児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「判例特別刑法」の弁護人奥村徹

判例特別刑法

判例特別刑法



 判例番号40、47〜51の6件が奥村弁護人でした。お手伝いしたのが数件あります。
 特別法は罪数が問題になることが多いのです。

はしがき
 わが国には、刑法典以外にも犯罪と刑罰を規定した特別刑法が数多く存在し、道路交通法違反を筆頭に特別刑法犯は刑事事件の中で相当な部分を占めている。しかし、わが国の刑法の研究・教育は刑法犯に集中し、特別刑法犯の解釈の指針となる理論は不十分であるといってよい。また、特別刑法は、その時々の社会的な要請に基づくことから、政策的な観点が前面に出る。しかし、特別刑法も人を罰するものである以上、罪刑法定主義法益保護主義責任主義といった刑法の基本原理に従って解釈されなければならない。そこ
で、本書では、刑法理論を踏まえつつ、近時の特別刑法に関する重要判例を検討し、解釈の指針を提供しようと考えた。
 本書は、特別刑法判例研究会の研究成果に基づくものである。本研究会は、1986年に故佐々木史朗先生(元福岡高裁長官)を主宰者として早稲田大学出身の研究者および実務家で創設された。その初期の成果は、佐々木史朗編『特別刑法判例研究 第1巻』(1998年、判例タイムズ社)として公刊された。
先生のご逝去によって、一時、本研究会は休眠状態となったが、2005年に再開され、日本評論社のご好意で法律時報誌上に研究成果を連載する機会をいただいている。本書に収録した評釈は、この連載を中心として、刑事法ジャーナル誌等に掲載された評釈を追加したものである。評釈の連載ならびに本書の刊行の機会をくださった日本評論社、本書の企画から完成に至るまで親身にサポートしてくださった同社の岡博之氏、転載を許可してくださった成文堂、また、同社刑事法ジャーナル編集長の田中伸治氏に、この場を借りて御礼を申し上げたい。また、本書の出版事務局として、各執筆者との連絡調整、字句・体裁の統一、校正、索引の作成等を担当していただいた仲道祐樹准教授(早稲田大学)、萩野貴史講師(白鴎大学)、小野上真也専任講師(清和大学)、田川靖紘専任講師(愛媛大学)、芥川正洋氏(早稲田大学大学院)にも感謝を申し上げたい。
2012年4月1日
高橋則夫
松原芳博

http://www.nippyo.co.jp/book/5903.html
第1章 選挙
解説 杉本一敏
1 選挙の自由妨害罪における「選挙運動者」の意味/杉本一敏
2 金銭供与約束罪および事前運動罪にいう「選挙運動」/野村健太郎

第2章 出入国管理
解説 仲道祐樹
3 旅券を所持しない者に対する旅券等不携帯罪の成否/渡邊卓也
4 在留期間更新不許可決定の了知と不法残留罪の成否/小野上真也
5 入管法74条(集団密航助長罪)の実行行為/仲道祐樹

第3章 税法
解説 萩野貴史
6 法人税法における虚偽過少申告罪の成否/北川敦子
7 密輸貨物の運搬等をする罪の法的性質と量刑判断/萩野貴史

第4章 交通・通信
解説 武藤眞朗
8 コンビニ駐車場通路部分と道路交通法2条1項1号にいう「道路」の意義/関 哲夫
9 車両等提供罪と同乗罪の罪数関係/萩野貴史
10 道路運送車両法における虚偽報告罪の成否/小野上真也
11 停車駅通過の鉄道営業法上の罪責/武藤眞朗
12 ファイル共有ソフトの提供と公衆送信権侵害罪(Winny提供事件)/小野上真也
13 不正アクセス罪と罪数判断/辻本淳史
14 盗聴録音された通話内容の再生と電気通信事業法の秘密を侵す罪/松原芳博

第5章 経済
解説 内田幸隆
15 官製談合における競争の実質的制限(防衛庁石油製品入札談合事件)/酒井安行
16 特別背任罪における図利加害目的、主体、共同正犯(イトマン事件)/内田幸隆
17 特別背任と経営判断の原則(拓銀特別背任事件)/木崎峻輔
18 証券取引法166条1項4号の「当該契約の履行に関し知つたとき」の意義/関 哲夫
19 相場操縦に係る財産の没収・追徴(志村化工事件)/二本�誠
20 自己両建オプション取引における仮装取引性と繁盛等目的/鈴木優典
21 旧証券取引法における風説の流布と没収・追徴の範囲(ジャパンメディアネットワーク事件)/鈴木優典
22 旧証券取引法における偽計と相場変動を図る目的/鈴木優典
23 監査意見の表明と虚偽記載有価証券報告書提出罪等の共同正犯の成否/小野上真也
24 出資法における複数の制限超過利息受領行為と罪数/鈴木優典
25 補助金等不正受交付罪の成立範囲およびその判断方法/福山好典
26 ビル立ち退き交渉等の業務と弁護士法72条/関 哲夫
27 宅地建物取引業法2条2号にいう宅地又は建物の「売買」/伊藤亮吉

第6章 医事・薬事・衛生
解説 若尾岳志
28 歯科医師の医科救命救急研修と医師法17条/三重野雄太郎
29 覚せい剤輸入罪および禁制品輸入罪の実行の着手時期/二本�誠
30 「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」(旧麻薬特例法2条3項)の意義/若尾岳志
31 麻薬特例法11条1項及び13条1項により、幇助犯から没収・追徴しうる薬物犯罪収益の範囲/三上正隆

第7章 環境
解説 岡部雅人
32 廃掃法にいう「みだりに」「捨て(る)」の意義(野積み事件)/岡部雅人
33 一般廃棄物と産業廃棄物の混合物/岡部雅人
34 「産業廃棄物」の意義(木くず事件)/岡部雅人
35 リサイクル条例の明確性(世田谷リサイクル条例事件)/岡部雅人

第8章 公安・危険物
解説 三上正隆
36 けん銃等発射罪における抽象的危険の判断/小坂 亮
37 刃物不法携帯罪における携帯行為の一体性と違法性阻却/三上正隆
38 けん銃等提出自首の成立要件/鈴木一永
39 いわゆるピッキング防止法4条にいう「業務その他正当な理由による場合」/増田 隆
40 組織的犯罪処罰法2条2項1号にいう「犯罪行為により得た財産」の範囲/三上正隆
41 組織犯罪処罰法13条2項にいう「犯罪被害財産」の範囲/宿谷晃弘
42 非弁行為罪の共同正犯と犯罪収益等収受罪の主体性/鈴木優典
43 集会の自由と刑罰法規の広汎性(広島市暴走族追放条例事件)/宿谷晃弘
44 軽犯罪法1条2号にいう「正当な理由」の判断方法/田川靖紘
45 爆発物取締罰則1条・3条にいう「目的」/若尾岳志

第9章 風俗・労働・福祉
解説 渡邊卓也
46 動物の愛護及び管理に関する法律旧27条2項にいう「虐待」の意義/三上正隆
47 児童ポルノ禁止法7条2項、刑法旧175条後段にいう「販売目的」とバックアップデータの作成・所持/内山良雄
48 ハードディスクへの記録と児童ポルノ製造/上野芳久
49 児童ポルノを「不特定」に「提供」する目的の意義/渡邊卓也
50 児童ポルノ製造罪と児童淫行罪の罪数/石井徹哉
51 児童ポルノ提供罪と同提供目的所持罪の罪数関係/仲道祐樹
52 個室ビデオ店と「興行」および「専ら」の要件/新谷一朗
53 いわゆる青少年条例により有害図書類の収納等が規制される「自動販売機等」の該当性判断/芥川正洋
54 ストーカー行為の処罰とその合憲性/萩原 滋
55 ストーカー行為等規制法における保護法益と架電行為/小坂 亮
56 いわゆる迷惑防止条例における「卑わいな言動」の罪/杉本一敏
57 迷惑防止条例の「転売する目的」/伊藤亮吉
58 県境をまたいだ迷惑防止条例違反の罪の罪数関係/仲道祐樹