176 - 参 - 法務委員会 - 4号
平成22年10月28日
○上野通子君 済みません、ちょっと時間がないので、大臣の答弁、後でということでよろしいですか。
今、岡崎大臣の方から答弁いただきましたが、最後におっしゃった子ども・若者育成支援推進法というのは、内容ここにあって見せていただいたんですが、これはいわゆるニートや引きこもりの若者自立支援を推進するための法律であって、私が質問したいのは、有害情報又は子供にとっての犯罪、それを規制するために必要なことの見解をいただきたかったということなので、完全に青少年の育成から健全の健全を取ってしまった、今の話だと私はうかがえてなりませんでした。
それで、具体的に言いますと、本当に青少年の健全育成をするための法案というのは、今まで廃案になったり、また案として出てもその改正ができなかったりと、大変そこのところがうまくいかない現状を私はいろいろと調べさせていただいて、特に皆さんにお分かりやすいのでは、児童買春・ポルノ禁止法ですが、これがなぜか今のこの状態であっても、製造と販売、提供目的の所持は処罰の対象であるにもかかわらず趣味としての単純所持は認めていると。これは大変日本人としても私は恥ずかしいことであり、また私は母親としても信じられないことであります。
なぜなら、被害者となった子供たちは、写真がネットを通じて今この時点でも世界に拡散しているという状況なんです。まして、世界からはこれは日本はおかしい、早く単独所持を禁止するようにという、そういう要請も沸き起こっているんです。世界主要八か国の中でも日本とロシアだけなんです、これを通しているのは。こんなことを続けては、今や日本の常識は世界の非常識になってしまいますが、このことについて、じゃ具体的なんですが、コメントいただけますでしょうか。岡崎大臣、お願いします。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 今の児童ポルノに関することでいいますと、子供、若者の被害防止、保護、この中におきましても、児童買春、児童ポルノに係る犯罪等の被害者となることを防ぐということで、これ社会全体に対して広報、啓発そして厳正な捜査及び適切な処理を行っていくということで、この児童ポルノ排除対策につきましてこうした事件の検挙をしっかり行う、そして、被害者児童の増加、国際社会からの要請等にかんがみまして、関係省庁が連携して児童ポルノ排除に向けた国民運動の推進も含めてしっかりと行っていきたいというふうに思っております。
○上野通子君 今の状況では次々と犯罪とかが起きるので、これ地方はかなり混乱しております。ですから、国としてきちんとした法制化をしていただかないと、例えば年齢によってもまちまちな状況なんです、そのそれぞれの法令によって。例えば、少年法の少年は二十歳と言っていますし、児童福祉法における児童は十八歳、青少年育成施策大綱ではゼロ歳から三十歳未満と、なぜか青少年に対する定義がまちまちばらばらな状態でもあるんです。こういうことに一貫性がないことで、地方では大変条例が作りにくいという実態、現状が起きているんです。
そしてさらには、国として何もやらなかったのではなくて、今までにも様々な法案を作るということを先ほどお話ししましたが、二〇〇四年には自民と公明の両党が参院の方に青少年健全育成基本法案を提出しております。そうしましたところ、付託委員会も決まらないままに審議未了で廃案となってしまったと、大変残念な状況であったようにもお聞きしております。
そして、この審議になかなか入れなかった理由としては、表現の自由に最大の配慮をするという、ここのところに皆さん引っかかっていらっしゃった、これがネックだったということなんですが、まずこのことで一つお聞きしたいのは、この法案に岡崎大臣は反対されたとお聞きしていますが、本当でしょうか。まだ成立する前ですね、成立していませんが、法案に、まず成立させようとするときに賛成ではなかったとお聞きしております。
○国務大臣(岡崎トミ子君) これは、児童買春、児童ポルノに係る行為の処罰あるいは児童の保護に関する法律、これを改正して児童ポルノの単純所持を規制するか否かについては国会において議論されるものと認識をしておりまして、その改正につきましては法務省と連携しながら適切に対応することが大事だと私自身も思っております。