児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

同一青少年に対して、数回行われた青少年条例違反(淫行・わいせつ行為)は包括一罪(福岡高裁H26.2.26 名古屋高裁金沢支部H19.3.22)

 地味ですけど、こういう判例を作っています。
 保護法益が 自己決定利というより青少年の健全育成というほわっとした利益だから。
 A子と性交したいとずっと考えている方が、たまたま性交したくてその都度した場合よりも処断刑期の点では軽くなります。

福岡高裁の事例
犯行日 犯行地 行為内容
H25.7.18 A県 わいせつ 
H25.8.22 B県 淫行  
H25.9.1 A県  淫行  
H25.9.1 A県  淫行  

名古屋高裁金沢支部の事例
原判決
福井地裁H18.12.13 
H17.12.11性交(福井県少年愛護条例)
H17.12.25性交(福井県少年愛護条例)
H18.3.12性交(福井県少年愛護条例)

名古屋高裁金沢支部H19.3.22
 原判決は、第1〜第3の青少年条例違反の罪を併合罪としているが、青少年条例違反は、青少年の健全な育成を保護法益としているのであるから、同一犯意の下に同一の青少年に対して継続的に反復してみだらな性行為をした場合には、これを包括的に観察して一罪とすべきである。

同一青少年に対する数回の青少年条例違反を包括一罪とする裁判例
東京地裁八王子H19.11.12
鹿児島地裁H19.1.25
宇都宮地裁H20.9.17
高知地裁安芸H20.1.15
横浜地裁横須賀H18.10.24
横浜地裁横須賀H18.10.24
横浜地裁横須賀H18.10.24
横浜地裁横須賀H21.1.28
高知地裁安芸H20.1.16
高知地裁H24.2.10
津地裁H22.12.27
名古屋高裁金沢支部 H19.3.22
福岡簡裁H25.10.1
福岡高裁H26.2.26

青少年条例違反の事件リストがないので、おおかた児童ポルノ・児童買春とか児童淫行罪とかと併合された事件です。