いま争われているある事件の弁護人・被告人の主張を入手した。
不正アクセス禁止法3条2項2号は「特定電子計算機」にアクセスすることを問題としており、それだけ読むとあたかも物理的に1台のコンピュータについてアクセス制御機能の有無を判断することを前提としているように解されるが、アクセス制御機能の定義からは、アクセス制御とは「特定利用」ごとに存在するものと解釈するべきである。
これから、アクセス制御がないという立論。
極めて穏当・上品だ。
しかし、これでは面白くない。
まず、石井説(文理解釈)を唱えて、
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20040728#p4
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20040714#p4
これに対する判断をさせる。
学者の見解としてはこれしかない。
石井説が採用されれば無罪。
採用しないときは、ここで理由説明が示されるが、学説もないから孤立無援の創造作業となる。「独自の見解」だ。
石井説に対する評価は今後の解釈にとっても欠かせない。
次に、これを唱える。
不正アクセス禁止法3条2項2号は「特定電子計算機」にアクセスすることを問題としており、それだけ読むとあたかも物理的に1台のコンピュータについてアクセス制御機能の有無を判断することを前提としているように解されるが、アクセス制御機能の定義からは、アクセス制御とは「特定利用」ごとに存在するものと解釈するべきである。
はっきりこういう主張をしている法律学者はいないが、文理解釈よりは合理的という印象を受けるよね。
そんな感想です。
この点、夏井先生は「違う!」って言っておられるようです。
いや、奥村弁護士説じゃないし・・・。