児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

兵庫県青少年愛護条例違反の無罪判決(神戸地裁尼崎支部h28.8.23)

 地検尼崎支部は「東京じゃないか」、東京地検は「尼崎だ」というのですが、金井検事と地裁尼崎支部に特定事項を聞いて、判決書を閲覧しました。
 真剣交際の弁解が通ったのは、愛知県青少年保護育成条例の無罪判決(名古屋簡裁H19.5.23)に続いて2件目かな。

捜査研究No.816 (2018.11.5)
【実例捜査セミナー】. □青少年保護育成条例違反事件について,みだらな性行為(淫行)の該当性が問題となった事例. 東京地方検察庁検事 金井 翔.
https://www.tokyo-horei.co.jp/magazine/sousakenkyu/201811/

 検察官は、日時場所をピンポイントに特定して、そこでsexしたのだから、専ら性的欲望だったと主張していた模様で、被告人・弁護人はそれに至る交際状況を主張・立証した模様です。

 検察官は「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような」事情として
   避妊具を付けることも無く性行為に及んだ点
  被告人と相手方との交際関係は結婚を前提としていなかったこと
  カラオケ店で性行為に及んだこと
などを指摘したようですが、判決で退けられています。
 捜査段階の被疑者調書では完全に自白していたようで、捜査段階で弁護人からこういう点について要領良く主張できれば、起訴されていなかったと思います。

金井翔 青少年保護育成条例違反事件について,みだらな性行為(淫行)の該当性が問題となった事例 捜査研究816号 p31
第2 事案の概要等
1 A及びVの身上関係等
Aは,本件当時38歳の男性であった。
Aに婚姻歴はなく,本件当時, V以外に交際している女性はいなかった。
Vは,本件当時17歳の女性であり,高校3年生であったが,約2か月後が18歳の誕生日であった。
Vは,本件以前にも男性と交際した経験はあったが,本件当時, A以外に交際している男性はいなかった。
2 A及びVが交際に至る経緯及び交際開始後の状況等A及びVは,本件性行為に及んだ当時,交際関係にあったところ,両名が交際に至った経緯及び交際開始後の状況等は以下のとおりである。
(1) Aは,平成27年5月頃から,警備員として働き始め,その勤務先でアルバイトをしていたVと知り合った。
Aは, Vと知り合って以降休憩時間等にVと話をするようになり, Vからは家庭内の事情や進学先等について相談を受けるなどしていた。
(2) Aは,平成28年5月末日に前記勤務先を退職することとなり,その旨をVに伝えていた。
Aは, 同日,仕事を終えると, Aの仕事が終わるのを待っていたVと合流し, 2人で飲食するなどしたが,その際Vから手紙とクッキーを渡され, さらに, Vと連絡先を交換した。
VがAに渡した手紙には, これまで相談に乗ってもらったことへの謝辞のほか, 「(Aのことが)大好きです。」などと書かれていた。
(3) Aは,連絡先を交換して以降, Vとの間で連絡を取り合っていたが, 同年6月上旬,再びVと2人で会うことになった。
Aは, 同日, Vと合流すると, インターネットカフェに入店し,その個室内でVに抱き付くなどした。
Aは, Vと同インターネットカフェを出たが, Vから「セフレ(セックスフレンド)の関係になりたくない。」などと言われたため,それだったら付き合おうなどと述べて交際を申し込み, vがこれを承諾したため,両名は交際することとなった。
④Aは, Vとの交際開始後,週2, 3回の頻度でVと会い, 同年6月下旬ないし同年7月上旬頃, ラブホテルにおいて初めて性行為に及び,以降,何度かVと性行為に及んだ。
Aは, Vとの交際開始後, Vを介して, Vの交際相手としてVの姉やVの友人に紹介されたことがあった。
他方で, Aは, Vといる際にVの実母と何度か会う機会があったが, 同人に挨拶をすることはなかった。
3 本件性行為時の状況等A及びVは,前記の経緯で交際を開始し,その後,本件性行為に及んだものであるが,その状況等は以下のとおりである。
(1) Aは,平成28年9月中旬, Vと会うと,一緒にカラオケ店に入店した。
A及びVは,前記カラオケ店の個室内でカラオケをしていたが, Aは,しばらくして, Vの胸を触るなどした上, Vと性交し,本件性行為に及んだ。
(2) 前記カラオケ店の店員は店内の巡回を行っていたところ, A及びVの個室内の歌詞等を表示するモニター画面の電源が切れていたことから不審に思い,個室内に立ち入った。
すると,前記店員は, Vが上半身裸の状態で座っている状況を認めたため,警察に通報した。
(3) Aは,本件発覚後もVとの交際を継続しており, Vの18歳の誕生日も2人で過ごすなどしたが,交際開始から約6か月後の同年12月頃, Vから交際解消を申し込まれたため, Vとの交際を解消した。