児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

今日の求刑

 中学生の社会見学一行が傍聴されていました。
 児童買春罪で他罪が併合されると、求刑も重いです。
 検察官の求刑意見と弁護人の量刑意見が一致しています。

検察官論告
 被告人は,女子児童に対して強い性的欲求を有しており,同種再犯のおそれは極めて高い。
 また,近時,出会い系サイトを利用した援助交際の増加が問題とされており,一般予防の見地からも厳重に処罰する必要がある。
7 これらの事情に照らせば,被告人の刑事責任は重く,被害児童2名との間で示談が成立していることなどの事情を掛酌しても,厳重に処罰する必要がある。
第3 求刑
その他諸般の情状を考慮し,相当法条を適用の上,被告人を
懲役3年
に処するのを相当と思料する。

弁護人弁論
5 量刑
児童買春罪・条例淫行罪は下限は罰金上限は懲役とされており量刑の幅が広く、態様が悪質な場合には重く量刑されているところである。
児童買春罪に恐喝未遂罪が併合されている事例として、松山地裁H15.3.28は「懲役3年執行猶予4年」としている(示談なし)のを紹介しておく。
論告で処罰感情に触れられているように、示談が成立していない事例である。公知の事実として引用しておく。
本件では、買春罪については被害者が出会い系サイトで誘引していたこと、ことなど、被害者側にも積極的な帰責事由がある。
 しかも、示談が成立して、被害者感情にも一定の宥恕が認められるのである。
 さらに、既に触れた情状関係を考慮すれば、被告人に対しては2〜3年の懲役刑に、執行猶予(3〜4年間程度)を付するのが相当であると考える。