児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童淫行罪と3項製造罪は最高裁h18.2.20の趣旨に徴せば併合罪か?

 我が目を疑いました。
 最決h18.2.20に罪数判断ありません。
 実刑判決でこんな理由付けなのにどうして控訴しないんでしょうか?

地裁事件
h21.9.18 14:55〜16:31 1号ポルノ 3項製造罪 児童A
本件犯行のさいに性交した行為はB家裁に起訴されている 本件と児童淫行罪とが併合罪関係にあることは最決h18.2.20の趣旨に徴して明らかである

家裁事件
h21.9.18 13:34〜17:29 児童淫行罪 児童A
本件犯行のさいに撮影した行為はB地裁に起訴されている 本件と製造罪とが併合罪関係にあることは最決h18.2.20の趣旨に徴して明らかである

わいせつ図画販売,同販売目的所持,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
最高裁判所第3小法廷決定平成18年2月20日
最高裁判所刑事判例集60巻2号216頁
裁判所時報1406号133頁
判例タイムズ1206号93頁
判例時報1923号157頁
 弁護人奥村徹の上告趣意のうち,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「法」という。)
7条3項の規定について憲法21条,35条違反をいう点は,上記規定中の「姿態をとらせ」という文言が所論のように不明確である
とはいえず,上記規定が表現の自由に対する過度に広範な規制であるということもできないから,所論は前提を欠き,判例違反をいう
点は,事案を異にする判例を引用するものであって,本件に適切でなく,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,
事実誤認の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 なお,法2条3項各号のいずれかに掲げる姿態を児童にとらせ,これを電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録
を別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを製造する行為は,法7条3項の児童ポルノ製造罪に当たると解すべきであるから,これと同
旨の原判断は正当として是認できる。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官・上田豊三,裁判官・濱田□夫,裁判官・藤田宙靖,裁判官・堀籠幸男