児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

国会会議録の「再犯率」

○山口(和)委員 民主党山口和之と申します。どうぞよろしくお願いいたします。おはようございます。
 私は、三十年近く、医療の中のリハビリテーションの世界におりました。その世界では、まず病気の再発予防、地域の中での健康管理、それから病院での治療と同時にリハビリテーションが開始されて、地域の中でさらに社会復帰を目指す、また疾病の予防を地域の中で行っていくという観点で、三十年近く仕事をさせていただいておりました。
 今回、刑法そのものが犯罪の抑止力となると考えておりまして、そのことから、時効がなくなることで防犯効果が急激に上がるとは思いませんが、ただ一方で、刑法が、そういう視点が必要だというふうにも考えております。
 配付いたしました資料の表の一を見ていただきますと、そういったリハビリテーションの観点から、今回は再犯防止について主に質問させていただきたいと思います。
 この表一を見ていただきますと、経済の悪化とともにという感じもないわけでもないんですけれども、再犯者の数がふえ、再犯者率もふえております。犯罪を犯さないようにするということは非常に重要なことだと思われます。
 そこで、次の表二を見ていただきたいんですけれども、この表二は刑務所でのプログラムなんですが、二〇〇六年の五月二十四日施行の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律というところで、平成十八年に、そこでの矯正プログラム、いわゆる更生するためのプログラムが開始されたということであります。
 ちょっと驚いたんですけれども、それ以前は、刑務所では罪を償うということが主眼に置かれており、更生のプログラムは各刑務所でおのおの行われていた。ということは、罪を償うこと、もちろん監獄法ですからそういうことなんでしょうけれども、でも、普通で考えれば、病院で考えれば、病気になって治療して、同時に、もう一度病気にならないようなことをちゃんとやってこなきゃいけなかったわけだと思うんです。それが、平成十八年にようやくこういったプログラムができて、刑期に服している間にこういうプログラムが入ってきたということになります。
 千葉法務大臣さんには、各刑務所間でどういうプログラムが行われて、どこの刑務所が一番再犯率が少なくて、どういうプログラムが一番効果的なのかということを検証できないかというお話を一度したことが多分ございます。そのときには、そういうのはまだないようなことをお聞きしておりました。これは自分としては、医療系にずっとおったものですから、結構びっくりする内容でした。
 そこで、この改善プログラムというのは、いかに今後刑務所間でこのプログラムが効果的に行われるか、再犯率がどんどん下がっていくか、社会の中で最適化していくか、そういうことの検証を今後どうやっていくのかということを少しお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○加藤副大臣 先生御指摘のとおり、我が国の犯罪そのものを減らしていくために、再犯率を抑えていく、減少させていくということが極めて重要だということは論をまちません。私も全くそのとおりだと思います。
 その中で、御指摘をいただきました改善指導プログラムでありますけれども、現状で、その改善指導プログラムのうち、性犯罪再犯防止指導というものと薬物依存離脱指導という二つにつきましては、このプログラムを受講した上で出所した受刑者等についての再犯状況のデータというものを蓄積を始めているところであります。これが、法改正が平成十八年でございましたので、平成十九年度からデータの蓄積を始めたという状況にございます。今後、当然、そのデータが蓄えられてくれば、効果について分析をして、適切に対処をしていきたいというふうに考えてございます。
 その二つの指導プログラムを含めまして、他の改善指導プログラムを受講した受刑者につきましては、そのプログラムの受講前後における変化、本人の考え方の変化であるとか、あるいは不幸にも再入所してしまったときには前回どんな受講状況だったのかというようなことを聞き取りをいたしまして、いわゆる調査分析をいたしまして、今後の改善指導プログラムの効果検証に努めてまいりたいというふうに思っております。
○山口(和)委員 ありがとうございます。
 プログラムが同一ですので比較するのはなかなか難しいとは思うんですけれども、恐らく、指導する側あるいは指導方法が若干違ったりして、刑務所間での効果の違い等々も調べることができるのかと思います。または、組み合わせのプログラム等々、検証していくことによって精度を上げていくことは可能ではないかと思われますので、ぜひともお願いしたいと思います。
 私は、リハビリテーションをずっとやっていまして一番効果的だなと思うのは、やはり、昔は集団的なプログラムが多い時代、ケアもそうなんですけれども、近年はパーソナルケア、個別のケア。つまり、犯罪者の背景であったり、どういう環境でどういうことで行われてきたのかということを深く掘り下げて、ケアマネジメントというんですけれども、ケアマネジメントの世界では深く掘り下げて、その人一人一人のパーソナルケアというものが非常に重要だと思われます。ぜひこの点についても推進していただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次の質問に入りますけれども、刑務所を出た後、非常に重要になってくるのが保護司の役割だと思うんですね。日本においては保護司というボランティアの方がいらっしゃって、それで成り立っていたということですが、この方々が近年高齢化してきたり、なり手が少なくなってきているということを聞くんです。とてもいい制度ですし、リハビリテートするときにも、受刑者の方々が社会復帰をされるときにも、こういう方々のサポートがあって地域社会で生きていくということが重要になってくると思うんですね。
 そういったときに、なり手が少なくなって脆弱化していることについて、具体的な対策等がございますでしょうか。それをちょっとお聞きしたいと思います。お願いします。