児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

頬に接吻したという強制わいせつ事件(否認)について高額な慰謝料を支払った事例(福岡地裁H26.7.18)

 「否認したら実刑になるかも」ということで高額の弁償をしたものと思われます。
 科刑状況をみると、強制わいせつ罪は態様別に軽重があって、「頬に接吻」事例は、否認しても実刑になりません。弁償しなくても。
 卑わい行為(迷惑条例)との比較で、そもそも「わいせつ行為」か、というところから争ってはどうでしょうか。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140718/trl14071816210004-n1.htm
福岡地裁は懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。
 弁護側は「髪に阻まれ、キスしていない。捜査段階の自白は、精神的に追い詰められて迎合した」と無罪を主張したが、判決理由で松藤和博裁判官は「防犯カメラの映像から直ちに犯行を認定できないが、被害者の話と食い違いがない」と退けた。高額な慰謝料を支払ったことを考慮し、執行猶予を付けた。
判決によると、昨年12月19日午後10時15分ごろ、同県福津市のJR福間駅エスカレーターで女子高校生を後ろから抱き寄せて右頬にキスした

頬に接吻しただけの強制わいせつ罪の科刑状況
08月 実刑 (前科)
懲役1年 02月 執行猶予3年
懲役1年 04月 実刑(前科)
懲役1年 執行猶予3年
懲役1年 06月 執行猶予3年
懲役1年 06月 執行猶予3年
懲役1年 02月 執行猶予3年
10月 執行猶予3年 否認(慰謝なし・不合理弁解・強制わいせつ罪事案の中では被害者の性的自由の侵害は小さい)