ヨーロッパの状況
21世紀刑法学への挑戦―グローバル化情報社会とリスク社会の中で (早稲田大学比較法研究所叢書)
- 作者: ウルリッヒズィーバー,Ulrich Sieber,甲斐克則,田口守一
- 出版社/メーカー: 早稲田大学比較法研究所
- 発売日: 2012/04
- メディア: 単行本
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P417
6 インターネットサービス・プロパイダーの責任
インターネットサービス・プロパイダーの責任について扱っている。
c) 分析
現在のところ,欧州共同体のみが, インターネットサービス・プロパイダーの責任を扱うための工夫された正確で‘調和化されたルールを有する団体である。これらのルールは,様々なフ。ロパイダーの区分けをしている。アクセスとネットワーク・プロパイダー(これは送られたデータに関する知識を通常は有していない)は,送った情報に影響を与えていないかぎりで,もしくは情報およびその受取人を彼らが選択していないかぎりで, 民事上もしくは刑事上の責任を負わない。しかしながら,民事上および行政上の命令によって違法コンテンツをブロックする義務は負いうる。ホストサービス・プロバイ夕ーは,それが違法データもしくは違法活動に関する笑際の知識を有していた場合にかぎり刑事事件において責任を負う
この解決策は, 犯罪の防止と国際的なコンビュータ・ネットワークにおける自由なデータの伝達との適切な衡量を表している。
現在, この領域においてEUの外では, 国際的な調和化は達成されていない。しかしながら, 欧州評議会の委員会であるテロリズムに関する専門委員会(CODEXTER)に著者が提出した提案書は,電子商取引に関する指令の解決策を拡張することを提案している。これは,違法なテロリストのコンテンツをホストし, もしくは送付するインターネット・プロパイダーの刑事責任に関する規定を欧州評議会の法律文書に含めることによってなされる
9 インターネットにおける児童ポルノ遮断義務
- 2009年5月5日の法案(BT-Drucks.16/12850) の評価と展開
I はじめに
II 法案に呈示された解決アプローチの分析
III 総括的評価および結論