児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「買春 時効」で検索する方へ

 児童ポルノ・児童買春の検挙など、日常茶飯事で、検挙も実刑判決もほとんど報道されない。逮捕報道されても、結末まではフォローされない。
 でも、ひとたび著名人が逮捕されると、ネタとしては盛上るようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040417-00000029-mai-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040416-00000200-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040416-00000168-jij-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040416-00000109-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040416-00000088-jij-soci

 他方、身に覚えがある向きは落ち着かない。ちょっとマイナーな検索サイトからの検索が増えるところをみると、ネットに親しくない人が、密かに検索しているのではないかと推測する。

http://www.infoseek.co.jp/OTitles?lk=noframes&nh=10&svp=SEEK&svx=460100&col=OW&nc=1&qt=%C7%E3%BD%D5+%BB%FE%B8%FA&qp=0&lg=ja
http://search.msn.co.jp/results.aspx?q=%E8%B2%B7%E6%98%A5%E3%80%80%E7%A4%BA%E8%AB%87%E3%80%80%E9%87%91%E9%A1%8D&FORM=SMCRT
http://www.excite.co.jp/search.gw?lk=excite_jp&lang=jp&c=web&target=combined&search=%94%83%8Ft%81@%94%B1%8B%E0%81@%8C%F6%94%BB%90%BF%8B%81

 しかし、公訴時効なんて、素人が自分で罪名決めないでくださいね。数年後に別の罪名で不意打ち食らわないように。被害児童から重い罪名の告訴が出れば延長されているかもしれません。
 専門家に相談してください。

http://www.okumura-tanaka-law.com/www/okumura/child/bunken.htm

Q  公訴時効はいつまでか?
A 
 本webサイトのアクセス管理結果によれば「児童ポルノ・児童買春 時効」という検索を行っている方が非常に多いが、関連の条文を組合わせて「買春罪の公訴時効は3年」という結果を得たとしても、あまり有意義とはいえない。
 何罪が成立するか、何罪で起訴されるかによって異なるので、事実関係を詳細に聞かないと答えられない。事実認定をして適用罪名を決めるのは、貴殿ではなく裁判所だから、素人判断は当てにならない。
 特に児童買春事件は、事案によっては、強姦・強制わいせつ・児童福祉法淫行罪というさらに重い罪名で訴追されることもありうるので、一つの罪名で公訴時効を断言することはできない。強姦致傷罪になれば公訴時効は10年である。
 わかりやすく言えば、貴殿が「買春罪」と信じていても、被害児童から告訴が出れば、強制わいせつ罪(時効5年)・強姦罪(7年)等で捜査されるし、児童福祉法淫行罪の被害届が出れば児童福祉法淫行罪(時効7年)で捜査されるのである。

 よく質問されるので念押ししておくと、児童買春罪なら時効は一応3年であるが、容疑を強姦・強制わいせつ・児童福祉法淫行罪等の重い刑に切替えれば、時効を延長できるし、実質的には強姦・強制わいせつ・児童福祉法淫行に該当する行為を「児童買春罪」として「軽く」「広く」「迅速に」処理している実務からすれば、児童買春行為を他の重い罪(強姦・強制わいせつ・児童福祉法淫行罪等)で立件することは比較的容易であり、不当とは言えない。だから、児童買春罪の公訴時効を気にしても、必ずしも有益ではない。
 要はやった行為と適用される罰条によって、公訴時効は変わるのである。今さら、どうしようもないことである。

 一応の目安として関係条文を挙げる。
   刑事訴訟法第250条〔公訴時効の期間〕
   時効は、左の期間を経過することによつて完成する。
   一 死刑にあたる罪については十五年
   二 無期の懲役又は禁錮にあたる罪については十年
   三 長期十年以上の懲役又は禁錮にあたる罪については七年
   四 長期十年未満の懲役又は禁錮にあたる罪については五年
   五 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金にあたる罪については三年
   六 拘留又は科料にあたる罪については一年

  関係する罪の法定刑
   児童買春(4条)
    3年以下の懲役又は100万円以下の罰金
   児童買春周旋(5条)
    1項 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
    2項 5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
   児童買春勧誘(6条)
    1項3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
    2項5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
   強制わいせつ(176条)
    6月以上7年以下の懲役
   強姦(177条) 
    2年以上の有期懲役(15年)
   強制わいせつ致傷・強姦致傷(181条)
    無期又は3年以上
   淫行勧誘(182条) 
    3年以下の懲役又は30万円以下の罰金
   児童福祉法淫行させる行為(34条1項6号)
    10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
   青少年保護育成条例 
    自治体によって異なる。上限は懲役2年。