児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

捜査の端緒を捕まれたら・・・

 端緒としては、警察相談・被害児童の補導・職務質問などいろいろあります。
 その後で出頭しても法律上の「自首」にはなりません。

刑法
第42条(自首等) 
1 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

 そういう状況になったら、児童ポルノ・児童買春罪は重いので、手続や処分にはなかなか厳しいものがありますが、それでも

? 何もしない(ひょっとしたら立件されないかもしれない)
? 逮捕だけは勘弁してもらう・刑事処分をなるべく軽くしてもらうという緩和を求める(逮捕されたとしても決して無駄にはならない)

という選択肢があります。こんなことは刑事事件の常識です。
 ぐずぐずしているとできることもできなくなりますので、最寄りの弁護士に早期に相談して欲しいところです。
 折角相談しても「何もできない座して逮捕を待つのみだ。」「売春では逮捕されないじゃろう」と回答する弁護士もいるそうです。お気の毒です。
 だめでもともとの場合でも、そういう状況であるという認識を持ってもらえば、それなりの弁護の余地があります。
  逮捕されないことを保証してくれ
というのはダメですよ。逮捕されるようなことをしてるわけだから。

関西援交シリーズの裁判結果

 数件問い合わせがありました。
 奈良地検の保管検察官へ問い合わせて下さい。
 5〜6件に分かれていますが、事件を特定できれば、刑事確定訴訟記録法で閲覧できるかもしれません。

追記
 「関援」で検索する人も多いようです。
 被害児童は誰だとか、どうなったとかは知りません。

「記録の山の映像を撮りたい」という取材↑

 テレビ取材の場合「中身は見せられない」というと、「記録の山だけでも」という応答があります。
 民事刑事の記録は山ほどありますから、適当な罪名の表紙を付けて、「記録の山」ぐらいは作ってあげます。
 それで何が伝わるのかというと疑問です。

被害児童の「無理矢理姦淫されました」という被害届で捜査が始まり、「(被害児童が)被告人を(ホテルに)呼び出しました。」という供述があって、青少年条例違反で起訴され、「示談に応じないのは被害感情が厳しいからだ」と認定された事例

 検察官請求証拠の中でも被害者の供述に変遷があります。
 通話やメールの記録と合わなかったんでしょうね。
 呼び出しておいて被害届というのが理解できないですが、青少年条例違反はやむを得ない。
 示談しなかった理由は「わからない」というのが正解ですよ。ない事実を悪い方に取らないでほしいものです。

東御市青少年条例の問題点指摘 県弁護士会が声明案

 弁護士会も条例が施行されてから意見を述べても後の祭り。
 「東御市内」に「淫行禁止」って貼って回れば、「東御市内」は「浄化」されるでしょうね。適用面積の狭さ・罰則の甘さ・年齢知情の規定がないこと・被害青少年のケアがないことからして、本気を感じられません。

http://www.shinmai.co.jp/news/20070819/KT070818ATI090009000022.htm
 県弁護士会(石曽根清晃会長)子どもの権利委員会は18日、長野市で会合を開き、東御市青少年健全育成条例をめぐる県弁護士会長声明の文案を決めた。条例に盛った淫行(いんこう)処罰規定や「有害」図書類指定の問題点を指摘し、慎重な運用と条例の早期見直しを求めたほか、他市町村に同種の条例を安易に制定しないよう求めている。9月1日の同会常議員会で正式決定し、同月上旬に東御市に提出する。
 同委員長の有吉美知子弁護士(長野市)は委員会後の取材に対し、条例の「見直し」について、淫行処罰規定、有害図書類指定の撤廃が最も望ましい−と説明した。
 条例のうち、青少年への「みだらな性行為」を禁じる県内初の淫行処罰規定と、アダルト雑誌やDVDなどを「有害」図書類に指定し自動販売機への収納を規制する規定は10月1日に施行される。
 声明文は淫行処罰規定について、「みだら」などの言葉のあいまいさを挙げ「刑罰法規の明確性の観点から重大な問題が存する」とし、「本来規制されるべきでない真摯(しんし)な恋愛や性交渉が処罰の対象となるおそれが多分に存在し、(恋愛の)委縮効果も懸念される」と指摘した。

弁護士会が新人就職支援 大阪「1人事務所」受け皿に

 いまごろ何を言ってるんでしょうか。
 奥村の事務所は「弁護士が1人でも依頼者を多く抱え、経営状態が良好な事務所」に該当しませんね。「弁護士が1人でも依頼者を多く抱え、経営状態が良好な事務所」ではないという逆認定は迷惑です。

http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070820/jkn070820001.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070820-00000065-san-soci
 大規模事務所は定期的に新人を雇用することが多いが、そもそも東京以外は大企業が少なく、大規模事務所そのものが少ない。所属弁護士が11人以上の事務所が東京には104あるのに対し、大阪はわずか23。このため大規模事務所に頼るだけでは雇用枠の確保に限界があると判断し、「1人事務所」に着目した。
 雇用確保の新たなターゲットにしたのは、弁護士が1人でも依頼者を多く抱え、経営状態が良好な事務所。新人を雇用することで仕事に余裕ができる上、弁護士が高齢ならそのまま事務所の「後継者」も確保でき、一石二鳥になると考えた。



同一被害児童を中心とする児童買春4件目

 みなさん、座して逮捕を待つ派のようです。
 栃木県警行ってきましたけどね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070820-00000042-jij-soci
児童買春で栃木県職員逮捕=15歳少女にみだらな行為−栃木県警
 15歳の女子中学生にみだらな行為をしたとして、栃木県警少年課などは20日、児童買春・ポルノ処罰法違反の疑いで、容疑者(55)を逮捕した。「ホテルに行ったが、行った後のことは覚えていない」と供述している。
 調べでは、容疑者は3月17日、同市内のホテルで、出会い系サイトで知り合った女子中学生に現金2万円を渡しみだらな行為をした疑い。女子中学生は当時家出中で、女子中学生にみだらな行為をしたとしてこれまでに県内の小児科医ら3人が逮捕されている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070821-00000150-mailo-l09
少女は当時、家出中で、家族は警察に捜索願を出していた。県警が同市内で少女を保護、事情を聴いたところ、児童買春事件が浮上。少女の携帯電話の履歴などから容疑者が明るみになった。この少女をめぐる、児童買春容疑での逮捕者は、容疑者で4人目。
 また、出会い系サイトで募った相手に、この少女を引き合わせ、みだらな行為をさせたとして、県警は7月、被告(28)を児童福祉法違反(児童にいん行させる行為)容疑で逮捕している。
◇皆様に深く謝罪−−福田富一知事の話
 法を守るべき公務員にあるまじき極めて遺憾なことであり、県民の皆様に深く陳謝したい。

 児童ポルノ・児童買春は一般化しているようです。犯人像は絞れません。
 普通の人も法律守って下さいね。

謝罪文の添削中

 一番安い情状弁護です。
 とりあえず、拘置所から、思いつくまま書いて送ってもらって、PDFにして、注釈機能でコメント付けて、書き直してもらう。
 もともとこの種の行為についての規範意識が弱かったので、たいてい、勉強不足で謝罪のポイントがずれてる。
 まず、学習でしょうね。意地の悪い検事に「弁護人の入れ知恵だ」と言われようと。

Winnyユーザーへの求刑は軽すぎる?

 法定刑の上限だけを上げても量刑は上がりません。下限を引き上げないとだめなんです。
 罪刑法定主義。基本です。
 次回からは刑法の先生にも相談して学習してください。

http://blogs.itmedia.co.jp/kubota/2007/08/winny_e341.html
懲役1年という求刑は、これまでのWinnyユーザーの著作権侵害事件への求刑と変わりません。同じような犯罪には同じような刑罰が下されるべきでしょうが、以前書いたとおり、著作権法違反の刑事罰は今年7月から、10年以下の懲役刑もしくは1,000万円以下の罰金刑またはこれらの両方が科せられることになりました。本事件は罰則の引き上げが適用される前の事件ですが、それでも懲役刑は最高5年まで求刑することができたはずです。
ことWinnyなどを使った違法アップロード行為の場合、窃盗などの犯罪と異なり、犯罪行為者が経済的な利益を得ず、ネットワークの特性から大規模な損害を発生させてしまうのが特徴です。この場合、通常の事件の感覚で求刑を検討すると、被告人が得た収入の多寡が考慮の要素となってしまい、発生した法益の侵害に比べて軽すぎる求刑に繋がっているのではないでしょうか。検察には、インターネットを通じた著作権侵害の刑事責任について、正しく実態を評価するように希望します。

 どっかの事件では裁判所が「どうせ執行猶予なのに、弁護人ががたがた言うな」と言ってましたね。

 児童ポルノ・児童買春法違反についても、同じです。
 「規制強化した」とアナウンスしたいがために必要(量刑上の支障)もないのに法定刑の上限を上げても実際の量刑はかわりません。