急ぐのであれば、逮捕された方が、23日後には処分が決まるから手っとり早いかもしれません。

 自首なんて、敗北宣言であって、弁護士としては窮余の策なんですが、法定刑も引きあげられたし、こんなんで自首して任意捜査を希望するというのも、いつまでも通用しないんじゃないか?

「逮捕されない方法」とかで検索してくる方が多いわけですが、やっぱり、罪を犯すと逮捕されるんじゃないですか?罪を犯さないことがコツですね