児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

京都府迷惑防止条例の盗撮行為は「公共の場所」に限定されるとか解説する弁護士

 よく条例の法文を読むと、「公共の場所」には限定されていません。
 h26改正で、条例3条2項が加わって「公衆の目に触れるような場所において」に拡張されています。
 京都府警の内部資料では「公衆の目に触れるような場所」とは①学校、塾の教室②事業所の事務室③貸切バス④ジャンボタクシーとされています。
 条例3条3項では「公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」が加わっています
私的空間の規制が外されたのは、京都地検の見解が理由とされています
「場所的制限を撤廃した盗撮行為の規制について。。。私的空間で様々な立法事実となるような事案が発生していることは理解でき、また、処罰すべき事案であることも理解できる。しかし、国の法律である軽犯罪法が、私的空間を含む、通常着衣をつけないでいるような場所における裸の盗撮を規制していることから、私的空間に及ぶ規制は、個人的法益の侵害を認めないという軽犯罪法の範疇であるといえ、私的空間に対する規制は、憲法で法律の範囲内で定めることができるとされている条例の限界を超えている。
現行粂例は、場所を公共の場所、公共の乗物に限定していることで、公衆が迷惑する、被害者がより一層差恥させられるという理由から、条例で規制できるという説明がつくのであり、同様の理由付けができるのは準公共空間の範囲までである。」

 この見解によれば、盗撮行為について軽犯罪法が適用される場合には、条例は適用されないことになります。
 警視庁と東京地検もそういう見解のようです
okumuraosaka.hatenadiary.jp


h26改正前
第1条及び第2条省略
(卑わいな行為の禁止)
第3条何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しくしゅう恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
(1)みだりに、他人の身体の一部に触ること(着衣の上から触ることを含む。)。
(2)みだりに、物を用いて他人の身体に性的な感触を与えようとすること。
(3)みだりに、他人に、その意に反して人の性的,好奇心をそそる姿態をとらせること。
(4)みだりに、着衣で覆われている他人の下着又は身体の一部(次号において「下着等」という。)をのぞき見し、若しくは撮影し、又はこれらの行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、若しくは着衣の中が見える位置に鏡、写真機等を差し出し、置く等をすること。
(5)みだりに、写真機等を使用して透視する方法により、着衣で覆われている他人の下着等の映像を見、又は撮影すること。
(6)みだりに、他人に、異性の下着を着用した姿等の性的な感情を刺激する姿態又は性的な行為を見せること。
(7)みだりに、他人に、人の性的好奇心をそそる行為を要求する言葉その他の性的な感情を刺激する言葉を発すること

h26改正後
http://www.pref.kyoto.jp/reiki/reiki_honbun/aa30013881.html
(卑わいな行為の禁止)
第3条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
(1) みだりに、他人の身体の一部に触ること(着衣の上から触ることを含む。)。
(2) みだりに、物を用いて他人の身体に性的な感触を与えようとすること。
(3) みだりに、他人に、その意に反して人の性的好奇心をそそる姿態をとらせること。
(4) みだりに、着衣で覆われている他人の下着又は身体の一部(以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
(5) みだりに、前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、又は着衣の中が見える位置に鏡等を差し出し、置く等をすること。
(6) みだりに、写真機等を使用して透視する方法により、着衣で覆われている他人の下着等の映像を見ること。
(7) みだりに、他人に、異性の下着を着用した姿等の性的な感情を刺激する姿態又は性的な行為を見せること。
(8) みだりに、他人に、人の性的好奇心をそそる行為を要求する言葉その他の性的な感情を刺激する言葉を発すること。
2 何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、前項に規定する方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
(1) みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること。
(2) みだりに、前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、又は着衣の中が見える位置に写真機その他の撮影する機能を有する機器を差し出し、置く等をすること。
(3) みだりに、写真機等を使用して透視する方法により、着衣で覆われている他人の下着等の映像を撮影すること。
3 何人も、みだりに、公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある他人の姿態を撮影してはならない。
(平22条例12・平26条例27・一部改正)

https://www.bengo4.com/c_1009/c_1197/n_8140/
鳥貴族によると、盗撮のあったのは、京都市内の店舗だったということだ。今回のケースはどうだろうか。

「一方で、京都府迷惑防止条例は、改正前の都条例とほとんど同じ内容となっています。つまり、住居や更衣室などは『公共の場所』といえないことから、今回のケースについて、府条例は適用されません。

スマホの普及によって、盗撮も増えている事情もあり、都条例は、住居など範囲が拡大されました。もし仮に、京都府も、東京都と同じように改正されていたら、条例違反で逮捕されていたかもしれません」