児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

 トイレ盗撮行為につき、ひそかに製造罪は被害児童1名1罪として、建造物侵入罪とひそかに製造罪とを牽連犯とした事例(奈良地裁h30.5.1)

 長時間カメラ作動されているうちに2名撮影されたのを観念的競合にしています。
「犯情の軽重については、各児童ポルノ製造が各建造物侵入より重いものの、各児童ポルノ製造間の犯情の軽重に差異はないので、児童ポルノ製造の罪の刑で処断」とされています。
 牽連関係がないと主張すれば、牽連犯の判例ができそうです。

■28262725
奈良地方裁判所平成30年05月01日
理由
(罪となるべき事実)
 当裁判所の認定した罪となるべき事実第1は平成30年2月23日付け起訴状に記載された公訴事実と、罪となるべき事実第2は同年3月6日付け起訴状に記載された公訴事実と、罪となるべき事実第3及び第4は同月28日付け起訴状に記載された公訴事実第1及び第2と、それぞれ同一であるから、これらを引用する。
(証拠の標目)
(法令の適用)
罰条
 判示第1及び第3の各所為のうち
  建造物侵入の点 いずれも刑法130条前段
  児童ポルノ製造の点 いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2項、2条3項3号
 判示第2の所為 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2項、2条3項3号
 判示第4の所為のうち
  各建造物侵入の点 いずれも刑法130条前段
  各児童ポルノ製造の点 いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2項、2条3項3号
科刑上一罪の処理
 判示第1及び第3の各罪 いずれも刑法54条1項後段、10条(1罪として犯情の重い各児童ポルノ製造の罪の刑で処断)
 判示第4の罪 いずれも刑法54条1項前段、後段、10条(平成29年9月4日の建造物侵入と同日撮影した動画の児童ポルノ製造との間、同月5日の建造物侵入と同日撮影した動画の児童ポルノ製造との間には、それぞれ手段結果の関係があり、各動画の児童ポルノ製造は1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから、結局以上を1罪とし、犯情の軽重については、各児童ポルノ製造が各建造物侵入より重いものの、各児童ポルノ製造間の犯情の軽重に差異はないので、児童ポルノ製造の罪の刑で処断)
刑種の選択 いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理 刑法45条前段、47条本文、10条(犯情の軽重を決することができないので、1罪として児童ポルノ製造の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予 刑法25条1項
(量刑の理由)
(求刑 懲役2年)
刑事部
 (裁判官 重田純子)
起訴状
平成30年2月23日
公訴事実
(判示第1) 被告人は、平成30年2月14日午前7時39分頃、G市立A小学校校長Bが看守するG市ab丁目c番d号同小学校e階南館女子トイレ内に、用便中の女児の姿態を盗撮する目的で、その出入口から侵入し、同トイレ内の掃除用具入れに録画状態にしたビデオカメラを設置し、同日午後1時27分頃、同所において、C(当時12歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、ひそかに、同児童の用便中の姿態を前記ビデオカメラで動画撮影し、その動画データを同カメラに挿入したマイクロSDカードに記録させて保存し、もってひそかに衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより、児童ポルノを製造したものである。
起訴状
起訴状
平成30年3月6日
公訴事実
(判示第2) 被告人は、平成29年9月7日午前8時10分頃から同日午前8時13分頃までの間、G市ab丁目c番d号G市立A小学校f階g年h組教室内において、着替え中のD(当時9歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、ひそかに、同児童の胸部が露出した姿態をあらかじめ録画状態にして設置していたビデオカメラで動画撮影し、同日午後8時43分頃、G市jk丁目l番m号被告人方において、その動画データをパーソナルコンピューターに記録させて保存し、もってひそかに衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより、児童ポルノを製造したものである。
起訴状
平成30年3月28日
公訴事実
 被告人は
(判示第3)第1 平成29年7月20日午前7時頃から同日午前7時40分頃までの間に、G市立A小学校校長Bが看守するG市ab丁目c番d号同小学校j階南館女子トイレ内に、用便中の女児の姿態を盗撮する目的で、その出入口から侵入し、同トイレ内に録画状態にしたビデオカメラを設置し、同日午前8時14分頃から同日午前8時24分頃までの間及び同日午前8時34分頃から同日午前8時44分頃までの間、同所において、氏名不詳の女児2名がいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、ひそかに、同児童らの用便中の姿態を前記ビデオカメラで動画撮影し、同日午後10時59分頃、G市jk丁目l番m号被告人方において、その動画データをパーソナルコンピューターに記録させて保存し、もってひそかに衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより、児童ポルノを製造した
(判示第4)第2 同年9月4日午前7時頃から同日午前7時40分頃までの間に、前記Bが看守する前記女子トイレ内に、用便中の女児の姿態を盗撮する目的で、その出入口から侵入し、同トイレ内に録画状態にしたビデオカメラを設置し、同日午前11時9分頃から同日午前11時19分頃までの間、同所において、氏名不詳の女児が18歳に満たない児童であることを知りながら、ひそかに、同児童の用便中の姿態を前記ビデオカメラで動画撮影し、さらに、同月5日午前7時頃から同日午前7時40分頃までの間に、前記Bが看守する前記女子トイレ内に、用便中の女児の姿態を盗撮する目的で、その出入口から侵入し、同トイレ内に録画状態にしたビデオカメラを設置し、同日午前9時16分頃から同日午前9時26分頃までの間、同所において、氏名不詳の女児が18歳に満たない児童であることを知りながら、ひそかに、同児童の用便中の姿態を前記ビデオカメラで動画撮影し、同日頃、前記被告人方において、同動画データ2点をパーソナルコンピューターに記録させて保存し、もってひそかに衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより、児童ポルノを製造した
ものである。