児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性的搾取による被害児童の支援好事例集

 日本の被害児童保護って、やったというのを聞かないのですよ。児童相談所の取扱件数が少ないし。

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen28/jidou_seitekisakusyu_jirei.pdf
G8ローマ/リヨン・グループ「性的搾取による被害児童の支援好事例集」
について
警察庁では、平成21年6月、「児童ポルノの根絶に向けた重点プログラム」を策定し、児童ポルノの根絶に向けた総合的な取組みを推進しているところであるが、児童ポルノ問題は、G8司法・内務大臣会議において児童ポルノ対策に関する宣言が繰り返し採択されるなど、国境を越えて取り組むべき国際的な課題となっている。こうした情勢を踏まえ、我が国(警察庁少年課)は、児童ポルノ対策に係る国際協力の一環として、平成22年2月のG8ローマ/リヨン・グループ会合において、「性的搾取による被害児童の支援」の好事例集を作成するプロジェクトを提案し、承認された。
同プロジェクトは、性的搾取による被害児童の支援に関して、G8各国の法執行機関が果たしている役割等を確認することによって、各国における性的搾取による被害児童支援対策のより効果的な施策の検討に役立てることを目的とするものであり、各国の取組みを我が国(警察庁少年課)において取りまとめた「性的搾取による被害児童の支援好事例集」が、平成23年3月30日のG8ローマ/リヨン・グループ会合において承認された。


(3)被害児童の身体的被害の回復
加害者により性的搾取の被害児童が身体的被害を負った場合には、被害児童が、速やかに適切な治療を受けられるようにすることが必要となる。
法執行機関としては、被害状況の特殊性にかんがみ、被害児童を医療機関に受診させる際に被害児童に代わって医療機関に対し事情を説明することが考えられるほか、他の行政機関や民間団体との連携の下、この種事犯による身体的被害の治療に詳しい医師を紹介するシステムを整えておくことなどが考えられる。また、被害児童の保護者の資力が乏しい等の場合に対応できるよう、行政機関が治療費を肩代わりするシステムの構築も考えられる。
フランスでは、被害者は、医療司法ユニット(medico-judicial unit)という特別なユニットで診療を受ける。このユニットは、医療と司法が提携しており、警察や判事の要請により、重大な傷害、性的被害、児童虐待等に対する医療措置を行う。診断書によって、身体的な被害の性質や重大性を判断する。次に、被害者は、心理療法を受け、被害の性質や深刻性の検査や適切な治療が必要かどうか判定される。医療上の証拠に関する専門家は、被害者の告訴の可能性を判断するため、当該被害者の情報を収集することも目的としている。性的犯罪事件において、予審判事は、加害者の否認や証拠不足に直面した場合にこの情報の収集を命じる(実務上「専門家意見の信用性」と言われる。)。
カナダでは、法執行機関は、被害者の迅速な治療のため、福祉サービス機関と調整を行う。この調整は、被害者が病院に到着する前に、病院のプライベート待合室で行われる。性犯罪被害の場合、警察は、特別な訓練を受け性犯罪被害用の道具を備えた医師や看護師等の医療専門家と連携する。
治療費の援助について、日本では、警察が、犯罪により傷害等を負った場合に、初診料や診断書料、検査費、緊急避妊用などの経費を負担し、被害者等の費用負担を軽減しているが、G8の他の国では、治療費は通常の社会保障制度によってカバーされるとする国がほとんどである。

(4)被害児童の精神的被害の回復
辛い記憶を持つ被害者に対し精神的なケアを施し、社会復帰を促すことは極めて重要であり、そのための方策として、専門家によるカウンセリングが考えられる。特に、性的搾取事犯は、他の性犯罪と異なり画像が流出し続ける、すなわち、被害状況が継続するリスクが存在するために、より慎重で複合的な手法が必要となる場合が多い。また、性的搾取事犯においては、被害児童のみならず、その保護者や近親者が甚大な精神的ダメージを負うことも多いことから、カウンセリングをこれらの者に対して行うことが必要な場合もある。
被害ないし事件発覚後、早い段階で被害児童と接触する法執行機関としては、捜査と併行して、被害児童等が個別の被害状況に応じた適切なカウンセリングを受けられるよう、法執行機関内部でカウンセリングの専門家を育成ないし確保しておくことが考えられるほか、他の行政機関・民間団体との連携の下、適当なカウンセリング実施体制を整えておくことが考えられる。このほか、少年は心身ともに未熟なるが故に、犯罪等の被害に遭うことによって、その後の少年に深刻な精神的問題や行動上の問題を生じさせる危険性が高いことから、家庭、学校、地域における環境調整等の支援を継続的に行い、少年が被害から回復することをサポートする活動も必要である。
G8のいくつかの国では、法執行機関の職員に対するカウンセリングの訓練を施して実際にカウンセリングに当たらせている。例えば、ロシア内務省の教育機関においては、上級研修コースの中で、法執行機関の職員は、被害者にカウンセリングを施すための特別な研修を受けている。また、2009 年には、NPO法人「Coalition Angel」が、警察学校の警察官に対して「児童・十代の子どもの年齢的な特性、リスク要因、子どもの成長過程における逸脱行動の主要なタイプの構造」、「教育機関において日常的に児童に関連する職員に要求される専門的・教育学的なスキル」等の心理面に関する講義を行った。
ドイツのTrier とWustrau の司法アカデミー付属研修機関では、1973ングに関しては、2010 年には、「性暴力の被害者(特に児童と思春期の子ども)の取り扱い」、「刑事手続における精神医学及び心理学」、「ネグレクトや虐待からの児童の保護」等のセミナーを実施している。また、連邦州(Federal Lander)では、それぞれの所掌において業務を行っている連邦州の判事と検察官に対してセミナーを行っている。
日本の警察は、以下のようなカウンセリング技術に関する専門的研修を定期的に実施している。
対象者及び業務内容:警察本部において少年相談、不良行為少年の継続補導、被害少年の継続支援等の業務を専門的に担当している警部補若しくは巡査部長又は同相当職の一般職員訓練内容:少年やその家族に対する支援の充実・強化活動に必要なカウンセリングの専門的知識・技術等を修得する。
警察では、少年の被害時の状況や精神的ダメージの程度等を総合的に判断し、被害からの回復のために継続的な支援が必要と認められた場合には、保護者や関係機関・団体などと協力して少年が立ち直りやすいような家庭を含む周囲の環境を調整したり、適切な助言・指導やカウンセリングを行っている。さらに、警察では、大学の研究者、精神科医臨床心理士等の部外専門家を被害少年カウンセリングアドバイザーとして委嘱し、支援を担当する職員が専門的な助言を受けることができるようにしている。
日本の法務省では、検察官等に対し,その経験年数に応じた各種研修の中で,児童等に対する配慮に関する講義を実施している。また、検察庁における被害者支援員制度では、検察庁に被害者支援員を配置し,同支援員が犯罪被害者等(被害児童,その家族)から相談を受け,情報提供や助言を行うほか,状況に応じて適切な支援ができる関係機関・団体等を紹介するなどの支援活動を行っている。


(2)性的搾取による被害児童の支援に携わる主要な厚生・社会福祉機関及
び民間団体
Canada: Health and social service agencies are a Provincial responsibility;
provinces have developed their own strategies to support victims of child sexual exploitation.
France: social services, psychologists, psychiatrists and child psychiatrists.
Germany: youth welfare services, Youth Welfare Office of the municipalities and of the district charitable organisations, child protection centres, the German
Society for the Protection of Children (Deutscher Kinderschutzbund),
child protection services and specialised counselling agencies
Italy: Local Health Units Child Psychology Department Teenagers’ Psychology Department local government bodies and voluntary associations, which take care of juvenile victims
Japan: 児童相談所児童家庭支援センター、民間の被害者支援団体
UK: non-statutory services for victims of sexual exploitation
US: Department of Health and Human Services (HHS); analogous state,
local, and tribal agencies;
NGOs (eg. National Center for Missing and Exploited Children,
ECPAT International, Shared Hope International, SAGE project,
Polaris Project)