民事と刑事が入り乱れた議論ですが、プロバイダ正犯説だと、差し止め対象もプロバイダなんでしょうね。
大須賀寛之「著作権侵害とプロバイダ等の責任」知的財産法の理論と実務 第4巻[著作権法・意匠法]
(2)刑事責任について
最近、電子掲示板の設置者がわいせつ事犯の不作為犯として検挙され、有罪判決を受けるという事案が見られる(東京高判平16 6 23公刊物未登載など)。著作権侵害についても刑事罰が設けられているので・同様にプロバイダ等の刑事責任が問題となり得る。この点については、プロバイダ等の行為を作為と捉えるのか不作為と捉えるのか、不作為犯と構成した場合の作為義務の根拠は何か、プロバイダ等は正犯か従犯かなど解決されなければならない解釈論上の論点が多い(山口厚ほか「プロバイダの刑事責任をめぐる問題」情報ネットワ-ク法学会等編インターネット上の誹謗中傷と責任109頁(商事法務2005年))。
なお、コンビュ-夕やネットワークを利用した犯罪行為については、国際社会が共通の認識のもとに対応することが不可欠であるが・・・