被害者参加人代理人の経験から、被害者の求刑は廃止すべきだとされています。
もとより,同制度は,被害者側の報復感情を強調し,重罰化を求めるためにあるのではなし、。あくまでも,被害者参加人は,検察官の補助者として,上記目的を実現させるべく,公的地位において参加するのであるo
被害者参加人の訴訟行為も,その限度において認められると言うべきであるo 被害者自身が,直接の経験により事情が分かつていることから,情状証人の証言の欺踊性を弾劾し,あるいは,被告人に対し,真の謝罪を求めようとして質問をすることは,上記目的を達成する上で重要な意味を持つであろう。被害者の論告としての意見陳述も然りである。これに対し,法は更に,被害者本人が検察官と異なる求刑をすることも許容している。しかし,これは上記の制度趣旨〈被害者参加人の法的地位の考え方〉に反する疑いが大きし、しかも,被害者が検察官の求刑を超える求刑をしたとしても,裁判所の判決は,おそらく検察官の求刑を前提とするだろうし,これによって,かえって被害者を落胆させることになるであろう。将来的には撤廃されるべきであると考える(13)13) 高橋正人弁護士は,求刑権は,被害者が最も関心を持つ,最後の総まとめとも言うべきものであるから,法定刑の範囲内であれば,自由に求刑をさせるべきである」と主張されるが(自由と正義59巻7号77頁),疑問である。