児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

コンピュータセキュリティシンポジウム2004(CSS2004)

http://css2004.kddilabs.jp/
 自分の発表は取り止めにしたんですが、不正アクセス関連の発表はないかということで、参加することにしました。
 しかし、懇親会以外のスケジュールが決まっていないので、飛行機と宿泊が予約できません。最悪は日帰り。
 最近、千歳空港の会議室(有料待合室)で日帰りで法律相談したことあります。児童ポルノ・児童買春関係の社長さんでした。

コンピュータセキュリティシンポジウム2004(CSS2004)

  • シンポジウム開催ならびに発表募集のご案内-

 情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会では、コンピュータセキュリティの基礎となる理論・技術、通信プロトコル、コンピュータアーキテクチャオペレーティングシステム、アプリケーション、応用事例、管理運用、さらに社会科学的考察までの幅広いセキュリティに関連する内容の研究、技術の発展および普及、ならびに研究者、技術者相互の連絡および協力を促進することを目的として、第7回コンピュータセキュリティシンポジウム2004(CSS2004)を下記の要領で開催いたします。奮って御参加くださいますよう御案内申し上げます。
開催日 平成16年10月20日(水)〜10月22日(金)
会場 北海道大学 学術交流会館
〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目
TEL:011-706-2141(会館事務室)
1.テーマ (1)ネットワークセキュリティ (2)アクセス制御
(3)個人識別、認証 (4)暗号、評価
(5)コンテンツセキュリティ (6)電子透かし
(7)ステガノグラフィ (8)プライバシ保護
(9)電子商取引 (10)PKI
(11)RFID (12)バイオメトリックス
(13)セキュリティ実装技術 (14)セキュアOS
(15)セキュリティ評価・監査 (16)セキュリティ教育
(17)法律関連 (18)その他

プログラムが公表されました。
http://css2004.kddilabs.jp/pgm.html
法律関係の発表はありません。

児童ポルノ・児童買春、自首した人のその後

 結局、逮捕されないまま捜査が進んで、方向としては不起訴1、略式罰金1になりそうです。
 いずれも、犯人側は全てさらけ出しているわけで手間はかからないはずですが、被害児童の特定と取調に手間がかかった。
 逮捕されなかったのは、自首も含めて、犯情とか常習性とか諸般の事情を考慮した結果ですし、まあ、奥村弁護士も仕事していますからそれも加味されています。
 上申書をまとめて、証拠物を持参してという点では、弁護士が取調を代行しているし、奥村弁護士が買春罪(児童ポルノ罪)だといえば買春罪(児童ポルノ罪)で決まるわけだから、警察が擬律に迷うことはない。

 しかし、自首して、数ヵ月の取調の末に「罰金」という結果はどうでしょう?
 自首しなければ、公訴時効まで発覚しなかったかもしれませんが、突然逮捕されていたかもしれない。ただ、自首によって「逮捕されるかも知れない」という不安感は解消した。
 また、逮捕は免れたが、数ヵ月間忘れたころに呼び出されるような形で取り調べを受けて、逮捕された場合よりは時間がかかった。プレッシャーが長引いた。
 結局、自首して良かったのかどうかは、終わってみないとわかりません。被疑者自身にしかわからない。
 奥村弁護士が特に自首を勧めるわけでもなく、「自首」という選択肢を提案して、自首するなら付き合う程度なのには、自発性を尊重する以外に、こういう理由もあります。
 
 弁護人としては、自首に付き合うというのは、自ら犯罪を申告する瞬間に立ち合った(減軽事由を作った)という清々しい思いもありますが、取調室で被疑者取調の雰囲気を垣間見るとか面白くない一面もあります。

児童ポルノ・児童買春・淫行条例(青少年健全育成条例)違反などで奥村弁護士と自首した人は7人いて、そのうち、既に警察に発覚していたのが1人いましたが、事例は千差万別ですが、今のところ、全員、在宅捜査。
 コストパフォーマンス・顧客満足の点では好成績。

トレーラーやクレーン車、7割が違反走行…摘発強化へ

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040921it01.htm

 記事は公道上の話ですが、公道以外でのクレーン等の建設機械の操作には、別途、労働安全衛生法上の資格(免許、講習会)が必要です。

 奥村弁護士は、移動式・天井式クレーン、フォークリフト、高所作業車、パワーショベル等の免許(講習会)も持っていますが、教習の現場(ヘルメット 安全靴)には、免許持ってないのに、やたら上手な人が多いです。
 おそらく、未経験者よりも、経験者の方が圧倒的に多い。
 聞くと

 現場での作業経験は○○年あるが、こんど、ゼネコンの現場に入ることになって、免許の有無がうるさいから、免許を取ることになった。
 現場では、免許の有無より、仕事をこなせるか(量的・質的)が重視される。

とのこと。

 高所作業車って、典型ははしご車ですね。消防のはしご隊といっしょに講習を受けました。やたら上手でした。安全確認しすぎ。

 こういう現場にまで、法令順守(コンプライアンス)が求められるようになるようです。

P2P利用の検出

 port7743を監視すればいいんですか?

田島靖久著「ファイアウォールログからのファイル交換系ソフトの利用の解析」大学情報システム環境研究'04.3.
Winnyの場合の典型的な通信状況を図8に示す.Winnyの特徴を以下に示す.
(1)複数のホストの1024以上のポートに対して100〜500byteの通信をおこなう.(その相手の中にはPort7743が含まれている.)
(2)複数の相手に対して大量のデータ転送
詳しく解析したわけではないが,(1)で発生する100〜500byteの通信は検索データの交換と見られる.Winnyの待ち受けポートは初期の頃は7743 を使用していたが,最近のバージョンではdefaultはなく,初回起動時にランダムに決定するようになっている.そのためWinMXに比べて検出が困難と考えられる.しかし,やはり 7743も引き続き多く使用されているようなので,現時点ではこの検出方法も有効であると考えられる.

浜田良樹続出する「ネット自殺」防止のための法制整備について

プロバイダーや掲示板管理者は精神科医も雇って監視するしかないですね。

(b)管理者のとるべき態度
法律研究者としては、5.までで述べたように、そういう類の書き込みは発見した時点
で躊躇なく削除するということにすれば良いと言わざるを得ない。
だが、その種の言葉は真意ではないかもしれない。参加者に戒めてほしい、叱ってはしいというSOSである場合もあり得る。違法性が明らかな場合、例えばわいせつな画像がアップロードされた場合などと比較してみれば問題の難しさがわかる。したがって、字面だけを見てこれは削除しても良い、これはだめだというガイドラインを設定することは困難である。
管理者のアクションは、「いかにして決行を防ぐか」を念頭においてケースバイケースで選択されるべきである。例えば、経験豊かなカウンセラーや医師に定期的に議論に参加してもらうなどの方法である。多くの良心的サイトの運営者が、そのボランティア精神ゆえに法的なトラブルに巻き込まれるような事態を回避すべく、考え続けなければならない。

岡田昭宏IP網におけるトラヒック特性分析

トラフィック」じゃなくて「トラヒック

岡田昭宏「IP網におけるトラヒック特性分析」
5.おわりに
商用IP網のアクセス部分のトラヒックから,各アプリケーションの特性を分析した.ファイル共有ソフトと Web とのトラヒック特性の違いは予想の範囲内であったが,WinMXWinnyとでも同時接続数やパケット到着間隔などに差があることが確認できた.
表2に各アプリケーションのトラヒックの特徴をまとめたが,トラヒックをモデル化する際のひとつの目安として参考にしていただければと思っている.

大谷卓史「科学通信オピニオン Winny開発者の逮捕は何を意味するのか?」科学'04.8.

情報技術者の職能倫理から考えれば11〉、Winny開発者は発信者の(一定程度の)匿名化機能がどのような意味をもつのか,その社会的意義を的確に補足しておく必要があったかもしれない.
省略

Sparによると(12)、新技術によって可能となった「海賊行為」がフロンティアを拓き、新しい産業を創出してきた事例は歴史上少なくない.航海術や電信,無線通信,暗号、パソコンソフトなど.「海賊行為」によって産業のフロンティアが切り拓かれてきた.
ただし、海賊行為が横行するままでは,産業は発展の契機をつかめない.そのため,産業は政治に働きかけて.新しい財産権ルールの創出を促す.財産権が確立されてはじめて、産業は発展の機会を得ることができる.

情報処理学会倫理綱領

 あるんですね。抽象的ですけど。

情報処理学会倫理綱領
http://www.ipsj.or.jp/03somu/ipsjcode/ipsjcode.html

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本学会は、第38回通常総会(平成8年5月20日)において「情報処理学会倫理綱領」を制定し、会員の行動規範としていくこととなりました。
今後、会員各位には学会誌等によりお知らせし、実践のご協力をお願いすることになります。
ここには、「情報処理学会倫理綱領」と、「なぜ倫理綱領が必要か」(倫理綱領調査委員会委員長 名和小太郎)、および英語版を掲示いたします。

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情報処理学会倫理綱領
前文

 我々情報処理学会会員は、情報処理技術が国境を越えて社会に対して強くかつ広い影響力を持つことを認識し、情報処理技術が社会に貢献し公益に寄与することを願い、情報処理技術の研究、開発および利用にあたっては、適用される法令とともに、次の行動規範を遵守する。


1.社会人として
1.1 他者の生命、安全、財産を侵害しない。
1.2 他者の人格とプライバシーを尊重する。
1.3 他者の知的財産権と知的成果を尊重する。
1.4 情報システムや通信ネットワークの運用規則を遵守する。
1.5 社会における文化の多様性に配慮する。


2.専門家として
2.1 たえず専門能力の向上に努め、業務においては最善を尽くす。
2.2 事実やデータを尊重する。
2.3 情報処理技術がもたらす社会やユーザへの影響とリスクについて配慮する。
2.4 依頼者との契約や合意を尊重し、依頼者の秘匿情報を守る。


3.組織責任者として
3.1 情報システムの開発と運用によって影響を受けるすべての人々の要求に応じ、その尊厳を損なわないように配慮する。
3.2 情報システムの相互接続について、管理方針の異なる情報システムの存在することを認め、その接続がいかなる人々の人格をも侵害しないように配慮する。
3.3 情報システムの開発と運用について、資源の正当かつ適切な利用のための規則を作成し、その実施に責任を持つ。
3.4 情報処理技術の原則、制約、リスクについて、自己が属する組織の構成員が学ぶ機会を設ける。



 本綱領は必ずしも会員個人が直面するすべての場面に適用できるとは限らず、研究領域における他の倫理規範との矛盾が生じることや、個々の場面においてどの条項に準拠すべきであるか不明確(具体的な行動に対して相互の条項が矛盾する場合を含む)であることもあり得る。したがって、具体的な場面における準拠条項の選択や優先度等の判断は、会員個人の責任に委ねられるものとする。


付記
本綱領は平成8年5月20日より施行する。
本綱領の解釈および見直しについては、必要に応じて委員会を設置する。


なぜ倫理綱領が必要か
名和 小太郎
(倫理綱領調査委員会委員長)

なぜ、倫理綱領が必要か。

 それは、情報処理技術が社会的に大きい影響力を持つアプリケーションを数多く産み出しつつあるという現実があり、これを受けて情報処理技術者は自己の行動に対する責任を持たなければならないという考え方が生じてきたためである。

この視点で見たときに、情報処理技術者の環境はどうなっているのか。

 第1に技術的な環境について。かつて情報処理技術のアプリケーションにかかわる関係者は開発者、メーカーはもちろんユーザまで専門家であった。しかも多くの場合、彼らの行動は組織(企業、公的団体、教育研究機関など)の管理下に置かれ、この意味では特定多数者といってよかった。従って、ほとんどのアプリケーションは専門家によって一定のサービス水準を維持するように開発され運用されてきた。

 パソコンの社会的な普及はこの状況を一変させた。パソコンのユーザは多くの場合、個人的な行動様式を持ち、かつ非専門家である。このためにアプリケーションの運用責任はユーザ自身つまり非専門家に転嫁され、アプリケーションの信頼性水準は彼らの意図と能力に従って多様化した。このような非専門家ユーザは増大し、従って専門家の制御できないアプリケーションが増大した。加えて、利用分野におけるダウンサイジング、アンバンドリング、アウトソーシングなどの動向は専門家のアプリケーションに対する管理責任を細分化した。

 通信の分野においても同様な傾向が認められる。インターネットのような開放型かつ分散管理型のネットワークは、従来のユニバーサル・サービス方式のサービスと異なり、ネットワーク全体を管理する主体が存在しないネットワークを作り出してしまった。ここでも専門家でないユーザ自身がアプリケーションの開発や運用について責任を背負わざるをえないような環境が出現したことになる。

 第2に社会的な環境について。社会の成熟とともに情報処理分野にもさまざまな社会的価値観の持ち主が、専門家として、また利害関係者(事業者からユーザまで)として参入してきた。さまざまな価値観とは、公共性、市場原理、自己責任、弱者保護、公序良俗などの理念に対する配慮の優先度や重みのかけ方を指す。

 価値観の多元化の中で、進展しつつある技術は次々と新しいアプリケーションを出現させている。このために現在の情報処理技術は多様な社会的検討課題を引き起こしている。これは表現の自由、通信の秘密、個人情報保護、著作権保護、情報の共有、セキュリティ管理、暗号化政策などに関わる。

 現在の情報処理に関する法制度はこのような社会的課題を十分に制御できないままに陳腐化し、空白部分を残した状態にある。これは多様な意見の合意が困難なことによって、また既得権益を守ろうとする勢力が存在することによって、新しい法秩序を設けることが妨げられているためである。

 アプリケーション管理責任の拡散と制御規律の不存在は、情報処理技術の社会に及ぼす影響を考えればそれを放置することはできない。ここで当面できる一つの対策は、何人かがこの社会的課題についてその所在と意味とを広く一般の人々に訴え、それを制御するための倫理綱領的な性格を持つガイドラインを提案することであろう。

 誰がそのような行動を起こしたら良いのか。まず、その分野の技術に習熟したものがこの行動に入るべきであろう。このためには専門家に対するコードが必要となる。ここにガイドライン制定の第1の狙いがある。

 当面する社会的問題に対する認識や価値観は、実は情報処理の専門家の間にあっても多様であることが想定される。従って、これに対して厳密かつ詳細なルールを設定することは困難である。成しうることは、緩いガイドラインを設定し、個々のケースへの対応に対しては各人の判断に委ねることである。

 専門家の社会的活動は、一般人からも良く見えるような環境のもとで実行されなければならない。これは情報処理技術の専門家が判断の基礎とした専門的情報を一般人に公開、説明し、一般人に情報処理技術の応用に関して意見を表明する機会を与えるための前提となる。つまり、これはの専門家の独善を防ぐために不可欠の条件となる。ここにガイドライン制定の第2の狙いがある。

 同じく社会的な影響力を持つ専門家として、医師、建築家、弁護士などがある。彼らに対しては、専門家として高い倫理性が法的に義務付けられている。この点、情報処理技術者は現実には高度の専門性を求められているにもかかわらず、制度的には専門家として認められていない。この弱い立場を支えるためにも、情報処理技術者は自律的な行動規範を持つ必要がある.これがガイドライン制定の第3の狙いである。

 これまで多くの技術者は「なされうるものは、なされなければならない」というブレークスルーの理念を信じてきた。だが、これからは、このブレークスルーの理念は社会的に受容され共有されるガイドラインによって制約を受けるようになるだろう。

携帯電話を制限すると、児童買春のエサになる。

 携帯電話の取得を厳しくすると、児童買春のエサになりますよ。
 いまやってる事件でも、被告人は地域では「¥すれば、携帯買ってくれるおっちゃん」として有名でした。
 被害児童も携帯6台くらい持ってるんですが(出会い系サイト毎に、番号変えるため)、どうやって入手したんだか。

プリペイド携帯>犯罪対策指針を策定 警察庁、新手詐欺で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040921-00000065-mai-soci

警察庁の配付資料を入手しました。指針策定といえるほどのものでもないですね。

犯罪対策として必要な措置
1 本人確認
○ エンドユーザーの本人確認情報を事業者のシステムに入 力しなければ携帯電話が開通しないシステムの構築
〜 未登録のプリペイド式携帯電話の出現防止
○ 写真付き公務所発行証明書の原本による確実な本人確認

2 同一名義による複数契約
○ 同一名義人による複数契約の原則禁止
〜 例外についてはガイドラインが必要
○ 同一人名義による複数契約をチェックし、排除するシス テムの構築
※ プリペイド式に限った問題ではない

3 第三者への譲渡
第三者への譲渡の原則禁止

4 不正のチェック
事業者による代理店、販売店の不正のチェック

5 不正に対する制裁
代理店、販売店及びエンドユーザーの不正に対する制裁
・代理店契約の解除
・当該携帯電話の利用停止・角郡余

6 管理・監督
総務省又は電気通信事業者協会による管理・監督の徹底

 時々出てくる、携帯電話が対償とされている児童買春事件。「本体無料じゃないの?」って主張してみたら、真面目に判示してくれました。
 「お金5万円なんかじゃなくて携帯電話がいい。そんなに携帯欲しがってる児童に『おっちゃんが買うたる』って騙して買春したんだから、買春罪どころか準強姦罪じゃないのか」という主張については、「真意が無くても約束は成立する」という判断でした。
 因みに、被害児童の被害感情部分は「被告人は最初から現金を払うつもりでいて携帯電話を買うつもりはなかったと刑事さんから聞きました。携帯電話を買ってやると私を騙していやらしい行為をしたのです。そんな被告人を許せません。」という趣旨でした。児童なんだから、そんなこと言ってもいいじゃないですか。しかし、児童買春の被害はそこじゃないんだからそんな調書取ってくるなよ、奈良県警

http://courtdomino2.courts.go.jp/Kshanrei.nsf/webview/27642C03FB01140B49256E6700180854/?OpenDocument
(2) 原判示第1の事実についての法令適用の誤りの主張(控訴理由第15)及び訴訟手続の法令違反の主張(控訴理由第19)について
所論は,原判示第1の事実について,①原判決は,対償の供与を約束したことを認定しているが,証拠によれば,被告人にはAに対して携帯電話機を買い与える意思はなく,詐言による約束であって,双方の真意に基づく約束とはいえず,また,携帯電話機本体の価格は通常無料であって,反対給付としての経済的利益には当たらないから,児童買春罪の成立を認めた原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあり(控訴理由第15),②平成14年6月26日付け起訴状記載の公訴事実には対償の供与の約束の成立時期,場所が特定されておらず,訴因が不特定であるから,公訴棄却をすべきであったのに,実体判決をした原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある(控訴理由第19),というものである。
しかしながら,①については,被告人は,捜査段階において,携帯電話機を買ってやる約束をしたが,被告人名義で契約するわけにもいかないし,時間もないので,携帯電話機の代わりに現金を交付するつもりであったとの供述をしており,その内心の意思いかんにかかわらず,被告人がAに対して携帯電話機を買い与える約束をして性交に応じさせたことは関係各証拠に照らして明らかであるから,対償の供与の約束があったというべきであり,また,仮に携帯電話機の本体価格が無料であったとしても,取得するには契約手数料等が必要である上,携帯電話機にはその通信回線利用の権利が伴っているから,経済的価値が認められることもいうまでもないところであって,原判決が対償の供与の約束があったと認定したことに誤りはない。さらに,②については,児童買春罪の訴因としては,対償の供与の約束があったことが記載されていれば足り,その約束が成立した日時,場所を記載するまでの必要はないから,対償供与の約束とともに,被告人が児童であるAと性交をした日時,場所が具体的に記載されている本件公訴事実に訴因の特定に欠けるところはないというべきである。
論旨はいずれも理由がない。

東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取対策に関するシンポジウム

 恒例です。今年は11/10だそうです。一応申しこむ。

 時期的に、そろそろ国外犯が摘発されそうです。毎年1件じゃなくて、毎月1件くらい検挙しないと、検挙による抑止力は薄いんじゃないか。
 巷では「買春国外犯はいつも児童ポルノ罪と併合で、写真がないと検挙できない」なんて噂されている。

 国外犯が狙うのは、警察力がない国なんだから、大阪府警生活安全課員をそういう国の在外公館に常駐させるくらいの思いきったことをやらないと、実効性がない。

 この範囲では日本警察は優秀だと思います。
 底上げを図るためには、こういう会議で、端的に
   ○○国の警察は頼りにならない
   刑訴法上証拠にならない。
   日本警察で鍛えなおしてやれ!
という議論できればいいんですが、○○国の方も御臨席なので、日本警察が至らないという話になる。

[H16.9.21 掲載]
第3回東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取対策に関するシンポジウムにおける傍聴者の募集について
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen21/csec1611pub.pdf

また教員の買春事件

 余罪も凄いですね。
これでも執行猶予なら、弁護人も被告人も気楽ですが。どうでしょう?

 児童買春行為も継続的に行われると、被害児童を完全に支配する関係・隷属関係が形成されることがあります。
 そうなると、最初はいちいち対償を払っていたが、その後は払わなくなる。
 刑事法の擬律を考えると、最初の方は買春罪だが、後の方は、せいぜい条例の淫行罪。回数が増えるほど、適用法条は軽くなるという現象がある。併合罪加重しても処断刑期が頭打ちになる。
 
 そういう支配関係がある場合については、特に被害が深刻だというので児童福祉法の淫行させる罪(懲役10年)があるが、支配関係の立証が厳格なので、実務では、使用者ー従業員 教師−教え子という関係がある場合に限定されて適用されているようだ。

 無関係な児童を継続的に性的虐待する場合については、刑法に規定が欲しいところである。

参考文献 池本判事「児童の性的虐待と刑事法」判例タイムズ1081

小学教諭、高1女子買春=2人に現金、ホテルに−大阪 - 時事通信 - 社会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040921-00000371-jij-soci

<大阪>児童買春で小学校の教諭を逮捕 - 朝日放送 - 大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040921-00000010-abc-l27

医師も買春

罰金刑でも厚生労働大臣の処分が必至です。医業停止3ヵ月程度か?
http://diary.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20040418#p3

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040921-00000393-jij-soci
大阪市阿倍野区の開業医の男(39)=同容疑で逮捕=に、当時中学2年の少女を紹介し・・・

著作権フリーのソース

http://www.police.pref.osaka.jp/jyoho/03.html
児童福祉法違反事件等被疑者の逮捕
 摂津及び豊中南警察署と本部少年課は、9月21日(火)までに、デリバリーヘルス経営者及び店長を児童福祉法(淫行させる行為)違反等で、また同店から周旋を受けて少女を相手に児童買春していた男性を児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反で逮捕しました。
  デリバリーヘルス経営者である被疑者は、1月31日頃の午後6時30分頃から同7時30分頃までの間、大阪市中央区内のホテルにおいて、ヘルス嬢として雇い入れた少女に対し、実技指導と称して淫行させる行為をしました。また、同店店長と共謀の上、2月23日頃の午前1時頃、大阪市中央区内ホテルヘルス事務所において、少女を男性医師に現金2万1000円で引き合わせ、同日午前1時頃から同2時30分頃までの間、大阪市内のホテルにおいて淫行させたもので、男性は同ホテルにおいて、少女を相手に児童買春したものです。

医師は年令認識はあったんでしょうか?