児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童に頼んで裸の画像を送ってもらう行為の擬律 in USA

日本でも送った被害児童を処罰するという判例が出始めています。

http://www.gizmodo.jp/2015/09/sms_sexting.html
ことの始まりは、別のレイプ事件を捜査していた警察が、カップルの少年側の携帯電話を調べたこと。警察は少年を容疑者ではないと踏んでいましたが、その携帯電話の中には事件の証拠があると考えていたのです。警察が携帯をみてみると、その少年が少女とやりとりしていた卑猥なメッセージやヌード写真を発見。未成年者の性的搾取であるとして、起訴したのでした。

少女は被害者、そして一部の罪に問われていましたが司法取引を行いました。もし司法取引をしなかったら、少女は有罪となり、残りの人生を性犯罪者として生きていかなければいけなかったでしょう。…自分のヌード写真を送ったがために。一方、少年は性犯罪者として有罪判決を受ける可能性があります。

もしこのカップルが「リアルな」セックスをしていたとしたら、まったくの合法でした。当時カップルのふたりは16歳。ノースカロライナ州には、16歳の少年・少女が性行為を行うことを禁止する法律はありません。

Ars Technicaはサンタクララ大学で法律を教えるDavid Ball教授から、この行き過ぎとも言える事件へのコメントをもらっています。

刑法の基準では、ある事件の共犯者と被害者に同時になることはできません。問題は、少女が自分自身を性的搾取したという点です。もし、少女がインスタグラムやフェイスブックなどにポストしていたら、状況は違ったでしょうか? 誰かがポラロイド写真を取って、ある人だけに送るのを、私たちはどう感じるでしょうか? どこまでテクノロジーがこの分析を変えるでしょうか? 私は損害の形が何か理解をするのに苦労しています。この事件は(司法が)行き過ぎたやっかいな例ですし、自動ポルノが引き起こす実際の損害を最小化するものにもなりません。
ある人が自分に対する罪で有罪にされるなんてことは、あってはならないのでは…。もちろん児童ポルノを禁止するための法整備は大切ですが、現在の州法は、児童ポルノと未成年者が合意の上で性的な行為をするのを区別できないんです。若者の将来に傷をつける、大きな問題ではないでしょうか。

バーモント、ネバダロードアイランドなどの州では、セクスティングによって未成年者が性犯罪者と分類されることを防止する法律があります。しかし、他の州では未成年者を守る方法が整えられていません。