罪と罰、定期購読しています。
奈良の事件を受けた随想ですが現場の議論はこのレベルです。
本稿は,思いつくままに感想を述べ.手元にあるデータを概観しただけだが,今後件犯罪・件非行の議論を進めていくとでは.成人も含めたもっと大量のデータを用いた純度の高い分析が必要となろう。例えば,強制わいせつの中でも,奈良の事件のような幼児に対する新案を別の類型として取り出せば.強制わいせつ全体では認められなかった高い累行性が見いだせるかもしれない。また.「適性・処遇交互作用」,つまり.どのような対象にどのような処遇が有効であるかも検討することが欠かせない。
痛ましい性犯罪を教訓とし.今後の防止策にいかしていくためにも客観的な資料に基づいた議論が求められている。
(松江少年鑑別所長)