被告人のおかげでプロバイダーの刑事責任を研究させられているわけですが、この辺の論文が参考になりそうです。
ちょっと読んでたら「プロバイダーの刑事責任については、学会の多数は消極説であった。山口厚教授がわが国で初めて、不真正不作為犯の可能性に言及された・・・」と書いてありました。成立するときは正犯になる。
奥村弁護士は、近著で作為犯・幇助犯となる可能性について、わが国で初めて言及しています。これは山口教授からも、実務家からも反対される立場です。
さらに、東京高裁は、掲示板管理者を児童ポルノ公然陳列罪の作為犯・正犯と認定しています。これは、わが国初ではなくて、千葉地裁、大阪地裁、横浜地裁に続くものです。
要するに、理屈で説明できない。理屈じゃないんだ。児童ポルノ罪は。
そのうち最高裁が判断します。
1. 住居所有者の保障人的義務--ドイツの議論を手がかりに / 岩間 康夫
刑法雑誌. 34(1) [1995.03]2. アンドレアス・ロイス=ハンスイェルク・フォーゲル「住居所有者の保障人的地位について--学説及び判例における体系的概観から」 / 岩間 康夫 紹介
愛媛法学会雑誌. 20(1) [1993.05]3. 住居所有者の保障人的義務について--(西)ドイツにおける議論を素材に / 岩間 康夫
愛媛法学会雑誌. 16(3) [1990.01]1. コンラディ=シュレーマー「インターネットプロバイダーの可罰性」 / 岩間 康夫
大阪学院大学法学研究. 24(1) [1997.09]1. 刑法の場所的適用範囲に関する遍在主義の制限について--インターネット時代を契機に / 岩間 康夫
大阪学院大学法学研究. 25(2) (通号 33) [1999.03]5. 紹介 エーリック・ヒルゲンドルフ「ニューメディアと刑法」--Eric Hilgendorf, Die Neuen Medien und das Strafrecht, ZStW 2001, S. 650ff. / 岩間 康夫
大阪学院大学法学研究. 28(2) (通号 39) [2002.3]