児童ポルノ罪の罪数にこだわる理由

 奥村弁護士が最近、罪数にこだわっている理由を説明します。

例1 児童ポルノ罪のみの場合

起訴状
1/1 児童ポルノ販売

訴因変更請求書
2/1 児童ポルノ販売

の場合、数個の児童ポルノ販売罪は併合罪(東京高裁、大阪高裁)であるから、1/1の販売罪と2/1の販売罪には公訴事実の同一性がないから、訴因変更は違法・無効である。

例2 児童ポルノ罪+わいせつ図画の場合

起訴状
1/1 児童ポルノ+わいせつ図画販売

訴因変更請求書
2/1 児童ポルノ+わいせつ図画販売

の場合、数個の児童ポルノ販売罪は併合罪(東京高裁、大阪高裁)であって、しかも、児童ポルノ罪が併合される場合は、わいせつ図画罪は包括評価されないから(下級審裁判例収集中)、1/1の販売罪と2/1の販売罪には公訴事実の同一性がないから、訴因変更は違法・無効である。

 余罪が 

起訴状
1/1 児童ポルノ販売

訴因変更請求書
2/1 児童ポルノ販売

とか

起訴状
1/1 児童ポルノ+わいせつ図画販売

訴因変更請求書
2/1 児童ポルノ+わいせつ図画販売

という形式で追加される事例はいくらでもあって、この場合に、罪数論を意識していれば、後からたくさん追加された余罪を審判対象から除外することができる。かなり軽くなる(でもそんなこと一審で主張したらアカンですよ。)。これはさよならホームラン級なわけです。
 だから奥村弁護士が注目しているのです。
 
 こんなもん、最初に起訴した検事が勘違いで一罪の起訴状や訴因変更請求書を起案してそのまま伝承されているというチョンボなんですが、もう6年もやってきたところへ併合罪説の高裁が相次ぎ、最高裁が2年間思案しているところです。

児童ポルノマニアの人とか、検挙される危険のある人には意味不明の議論が続きます。