児童ポルノ単純所持罪(自己性的目的所持罪)の現行犯逮捕が難しい理由 KOSUZO 2016年1月号
受験情報誌に載ってました。
警察庁の公文書ではマスクされてました。
論文
児菫買舂児菫ポルノに係る行為等の処罰及び児菫の保護等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年6月25日公布)について述べなさい。
答案例
1 現行犯逮捕の可否
自己性的目的所持罪においては、
○児菫ポルノと思われるものの被写体が18歳未満かどうかは、医師の鑑定又は被写体の特定を待たなければならないこと
○「自己の性的好奇心を満たす目的」及び「自己の意思に基づいて所持するに至った者」を客観的・外形的証拠により立証することが必要とされていることから、例えば、職務質問に伴う所持品検査で、児菫ポルノと思われる物を発見した場合でも、この事実により現行犯逮捕することは一般的には困難である。
2 的確な速報
今回新設された自己性的目的所持罪は、「自己の性的好奇心を満たす目的」「自己の意思に墓づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者」と処罰範囲が限定されており、また、法案審議を行った参議院法務委員会において「捜査権の濫用に至らないよう」必要な付帯決議がなされている。
したがって、警察庁においては、自己性的目的所持罪の適用に当たっては、全ての事案について事前報告を求めていることから、認知した段階で本部少年課に速報して指示を受ける必要がある。