http://www.okumura-tanaka-law.com/www/okumura/child/buyers-interview.htm
なお、サイバー犯罪条約では、取得行為及び取得勧誘行為の処罰を日本に義務づけている。
http://www.okumura-tanaka-law.com/www/okumura/child/jfba030506syber.htm
http://www.okumura-tanaka-law.com/www/okumura/child/031019.htm
処罰化の方向に向かうことは間違いない。
取得行為を政策的に不可罰としているわいせつ図画の場合と区別して考えること、混同しないこと。
http://www.okumura-tanaka-law.com/www/okumura/child/buyers-interview.htm
児童ポルノ取得行為の可罰性について。
もとより現行法が児童ポルノを譲り受ける行為を処罰していないのは、わいせつ物販売罪(刑法175条)の体裁を借用したものであって、積極的な理由はない。
現行法でも、販売等の目的は未必的で足りるから、大量に所持している場合(売るほどある場合)で、将来お金に困った場合に売るかも知れないという主観が加われば、販売目的所持罪は成立する(大阪高裁H15.9.12)。
※ 販売目的が疑われる場合
郄画質である場合、同じタイトルのビデオ・写真集等が複数ある場合、販売の実績がある場合、投下資本が大きい場合、
わいせつ物の罪の場合に、譲り受けた者が処罰されないのは、わいせつ物の罪は反復継続性・営業犯性を予定しているが、譲受人には反復継続性・営業犯性が認められないこと、保護法益は社会的法益であるから多数回行われて初めて可罰的と評価されること、表現の自由に対する配慮したことによると解される。
また、講学上は、必要的共犯の一方だけを処罰する規定がある場合には、他方には刑法総論の共犯処罰規定は原則として処罰されないとされるから、わいせつ物の取得者は販売・頒布罪の共犯にも当たらない。
しかし、児童ポルノの場合は、児童ポルノに関する行為は、描写された者への性的虐待・商業的搾取(個人的法益の侵害)であるが故に処罰されるのである。
したがって、反復継続性・営業犯性は当罰性の要件とはならない。現に改正案(与党案)では不特定多数に対する提供罪に加えて、不特定多数を要件としない提供罪も設けられている。
また、児童ポルノに関する行為は描写された児童に対する虐待であるから、表現の自由に対する配慮もさほど必要ではなく、取得行為を不処罰にする必要性は乏しい。
従って、取得行為には当罰性が認められるし、現行法においても、販売・頒布罪の共犯ともなりうる。
立法論としては、児童ポルノの害悪は、それが製造(撮影)されることによるものも著しいが、それが転転流通して拡散することによるものはさらに著しい。その意味では、法益保護の見地からは、流通を阻止することが強く求められているのであって、制定以来、立法者が譲受け行為を不処罰としていることは不徹底・児童ポルノの害悪を理解していないと言わざるを得ない。
何かと議論の多い単純所持罪よりもよっぽど問題が少なく、有効な規制である。
販売罪においては、対価を支払ったこと・「児童ポルノ」を現実に受取ったことが構成要件であるから、購入者も取調べを受けることは覚悟しなければならない。裁判所に証人として出廷することもありうる。
なお、立法動向としては、購入者についても処罰化の方向であることは間違いない。
なお、購入者(非児童)については、公判廷や報道等で実名が明らかにされることは禁じられていない。
第13条
第四条から第八条までの罪に係る事件に係る児童については、その氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌 (ぼう) 等により当該児童が当該事件に係る者であることを推知することができるような記事若しくは写真又は放送番組を、新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送してはならない。