古い罪なんですが、気付かないでしょうか?
「富くじ」にあたることになると、販売罪・授受罪は既遂になっています。
刑法
第187条(富くじ発売等)
富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。
条解刑法第2版
富くじ罪
富くじとは,発売者がくじ札を発売することによって複数の者から金品を集め,
1 当該金品の所有権はいったん発売者に帰属した後,
2抽選の方法によって当選者を決め,
3 落選者の損失負担によって当選者に利益を与えるが,
発売者自身は,富くじ発売前の状態からすれば金品得喪の危険を負担していないようなものをいう(大判大3.7.28)
富くじ罪の成立要件としてくじ札を必要とするか否かについて,学説は分かれている。
注釈刑法(4)各則(2) p351
(2) この説によるとき,富くじは,主として抽籤の方法によって財物の特喪を決する射倖行為である。むろん,本条の文理:こ即して,事前に籤札〈通例は番号札〉の発行があることを要件とすべく〈大判大3・11・17録20・2139参照),かかる籤札もまた富籤と呼ばれる。
したがって, 抽選ないしこれに準ずる方法を用いない競馬・競輪などは,富籤にあたらない。また,割増金附定期預金・福引の類いも,非当選者が賭物を失うという関係にないから,やはり富籤にならない(大判大3・7・28録20・1548参照〉。
Ⅲ構成要件の態様
(1) 富籤の発売(1項〉
富籤の「発売」とは,みずからの計算において富籤(銭札〉を発行し,売却することをいう。
(2) 富籤発売の取次(2項〉
富籤発売の「取次」とは,発売者と購買者の中間にあって,売却方の周旋をすることをいう。(1)の従犯に相当する。報酬の有無ないし歩合を問わない。
(3) 富籤の授受(3項〉
富籤の「授受」とは, 「発売」・「取次」を除く一切の授受行為を意味する。主としては購買者のそれを指すであろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130810-00000018-asahi-soci
北九州市販売の抽選券、富くじに抵触? 1.2万枚回収
朝日新聞デジタル 8月10日(土)15時8分配信
【阿部朋美】北九州市などが市制50周年を記念して企画している秋の祭りで、旅行券などが当たる抽選券を事前販売したところ、刑法が禁じる「富くじ」発売にあたる恐れがあり、抽選券回収を始めていたことが分かった。祭り当日に行う予定だった抽選会も中止を決定。市は「不勉強で勇み足だった」としている。この祭りは9月8日に北九州市八幡東区で開催予定の「まつり八幡東」。市制50周年記念イベントの一つとして、市が地元の自治会、ボランティア団体などと昨年12月に実行委員会を立ち上げて準備している。抽選会の開催は、祭りを盛り上げる目玉企画として企画された。
実行委は7月上旬、この抽選会の抽選券を1口200円で1万2千枚を事前に販売。「特等」が5万円相当の旅行券2本、「1等」がテレビゲーム機で5本、「2等」が1万円相当の食事券10本などで、そのほとんどが販売後約1カ月で売れたという。