刑事事件の確定記録は刑事確定訴訟記録法により第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官(「保管検察官」)が保管しているところであるが、学術研究目的にも閲覧させることが予定されている。制定当時の国会答弁でもそのように説明されている。
108国会 - 衆 - 法務委員会 - 5号
昭和62年05月26日
○安藤委員 そうしますと、これは法務省が保管、保存をしておられるのですが、どういう事件、何と何の事件が保存されているのか明らかにできないとおっしゃると、あの事件が見たいなと思ってもあるのかないのかわからぬということになるでしょう。せっかく閲覧をさせる、今度は九条の二項でちゃんとこうなるわけですから、これとこれとこれはありますよということでないと、これを見たいのですというふうに言えないのじゃないかと思うのですが、その点どう考えてみえますか。
○岡村政府委員 これは、学術研究などのため閲覧が必要であるということで閲覧の申し出をされました方がありました場合には、その方にはどういう種類の記録であるかというようなお話を伺いまして、それなりの便宜は図るつもりでございます。
○安藤委員 そうしますと、閲覧希望者が具体的に件名を申し上げて、こういう事件の記録を見たいのですということでお邪魔したときに、実はそれはないのですということで門前払いですね。それでは四つか五つ持っていったら、そのうちの二つはあります、こういうことになって非常に手間がかかるわけなんですが、大体見当をつけて、これはあるだろうといって当たった、やはりあったということではどうも心もとないのですけれども、例えば私が法務省へ行って、今保存しておられるリストをちょっといただけぬか、あるいは見せてもらえぬかというふうにお願いした場合はどうなるのですか、応じてもらえそうですか。
○岡村政府委員 リスト全体をもらいたいという御要望には応じかねるものでございます。ただ、具体的にこういう関係の事件が残っておるのかというふうにある程度範囲を特定していただければ、学術研究のため必要があるような場合には、その方に対しましてはこちらも誠意を持って対応いたすつもりでございます。
ところで、学術研究のためには、例えば、「××罪の判決書」「○○罪の実刑判決」という程度の限定で記録を閲覧して比較検討することも必要となるが、前提として、学術研究目的に利用できるように分類されていることが必要である。
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