児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ対策作業部会 最終報告書

http://good-net.jp/modules/news/uploadFile/2010060741.pdf

http://good-net.jp/modules/news/uploadFile/2010060738.pdf
。最後に、法的問題検討SWGは、少壮気鋭の研究者と経験豊かな実務家という異例の組み合わせで構成されており、通信の秘密と児童の権利の保護という、いずれ劣らぬ重要な権利の衝突の問題について徹底した議論を行った。個別報告書は、現行法の下でも緊急避難によって児童ポルノブロッキングが正当化されうるという結論を示しており、児童ポルノに対して適法なブロッキングを行うための条件と、他の違法情報へのブロッキングの拡大に対する懸念を示している。
インターネット上において多数の児童ポルノが流通していること、これに対して効果的な方策を講じることが喫緊の課題であることについては、多言を要しないところである。その反面、ブロッキングを採用するためには、ISPを利用するすべてのインターネットユーザーのアクセス先をチェックするほかはなく、この手法それ自体が重大な権利侵害の危険を秘めている。この問題を解決し、民間の自主的取組によってブロッキングを行うことは、直接的に児童ポルノの流通による児童の権利侵害を防止する効果を持つ一方で、間接的には、国家による強力な規制が発動されることを防ぐ作用を持っていると考えられる。本最終報告書は、全体として、ISPの自主的取組によるブロッキングが可能であることを示唆するものであり、当作業部会は、ISPによるそのような取組がことを希望している。もっとも、ブロッキングの手法、ブロッキング対象リストの作成・管理のあり方等については、若干の検討課題を残すところであり、当作業部会は引き続きこれらの課題について、調査・検討に当たる予定である。
当作業部会は、本最終報告書がISPによる自主的取組を通じて、インターネット上の児童ポルノの流通防止につながることを強く願うものである。

「少壮気鋭の研究者と経験豊かな実務家という異例の組み合わせ」の末席で判例を提供しました。

http://good-net.jp/modules/news/uploadFile/2010060737.pdf
児童ポルノ作業部会法的問題検討サブワーキング 構成員
リーダー 宍戸常寿 東京大学准教授(憲法
リーダー代理 丸橋透 テレコムサービス協会サービス倫理副委員長・ニフティ法務部長
構成員 別所直哉 安心ネットづくり促進協議会 調査企画委員会副委員長・
ヤフーCCO(最高コンプライアンス責任者)兼法務本部長
野口尚志 日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA) 理事
行政法律部会副部会長)
曽我部真裕 京都大学准教授(憲法
深町晋也 立教大学准教授(刑法)
森亮二 弁護士・安心ネットづくり促進協議会 児童ポルノ作業部会主査
上沼紫野 弁護士
奥村徹 弁護士

第6 総 括
通信の秘密の保護は、国民の安全・安心な通信のための不可欠の前提であり、安易に侵されてはならないものである。とりわけ、ブロッキングは、適切な内容を含む通信全般を監視し、不適当な内容の通信を遮断するというものであり、事実上の私的検閲行為であること、技術的には児童ポルノ画像のみならずいかなる情報内容に対しても適用可能であることから、民間で自主的に実施するものとはいえ、その実施には明確な基準に基づくなど、特に慎重を期すべきである。いったんこうした仕組みを導入すれば、ブロッキングの対象が際限なく拡大していく懸念も払拭できない。
しかしながら、児童ポルノは、児童からの性的搾取ないし性的虐待というべきものであり、児童の時点ではもちろん成人した後になっても、心身及び社会生活に重大かつ深刻な被害をもたらすものであって、生命又は身体に対する重大な危険の回避に比すべき重大な法益侵害であり、しかもそのことは、児童ポルノ法の存在が示すとおり、社会共通の認識となっている。その意味で、ウェブ上を流通する多様な違法有害情報の中でも別格というべき類型ということができ、検挙や削除が著しく困難である場合に、より侵害性の少ない手法・運用で、著しく児童の権利等を侵害する内容のものについて実施する限り、児童ポルノブロッキングにつき、緊急避難として、現行法のもとでも許容される余地はあると考える。
ただし、その実施に当たっては、電気通信事業法を所管する総務省の見解も踏まえつつ、その手法、ブロッキングの対象等について通信の秘密や表現の自由の不当な侵害が生じないよう、十分な配慮が求められるだけでなく、今後、電気通信事業者等が、緊急避難に基づいて自主的取組としてのブロッキングを実施するに際しては、その対象や手法等について、可能な限り明確性と透明性が確保されることが必要であることから、事業者や利用者、法学者等の幅広い関係者の参加を得て、引き続き検討していくことが望ましい。

児童ポルノ法に詳しい実務家が居ないというので入りましたが、裁判例を提供するだけですので、警察に聞かれても、裁判所に聞かれても同じ情報を提供します。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100601-00000051-maip-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100527-00000086-mai-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100523-00000577-san-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000525-san-bus_all
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100521-00000077-san-soci
といろいろ報道されてますが、誰も考えたことがない論点なので将来絶対正しいとも言えないんですが、通信の秘密とか表現の自由とか憲法問題がありますから、感情論で規制を叫んでも対抗できないと思います。