児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

アクセス制御について

 いま争われているある事件の弁護人・被告人の主張を入手した。

不正アクセス禁止法3条2項2号は「特定電子計算機」にアクセスすることを問題としており、それだけ読むとあたかも物理的に1台のコンピュータについてアクセス制御機能の有無を判断することを前提としているように解されるが、アクセス制御機能の定義からは、アクセス制御とは「特定利用」ごとに存在するものと解釈するべきである。

 これから、アクセス制御がないという立論。
 極めて穏当・上品だ。

 しかし、これでは面白くない。

 まず、石井説(文理解釈)を唱えて、
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20040728#p4
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20040714#p4
これに対する判断をさせる。
 学者の見解としてはこれしかない。
 石井説が採用されれば無罪。
 採用しないときは、ここで理由説明が示されるが、学説もないから孤立無援の創造作業となる。「独自の見解」だ。
 石井説に対する評価は今後の解釈にとっても欠かせない。

 次に、これを唱える。

不正アクセス禁止法3条2項2号は「特定電子計算機」にアクセスすることを問題としており、それだけ読むとあたかも物理的に1台のコンピュータについてアクセス制御機能の有無を判断することを前提としているように解されるが、アクセス制御機能の定義からは、アクセス制御とは「特定利用」ごとに存在するものと解釈するべきである。

 はっきりこういう主張をしている法律学者はいないが、文理解釈よりは合理的という印象を受けるよね。

 そんな感想です。

 この点、夏井先生は「違う!」って言っておられるようです。
 いや、奥村弁護士説じゃないし・・・。