児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

兵庫県青少年愛護条例と3項製造罪

 3項製造罪(姿態とらせて製造)はまあいいとして、これが青少年条例違反かということですよ。
 たぶん、服脱げ・ポーズとれ・写真撮れというのを「わいせつな行為を教え」だというのですが、それは青少年に対する「わいせつ行為」であって、「わいせつな行為を教え」ではないと思います。
 しかも「服脱げ・ポーズとれ・写真撮れ」というのはもろに3項製造罪(姿態とらせて製造)の要件ですので、
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20100626#1277518843
にも書いたように、法律と重複する範囲で条例は死んでいると思います。

http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0003151053.shtml
女子中学生に裸の画像送らせた疑い、男逮捕 県警 
 女子中学生に裸の画像を送信させて、携帯電話に保存したなどとして、兵庫県警少年育成課と芦屋署は30日、児童買春・ポルノ禁止法違反と青少年愛護条例違反の疑いで、容疑者(22)を逮捕した。容疑を認めているという。
 逮捕容疑は、携帯電話のゲームサイトで知り合った芦屋市内の公立中学1年の女子生徒(12)に対し、裸の画像を送るよう要求。18歳未満と知りながら、今年4月下旬、女子生徒に裸の画像2枚と動画を携帯電話に送信させて保存した疑い。
 女子生徒の不審な様子に気づいた家族が、芦屋署に届け、発覚した。県警は、容疑者から押収した携帯電話などから数十枚のポルノ画像を確認、関連を調べる。

兵庫県少年愛護条例の解説p63
(みだらな性行為等の禁止)
第21条何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又はは見せてはならない。
【要旨】
この条は、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をし、又はこれらの行為を教え若しくは見せることを禁止したものである。
[解説]
1 一般に青少年は、その心身の未成熟あるいは発育程度の不均衡から、精神的にまだ十分に安定していないため、反倫理的、反道徳的な性行為等によって精神的な痛手を受けやすく、またその痛手から容易に回復しがたいものである。このような青少年の特質に鑑み、その健全な育成を阻害するおそれのあるものとして、社会通念上非難を受けるべき性質のものを禁止したものである。
2 「みだらな性行為」とは、青少年を誘惑し、威迫し、若しくは困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為、又は青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為のことをいう。
3 「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的差恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為をいう。
4 第1項の例としては、成人が結婚の意思もないのに青少年を言葉巧みに誘って、単に自己の性的欲望を満足させるためだけにしたみだらな性行為及び青少年の性器をもてあそぶなどしたわいせつな行為がこれにあたるが、婚約中の青少年又はこれに準ずる真撃な交際関係にある青少年との関係で行われる性行為等、社会通念上およそ罰則の対象として考えがたいものは、これらに該当しない。
5 第2項は、青少年に対して、第1項の行為を意識的に教えたり、見せたりする行為の禁止規定である。
6 「教え」とは、みだらな性行為又はわいせつな行為の相手方とならないが、当該行為の方法等を青少年に具体的に教示することであり、単なる猥談等はこれに該当しない。また、「見せ」とは、自己又は他人のみだらな性行為若しくはわいせつな行為を青少年に直接見せることをいい、図書、映画等の媒体を通して見せることはこれに該当しない。