児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

一審:執行猶予求めて実刑→控訴審無罪主張

 別に弁護方針を国民に説明していただく必要はないのですが、こちらの参考にするために、報道からいろいろ考えるわけです。
 真実はともかく、認めれば執行猶予になると思っていたのに・・・ということでしょうか。
 そういう方針もありうるんですが、同種事案の量刑を調べて、最初に「認めれば執行猶予」なのか「認めても実刑」なのかを見極めないとそういう判断はできませんよね。

元神戸市議汚職:村岡元市議、一転し無罪主張−−控訴審 毎日新聞
 神戸市の廃棄物処理行政を巡る汚職事件で、あっせん収賄罪に問われ、1審・神戸地裁で懲役2年、追徴金3500万円(求刑・懲役3年6月、追徴金3500万円)の実刑判決を受けた元同市議(46)の控訴審初公判が3日、大阪高裁であった。1審で起訴事実を認めていた被告は、控訴審では「不正なあっせん行為はなく、わいろという認識もなかった」として、一転して無罪を主張した。
 1審判決によると、被告は産廃処理会社元社長(54)=贈賄罪で有罪確定=の依頼で、同業の別の大手会社の進出を阻むため、父(69)=あっせん収賄罪などで1審有罪、控訴中=とともに、市に産廃処理施設指導要綱を改定させるなどし、見返りに計3500万円を受け取った。

一審:罰金求めて猶予判決→控訴審無罪主張

 別に弁護方針を国民に説明していただく必要はないのですが、こちらの参考にするために、報道からいろいろ考えるわけです。
 連座制の関係で、公判請求事件で罰金はなかなかないのですが一審ではそこを目指していて、懲役刑の判決だったので、控訴審は無罪主張に転換したようですね。
 長男を守るために争っているような感じですね。
 「1年6月執行猶予5年」と評価されるような事実を「罰金刑」だと主張してたんですね。ちゃんと量刑調べて。

前自民県連会長の選挙違反:被告が一転無罪主張、争う姿勢−−控訴審初公判 /宮崎 毎日新聞) - 2007年10月3日(水)
 4月の県議選に出馬、当選した長男の選挙運動の報酬に現金などを渡したとして、公選法違反罪に問われた被告(73)の控訴審の初公判が2日、福岡高裁宮崎支部(竹田隆裁判長)であった。弁護側は「(現金を渡した)会合は選挙運動ではなく、政治活動だった」と1審での主張を変え、無罪を主張した。検察側は答弁書で「長男を当選させる目的だったことは明らか」と控訴棄却を求めた。
 弁護側は1審では、現金の受け渡しの事実を認めたうえで「会合の主な目的は被告自身の県議引退表明だった」と罰金刑を求めた。だが、1審の宮崎地裁では懲役1年6月、執行猶予5年の有罪判決。控訴審では現金の受け渡しは同様に認めたものの「支援者への引退報告という政治活動だった」と主張。また、「『家族らを逮捕する』などと脅迫され、捜査段階での被告の自白は信用できない」と新たに争う姿勢をみせた。
 検察側は自白の信用性について「(供述調書は)具体的で、弁護側の主張は想定しがたい」としている。
 裁判で被告の禁固刑以上が確定し、検察側が起こす当選無効訴訟で勝訴が確定すれば、連座制が適用され、長男(46)の当選は取り消される。

一転無罪主張

 主張を一転させることはありますよ。
 画像掲示板事件でも、当初は幇助主張で軽い刑を狙っています。判例だと単独正犯になる事実。

名古屋地裁
当初訴因 共謀共同正犯
第一次第一審 弁護人は幇助を主張、幇助の認定
第一次第二審 差戻し
第二次第一審 幇助に訴因変更され、弁護人は正犯未遂(不可罰)を主張、幇助の認定
第二次第二審 弁護人は正犯未遂(不可罰)を主張、幇助の認定

 主張の変遷の理由はみればわかります。検察官の主張がぶれてるから。
 正犯未遂(不可罰)というのは判例

ABCニュースは児童ポルノ

 忙しくて取材には応じられませんでした。

ニュース]ゆう 
ウラドリ…摘発の陰で堂々と続く児童ポルノ販売の実態
10月4日(木) 18:17〜18:54
ABCテレビ
Gコード(78776810)

 こっちは製造犯人の対応で忙しいのです。

追記
 園田教授が単純所持について語ってましたね。
 販売業者にとっては、売れるのであれば、わいせつでも児童ポルノでもいいんですよ。児童ポルノ好きなのは購入者。

偽造通貨で児童買春罪(山口県警)

 実際に流通していると重くなります。
 法益法益だけに、侵害法益に対してどう情状弁護するのか困ります。

http://hiroshima.nikkansports.com/news/p-rn-tp6-20071004-265398.html
容疑者は4月、自宅のカラーコピー機で1万円札を偽造。七月に出会い系サイトで知り合った光市の少女(当時17)にみだらな行為をし、偽1万円札2枚を渡した疑い。少女がコンビニで偽札を使い発覚。別の児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された容疑者の犯行と分かった

取調の可視化

 児童ポルノ・児童買春事件でも、被害児童が「19歳A子で〜す。携帯090−・・・」という名刺を配っていて(ブツの原本は弁護人が押さえている)、被疑者が年齢知情を否認している事件(在宅)で、取調に行くと、すでに
18歳未満の児童であることを知っていたことに間違いありません
という調書がプリントされていて、
   被疑者 年齢は19歳ですよ。訂正してください 署名しません。
   刑事  プリンターが遠いから訂正できない。このまま署名指印しろよ!
の堂々巡りになったことがあります。
 可視化して欲しいものだと思います。

http://www.asahi.com/national/update/1004/TKY200710040214.html
民主党の案は「容疑者の供述や取り調べの状況の全過程を映像と音声で同時に記録しなければならない」としたうえで、「録音・録画のない自白は証拠とすることができない」として、可視化されない自白の証拠能力を認めない内容。
 昨年3月に衆院に提出した改正案では、取り調べの際の弁護人の立ち会いや保釈を認めない要件の厳格化なども盛り込んでいたが、緊急性を優先して可視化の実現のみに絞り込む方向で検討を進めている。早ければ11日の法務部門会議で正式決定し、「次の内閣」を経て正式に提出する方針。