児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「当該青少年の年令を知らないことを理由として、・・・の規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年令を知らないことに過失がないときは、この限りでない。」という規定の意味

 条例によれば、対償供与の約束が無い場合には厳しい年齢確認義務があって過失でも処罰されますが、法律によれば、対償供与の約束があれば、年齢確認義務がなく、過失は処罰されないというのです。

岡山県青少年健全育成条例の解説P46
第7項は、本条例の規定に違反する行為を行った者は、青少年の年令を知らなかったことを理由として処罰を免れないことを規定したものであり、有害図書や利用カード等を販売したり、有害興行を行う場所へ入場させようとする場合等、本条例で規制されている事項に関しては、営業等の相手方が青少年であるか否か、又その年令を確認することを義務づけたものである。「当該青少年の年令を知らないことに過失がない」とは、青少年に年齢、生年月日等を尋ね、又は身分証明書の提示を求める等、客観的に妥当な確認措置をとったにもかかわらず、青少年自身が年令を偽り、又は虚偽の証明書を提示する等、営業者等の側に過失がないと認められる場合をいう。
なお、この規定により、違反者は自ら過失がないことを挙証する責任を有する。

宮城県青少年健全育成条例の解説P97
3 第6項は、第30条(みだらな性行為等の禁止)及び第31条(入れ墨を施す行為の禁止)の各規定に違反する行為を行った者は、青少年の年齢を知らなかったことを理由として処罰を免れることができない旨を定めたもので、相手方が青少年であるか否かの確認を義務付けたものである。ただし書き規定の「当該青少年の年齢を知らないことに過失のない」とは、単に青少年に年齢、生年月日等を尋ねただけ、あるいは身体の外観的発育状況等からの判断のみによって信じただけでは足りず、運転免許証、住民票等公信力のある書面、あるいは、父兄に直接に問い合わせる等客観的に通常可能とされるあらゆる方法を用いて精査して確認している場合をいう。

北海道青少年健全育成条例の解説P69
また、第65条は、条文の各規定に違反した者は、青少年の年齢を知らないことを理由として、処罰を免れることができない旨を規定したもので、相手方が青少年であるか否かの確認を義務付けたものである。
2 第65条中「過失がないとき」とは、青少年に年齢、生年月日を尋ね、身分証明書、学生証の提示を求めるなど、客観的に妥当な年齢確認を行ったにもかかわらず、当該青少年が年齢を偽ったり、虚偽の身分証明書を提示し、しかも客観的に18歳以上の者として誤認されるような状態である場合など、違反者の側に過失がないと認められる場合をいう。なお、この場合の過失がないことの証明の挙証責任は、違反者が負うことになる。