児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

公然陳列罪の実行行為の終期

  2007.8.19公然陳列
  2010.10.5警察が覚知
  2011.2.8逮捕
という時系列。

http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/kanaloco-20110209-1102090006/1.htm
県警少年捜査課と南署は8日、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、兵庫県宍粟市、会社員の男の容疑者(34)を逮捕した。
逮捕容疑は、2007年8月19日、インターネット上のホームページ作成サイトのサーバーに、小学生か中学生とみられる女児の裸の画像1枚を記憶させ、同日から2010年10月5日まで、不特定多数が閲覧できる状態にした、としている。調べに対し、同容疑者は容疑を認めているという。

 2010までは閲覧可能状態だったと思われますが、児童ポルノ公然陳列罪には継続犯だとする判例があるので、これだと、公開を停止するまで行為が継続していることになって、公訴時効もそこから起算されることになります。

東京高裁平成16年6月23日(公刊物未掲載)
(3)所論は,要するに,児童ポルノ公然陳列罪は,状態犯と解すべきであって,被告人が本件児童ポルノ画像を認識する以前に既遂に達しているから,被告人を事後従犯に問うこともできないし,仮に本罪が継続犯であるならば,被告人には幇助犯が成立するにすぎないのに,被告人に児童ポルノ公然陳列罪の正犯が成立するとした原判決には,判決に影響を及ばすことの明らかな法令適用の誤りがある,と主張する(控訴理由第14)。
しかし,児童ポルノ公然陳列罪は,いったん陳列罪として既遂に達しても,その後も陳列がなされている限り法益侵害が続いており,また,陳列行為も続いているものと解することができるから,所論のように状態犯ではなく,継続犯と解するのが相当である。また,前記説示したところによれば,被告人は,自らの利益のために本件犯行に及んだものであって,その関与の態様,程度等に照らしても,被告人に児童ポルノ公然陳列罪の正犯が成立するとした原判決の判断は正当であって,所論のように幇助犯にとどまるものと解するのは相当でない。論旨は理由がない。