児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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千代田区議が深夜に女子高校生連れ出し、平和使節団派遣先の沖縄で

 「批判を受ける」どころか、犯罪です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110809-00000504-san-soci
千代田区議が深夜に女子高校生連れ出し、平和使節団派遣先の沖縄で 
 東京都千代田区の区議(53)=みんなの党=が、区民らから公募した「平和使節団」の派遣先の沖縄県で、参加者の女子高生3人を深夜、酒類を中心に提供する飲食店へ連れ出していたことが8日、分かった。
 女子高生は飲酒していないが、東京都青少年育成条例では午後11時、沖縄県条例では同10時以降、未成年者を保護者の同意を得ずに連れ出すことを禁じており、今回の区議の行動は批判を受けそうだ。

沖縄県青少年保護育成条例逐条解説書h18 
第3章青少年育成を阻害する行為の規制
(深夜外出の制限)
第9条
1 保護者は、正当な理由がある場合のほか、深夜(午後10時から翌日の午前4時までをいう。 以下同じ。)に青少年のみで外出させないように努めなければならない。
2 何人も、正当な理由がなく、保護者の委託を受けず、又はその承諾を得ないで、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめではならない。
3 何人も、深夜に外出している青少年に対しては、その保護及び善導に努めなければならない。ただし、青少年が保護者から深夜外出の承諾を得ていることが明らかである場合はこの限りでない。
4 深夜に営業を営む者及びその代理人、使用人その他の従業員は、深夜に当該営業に係る施設内及び敷地内にいる青少年に対し、帰宅を促すように努めなければならない。
〔要旨〕
本条は、青少年の深夜外出に対する注意規定である。
〔解説〕
1 青少年の深夜外出と非行とは密接な関係があるといわれている。
本条は、青少年の未来ある人生を誤らさないために青少年の深夜外出を規制したものである。
2 第1項は、青少年自身の深夜外出を直接的に規制するものでなく、保護者に対し、常に細心の注意と理解ある善導を期待したものである。
3 第2項は、保護者以外の第三者が正当な理由がなく、深夜に青少年を同伴してはいかいするなど、青少年に悪い影響を及ぼすことを防止しようとするものである。
4 「正当な理由」 とは、社会通念上相当と認められる理由のあることで、夜学、夜勤、青少年活動等で外出する場合又は火災、盗難、急病等の救急事態に対応する場合等をいう。
5 「何人」 とは、県民はもとより旅行者、滞在者も含め、成人であると、未成年者であるとを問わず、現に本県にいるすべての人(保護者は第1項との関係で除かれる。)をいう。
6 「連れ出し」 とは、青少年をその住居、居所等から離れさせることであり、その手段等は問わない。直接自宅等を訪問し連れ出すことはもちろん、電話やメールで呼び出し外出させる行為や知人等他者に呼び出させ連れ出す行為も連れ出しに当たる。
7 「同伴」とは、現に同行する等青少年と同一の行動を取っていることをいい、単に「同席」 する場合はこれにあたらない。また、既に深夜に外出している青少年と同伴する場合も含む。
8 「とどめる」 とは、連れ出し、あるいは既に外出している青少年を、保護者の監護監督が及ばない場所に置くことであり、保護者以外の者の住宅、ホテル等に宿泊させる行為もこれにあたる。
「連れ出し」する者と、「同伴」、「とどめる」 者は同ーである必要はない。
9 「連れ出し」、「同伴」、「とどめる」 行為は、青少年の任意意思によりこれらの行動をなさしめ、あるいはこうした状態に置くことであり、青少年の意思に反して強制に及ぶ場合には刑法に抵触することとなる。
10 「保護」 とは、深夜外出している青少年が被害に遭わないための未然防止策であり、保護者に通知して引き取りを求めることや警察に通報することをいう。
11 「善導」 とは、深夜はいかいしている青少年に帰宅を促すとともに、犯罪に巻き込まれないため等の注意喚起を促すことをいう。
12 「深夜外出の承諾を得ていることが明らかである場合」 とは、第1項の「正当な理由がある場合」 が基準となる。 この場合の「親の承諾」 とは、正当な理由があるものをいい、承諾があるものを単純に対象外とするものではない。第3項は、県民の一般的責務を規定したものである。
13 第4項は、第11条にいう深夜の立入制限営業には該当しないが、深夜に営業を営む者等は、本条及び第11条の制定された趣旨を十分に理解し、協力する必要があるとして、特に、当該営業に係る施設内等にいる青少年に対して帰宅を促すことを規定したものである。
14 「深夜に営業を営む者」 とは、コンビニエンスストア、24時間営業のスーパー・飲食店等をいう。
〔罰則] (第22条)
第2項の規定に違反した者30万円以下の罰金