児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

単純所持罪(7条1項)の逮捕事案(高知県警)

単純所持罪(7条1項)の逮捕事案(高知県警

 こういう報道があると、
   単純所持・逮捕
で検索されて
   単純所持罪で逮捕されるんですか?
という相談が相次ぎました。
   単純所持・逮捕回避
という広告で不安を煽る弁護士もいますが、購入者が単純所持罪単体で逮捕されることはありません。報道の事案も条例盗撮罪で逮捕されて否認していたようです。
 取締方針でいえば、買って持っているだけの場合は、捜索差押が先行して、画像が分析されるので、証拠隠滅の恐れがないからです。

警察庁 自己性的目的所持罪・単純所持罪(7条1項)の取締方針
4自己性的目的所持罪での現行犯逮捕
自己性的目的所持罪は,客観的・外形的証拠により立証することが必要とされているため,現行犯逮捕できる場合は極めて限定的である。
ただし,逮捕時に以下の全ての要件を満たしている場合には, 例外的に現行犯逮捕も可能と解される。
なお,現行犯逮捕した場合は,少年育成課に速報すること。
①被疑者が自己性的目的所持罪を犯したことが明白
○「児童ポルノ該当性」が明白一児童ポルノ画像の被写体が特定され,又は医師の鑑定により児童と認定されている(警察官による予備年齢鑑定は行わない)。
○「自己の性的好奇心を満たす目的」が明白ー自己の性的好奇心を満たす目的が,客観的証拠(児童ポルノの内容,所持量、所持態様、閲覧履歴等)により明白
○「自ら所持するに至った者」であることが明白一自ら所持するに至った者であることが,客観的証拠により明白(ダウンロード・購入履歴等から,入手先・時期が特定されている。所持態様から,自ら所持する意思が明らか。)
②証拠隠滅・逃亡のおそれがある
被疑者が現に証拠隠滅や逃亡の素振りを見せたり,他の共犯者と通謀したり,犯行を否認している場合など,直ちに逮捕しなければ,証拠隠滅・逃亡のおそれがある。


報道

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/kutv/513431
女児のわいせつ動画を所持 児童ポルノ禁止法違反容疑で51歳の男を逮捕…”盗撮”疑いで逮捕され、押収したハードディスクから大量の動画見つかる
高知警察署の調べによりますと、男は5月9日、18歳未満の女児のわいせつな動画や写真が保存されたハードディスクを自宅で所持していた、児童買春、児童ポルノ禁止法違反の疑いが持たれています。
男は今年3月に高知市内の商業施設で未成年の女性のスカートの中を盗撮したとして、県迷惑防止条例違反の疑いで5月に逮捕されていて、警察が自宅を捜索した際多数のハードディスクを押収。内容を解析したところ、わいせつな動画が大量に見つかったということです。

容疑者は3月に高知市内の商業施設で女性のスカート内を小型カメラで盗撮したとして9日、県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された後、処分保留となった。小型カメラには、盗撮したとみられる多くの映像が残されていたといい、同署は捜査を続けている。
読売新聞