児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

無罪(福岡高裁H23.1.27)

 児童の供述というのはいとも簡単に誘導されます。
 否認して主張が通ると無罪、失敗すると不合理弁解で実刑みたいです。

 大阪地裁h14.12.13は児童買春罪の無罪判決ですが、被告人の供述は一貫しているのに対して、被害児童の供述が日時という重要部分で変遷していた事案です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110127-00000105-jij-soci
携帯電話のサイトで知り合った少女にわいせつな行為をしたとして、福岡県青少年健全育成条例違反罪に問われ、一審で懲役10月の実刑判決を受けた山口県の男性被告(35)に対し、福岡高裁(陶山博生裁判長)は27日、少女の供述について、「行為の相手を裏付ける証拠は不十分で、信用することはできない」と述べ、逆転無罪(求刑懲役1年)を言い渡した。
 男性は2009年3月、福岡市中央区のホテルで当時16歳だった少女にわいせつな行為をしたとして同年10月、福岡県警に逮捕された。調べに対し「18歳未満とは知らなかった」などと自白したが、公判では起訴内容を否認してアリバイを主張。証人尋問で犯行日を「3月19日」から「3月27日か28日ごろ」と変えた少女の証言の信用性が争点だった。
 一審福岡地裁は「日付に関する供述の変遷が、被害についての供述の枢要部分の信用性を揺るがすとは言えない」として有罪としたが、陶山裁判長は、ホテルの利用記録などを検討した上で、「わいせつ行為の相手が被告であると信用することはできない」と述べた。
 渡辺徳昭福岡高検次席検事の話 判決文をよく検討し、今後の対応を決定したい。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110127-00000667-yom-soci
陶山博生裁判長は「一緒にホテルに行った相手や犯行日に関する被害少女の証言は信用できず、裏付ける証拠もない」などとして、懲役10月(求刑・懲役1年)の実刑とした1審・福岡地裁判決を破棄し、男性に逆転無罪を言い渡した。
 昨年6月の1審判決では、男性は2009年3月27日か28日頃、福岡市内のホテルで、少女(当時16歳)とみだらな行為をしたとされた。
 福岡地検は当初、捜査段階の少女の話を基に犯行日を「3月19日」として男性を起訴。男性は1審の公判で「19日にはアリバイがある」と無罪を主張した。その後の証人尋問で少女は「犯行日は3月19日か27日、28日」と証言し、1審判決は犯行日を「27日か28日頃」と認定して実刑判決を言い渡した。
 控訴審判決で、陶山裁判長は「ホテルでの利用履歴などと照らし合わせても、少女が27日か28日に行ったとは確認できず、犯罪の証明がない」と結論づけた。

揺れる犯行日説明 わいせつ被害者証言、福岡高裁が疑問視 【西部】
2011.01.07 朝日新聞
 ■事件と裁判の経緯
 2009年
 10月29日 福岡県警が男性を逮捕
 11月19日 福岡地検が男性を起訴
 2010年
  3月26日 検察官が「犯行日は2009年3月19日ではないのではないか」と少女に電話で指摘
  3月29日 少女が地裁の証人尋問で「犯行日は2009年3月19日か27日か28日」と証言
  4月21日 地検が犯行日を「3月下旬ごろ」に訴因変更請求
  6月28日 地裁が犯行日を「3月27日か28日ごろ」と認定し、有罪判決
 12月16日 福岡高裁が少女の捜査段階の調書を証拠採用し、控訴審が結審
 (一審判決や弁護側の主張などから)