児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

家出願望がある14歳を誘い出して拐取し性交するように要求し、性交に応じさせたことにつき、児童淫行罪の成立が認めた事例(津地裁h29.3.22)

未成年者誘拐,児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,児童福祉法違反,道路交通法違反被告事件
津地方裁判所判決平成29年3月22日

【判示事項】
       理   由

(犯罪事実)
第1 被告人は,携帯電話機等のアプリケーションソフト「△△△」を介して知り合った別紙1記載の被害者A(当時14歳。以下,単に「A」という)が未成年者であることを知りながら,同人に家出願望があることを利用して同人を誘拐しようと考え,平成27年11月15日から同月18日までの間,自己の携帯電話機等の上記「△△△」を使用して,高知県内などから,三重県内にいた同人に対し,「俺の家来れば良いのに」「迎えに行くよ」「家出すると,ケータイも使えなくなるけど大丈夫?」「全部捨てて,俺の所来る?」「明日1日我慢して,明後日の朝家出しようか」「今晩出て朝着く様に迎えに行くで」などとメッセージを送信し,家出をして自己の下に来るように誘惑し,同人にその旨決意させ,平成27年11月18日午前7時31分頃,三重県□□□□□□□□□□□□□□□□□先路上において,同人と合流して,同人を被告人運転の自動車に乗車させ,親権者である別紙1記載のAの母親に無断でAを同所から連れ去り,その頃から同年12月22日までの間,同人を高知市(以下略)所在の被告人方で生活させるなどして同人を自己の支配下に置き,もって未成年者を誘拐した。
第2 被告人は,第1記載のとおり,Aを誘拐し,同人を被告人方で生活させるなどして自己の支配下に置いていたものであるが,その支配関係を利用して,Aに対し,被告人と性交するよう要求し,Aが18歳に満たない児童であることを知りながら,平成27年12月22日午前1時頃,被告人方において,Aに自己を相手に性交させ,もって児童に淫行をさせる行為をした。
第3 被告人は,平成27年11月21日,滋賀県□□□□□□□□□□□□□□□□ホテル□□□□□□□□□号室において,別紙1記載の被害者B(当時13歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,同人に対し,現金1万5000円の対償を供与して同人と性交し,もって児童買春をした。
第4 被告人は,公安委員会の運転免許を受けないで(免許の効力停止中),平成27年6月17日午前8時48分頃,高知市北本町4丁目1番23号付近道路において,普通乗用自動車(軽四)を運転した。
(証拠の標目)
(なお,Aの検察官調書の相反部分(甲10,20)は,公判廷においてAが「覚えていない」ないし「言いたくない」等と実質的に異なった供述をした部分につき刑事訴訟法321条1項2号に該当するものとして証拠能力を認め採用した。Aの年齢,被害内容や時の経過等の事情に照らせば,ビデオリンクと遮蔽(被告人との間,傍聴人との間)を併用した方式による措置等を講じて証人尋問を実施したことを踏まえても,被告人が在廷する公開の法廷に証言の音声がそのまま伝わる状況下で詳細に供述するのは心理的にみて相当に困難であるといえることなどからして前記部分にかかる公判供述の信用性を著しく低下させる事情があるというべきであるから,公判廷における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況があると認められる)
(第1の事実についての補足説明)
1 争点は,未成年者誘拐の実行行為性及び故意が認められるか否かである。
2 関係証拠によれば,以下の事実関係が認められる。
 (1) Aは,本件当時,14歳の中学生であり,三重県内において,親権者である母親や兄弟らと共に生活していた。Aは,本件当時,家庭や学校に不満を感じており,いわゆる家出願望を抱いていた(A及びAの母親の公判供述)。
 (2) 被告人は,平成27年11月15日,携帯電話機等に組み込まれ,メッセージ交換機能を備えたアプリケーションソフト「△△△」(以下,「△△△」という)を利用し,Aに対し,「お小遣いあげるんで,会ってみませんか。明日学校休んで遊ぼ」等のメッセージを送信し,同人とやり取りをするようになった。そして,被告人とAは,平成27年11月15日から同月18日にかけて,△△△を利用して繰り返しやり取りをした。そのやり取りのうち,主要なものは別紙2記載のとおりである(甲3,なお,記号等については一部省略した)。
 (3) 被告人は,平成27年11月18日,犯罪事実第1記載の三重県内の路上でAを自己の運転する自動車に乗車させ,同記載の高知県内の被告人方まで移動した。その際,Aの所持金は1000円に満たない額であった。また,被告人は,Aの母親にAを被告人方へ連れて行き,同所において生活をさせることについて了解を得ていなかった(A,Aの母親,被告人の公判供述)。
 (4) 被告人は,平成27年11月18日から同年12月22日までの間,Aを被告人方で生活させた。被告人は,上記期間中,Aの食費等生活費を負担するほか,小遣いとして最大で5000円程度の金銭を渡すことがあった(被告人の公判供述)。
 (5) Aは,平成27年12月22日,警察官に保護されたが,その際の所持金は520円であった(甲25)。
3 検討
 (1) 被告人は,△△△でのやり取り等を通じ,家庭や学校に不満を抱くAが家出願望を有していることを知ると,別紙2記載のとおり,Aの居住地付近まで迎えに行くことや家出をした後の生活場所として被告人方を提供することを提案したほか,家出の際の持ち物や待ち合わせ場所に関しAに助言するなどしている。
   Aの年齢やそれに伴う社会経験の乏しさに加え,家出の時点での所持金等に照らせば,Aが,単独で親権者に無断で家出を実行し,継続して生活することは相当に困難で,第三者の援助が必要不可欠であったのは明らかであり,また,Aが△△△で被告人に送信したメッセージ(「むりだよお金ない」等)に鑑みれば,A自身そのことを十分に認識していたと認められる。そうすると,今回,Aが家出願望を具体化させ,現実に家出をしようと決断するに当たり,被告人の一連の提案や助言等が大きく影響したものというべきである。Aが被告人とやり取りをする前から家出願望を有していたことを踏まえても,誘拐された者の自由を主な保護法益とし,一般に思慮が浅薄な未成年者を成人より厚く保護しようとする未成年者誘拐罪の罪質にも鑑み,被告人は,家出に必要不可欠な提案や助言等をすることにより,Aの判断の適正を誤らせたものと評価できる。
 (2) これに加え,被告人は,親権者であるAの母に無断で,Aを同人の居住地である三重県から,高知県に所在する被告人方まで移動させ,その後,一定期間にわたって被告人方で生活させたのであるから,未成年者誘拐罪の保護法益に含まれる保護者の監護権を侵害してAを被告人の事実的支配の下に置いたと評価できることは明らかであり,被告人の一連の行為には,未成年者誘拐の実行行為性があると認められる。
   弁護人は,Aがある程度自由に行動することができたこと等を指摘してAが被告人の事実的支配の下にあったとは評価できない旨主張するが,Aの年齢,所持金等に照らせば,Aが土地勘のないとうかがわれる高知県の被告人方から離れて独力で生活するという選択をすることは現実的に困難というほかなく,弁護人の主張は採用できない。
 (3) 上記2の認定事実のほか,被告人がAが未成年であることのみならず,遅くともやり取りの途中でその年齢を把握していたこと(Aが△△△のプロフィールに14歳であることを記載していたこと(甲10[相反部分]),被告人がAに対し△△△で送信した(155という身長が)「年齢的に高いんちゃう?」とのメッセージ(甲3)からすれば,被告人はAの年齢を把握していたと推認することができる),被告人もAの所持金が乏しいことは認識していたこと(被告人の公判供述)が認められ,被告人自身,Aが単独で家出を実行し継続して生活することが困難な状況にあり,自身の提案がAの判断を左右するものであったことを認識していたことが推認できる。また,被告人がAに対して送信したメッセージ(「学校」,「親にバレて,警察くる」)に照らせば,被告人は母親の保護の下で学校に通うなどの生活をしていた未成年者であるAをその保護された生活環境から引き離し,Aを自らの事実的支配下に置くことの認識があったと優に認められる。被告人の未成年者誘拐の故意に欠ける点はない。
   なお,被告人は,Aの家出を手助けしただけであり,自らの行為が誘拐にあたるとは考えていなかった旨弁解するが,被告人独自の評価をいうにすぎず,故意の認定を妨げるものではない。
 (4) したがって,被告人には,犯罪事実第1記載のとおり未成年者誘拐罪が成立する。
(第2の事実についての補足説明)
1 被告人が,Aとの間で,児童福祉法34条1項6号の「淫行」に該当する性交や性交類似行為に及んだことは証拠上優に認められ,特段争いもない。争点は,被告人が,Aに対し,淫行を「させる行為」をしたといえるか否かである。
2 前記(第1の事実についての補足説明)2記載の事実に加え,関係証拠によれば,以下の事実関係が認められる。
 (1) 被告人は,Aが被告人方で生活するに当たり,Aに対し,被告人との性行為に応じることを要求した(甲3,A及び被告人の公判供述)。
 (2) 被告人は,平成27年12月22日午前1時頃,被告人方においてAと性交した(甲20[相反部分])。また,被告人は,平成27年11月18日から同年12月22日までの間,少なくとも10回Aと性交した(甲10[相反部分])。
3 検討
 (1) (第1の事実についての補足説明)3(2)で検討したとおり,Aが被告人方から離れて独力で生活することは現実的には困難であることに加え,Aは当時,他に行く場所のないまま被告人方から自宅へ戻されることを望んではいなかったと考えられることも併せ考慮すると,Aが被告人方での生活を継続するには被告人の要求に応じて同人と性交せざるをえない状況であったというべきである。Aが,被告人と性交するのは嫌であったが,被告人方を追い出されるのでしょうがないと思っていた旨供述する(甲10[相反部分])のも上記状況をA自身の言葉で説明したものと解される。これらの事情によれば,被告人は,家出願望を有するA(当時14歳)に生活場所を提供する旨提案するなどしてAの判断の適正を誤らせ,同人を母親の保護下から引き離して被告人方で生活させることにより事実的支配の下に置き(未成年者誘拐)複数回の性交に応じさせるなどの関係が継続していることを前提に,その関係を利用して,Aに対し性交を要求したのであって,事実上の影響力を及ぼして淫行をなすことを助長ないし促進した,すなわち淫行を「させる行為」をしたものと評価できる。
   なお,弁護人は,被告人とAの性交は取引に基づくものであるから,児童買春であり,被告人がAに対して淫行を「させる行為」をしたとはいえない旨主張する。確かに,Aは被告人方で生活するために被告人との性交に応じていたのではあるが,上記検討したとおり,被告人とAとの間には一定の支配関係があり,Aは被告人の要求に応じざるを得ない状況に置かれていたのであるから,被告人とAとの性交を単に取引に基づくものとみるのは実態を正しく捉えているとはいえず,弁護人の主張は当たらない。
 (2) また,(第1の事実についての補足説明)3(3)のとおり,被告人は,Aの年齢(当時14歳)を把握していたと認められ,平成27年12月22日の性交の時点で,被告人に,Aが18歳未満の児童であることの認識があったというべきである。
 (3) したがって,被告人には,犯罪事実第2記載のとおり児童福祉法違反の罪が成立する。
(第4の事実についての補足説明)
(法令の適用)
 罰条
  第1 刑法224条
  第2 児童福祉法60条1項,34条1項6号
  第3 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律4条(2条2項)
  第4 道路交通法117条の2の2第1号,64条1項
 刑種の選択
  第2,第3,第4の罪 いずれも懲役刑を選択
 併合罪の処理      刑法45条前段,47条本文,10条(最も重い判示第2の罪の刑に法定の加重(ただし,短期は第1の罪の刑のそれによる))
 未決勾留日数算入    刑法21条
 訴訟費用の不負担    刑事訴訟法181条1項ただし書
(量刑の理由)
 量刑判断の中心となる未成年者誘拐(第1),児童福祉法違反[淫行](第2)の犯行についてみると,被告人は,Aを母親の保護下から引き離し,1か月以上の長期間にわたり被告人方で生活させた上,その状況等を利用して,Aに対し,性行為を含む淫行をさせており,一連の行為は,当時14歳のAに対し,その心身の発達に大きな悪影響を与えかねず,また,保護者であるAの母親の心情を顧みない犯行というべきであり,同人が厳しい処罰を求めるのも理解できる。
 他方,第1について,Aは,被告人とのやり取りを始める前から家出願望を有しており,被告人からの家出にかかる提案等に対し積極的とも受け取れる態度を示していたこと等に鑑みれば,誘拐された者の自由のみならず保護者の監護権をも保護法益に含むとされる未成年者誘拐罪の罪質を踏まえても,犯行の経緯等には相応に酌むべき点がある。もっとも,第2の犯行に関しては,Aとの関係性(被告人宅から追い出されないために被告人の要求に応じざるを得ない関係)を利用して自己の性欲を充足させたに過ぎず,経緯に何ら酌むべき点はない。
 いわゆる児童買春の犯行(第3)についてみると,被告人は,当時13歳のBの未熟さに付け込んで性欲を満たしたものであり,軽くみることはできない。
 道路交通法違反〔無免許運転〕の犯行(第4)は,被告人は,処分の理由や経緯等に納得しがたい部分があったにせよ,運転免許の停止処分を受けていながら,被告人の供述によっても,殊更に自動車を運転しなければならない理由があるとはいえないのに,あえて自動車を運転したのであり,交通法規を軽視する犯行である。
 そのほか,被告人に本件各犯行と同種の前科がないこと,第3の犯行は認め,その余の犯行についても外形的事実は概ね認めていること等被告人のために酌むことができる事情もある。
(求刑 懲役5年)
  平成29年3月27日
    津地方裁判所刑事部
        裁判長裁判官  水野将徳
           裁判官  山川勇人
  裁判官高橋正典は健康上の差支えのため署名押印することができない。
        裁判長裁判官  水野将徳

 別紙1、2は省略

判例秘書の解説

4 コメント
      
 本件では、①未成年者拐取罪、②児童淫行罪、③無免許運転罪の成否が争われているが、それぞれ解説する。
      
(1) 未成年者拐取罪における拐取(略取・誘拐)とは、人をその生活環境から離脱させ、自己又は第三者の実力支配内に移すことをいう。本件で被告人は、Aに対し家出をした後の生活場所として被告人方を提供するなどの提案や家出の際の待ち合わせ場所について助言を行い、家出をそそのかし自己の元に来るように勧めている。当時14歳というAの年齢・社会経験や1000円に満たないという所持金では、家出のためには第三者の援助が必要不可欠である。被告人のこのような提案・助言は、かねてから家出願望のあるAが、親権者の元を離れ家出する決断・実行することの強い動機付けとなるだろう。本判決も、「家出に必要不可欠な提案や助言等をすることにより、Aの判断の適正を誤らせた」として、これら提案・助言がAを従来の生活環境から離脱させる行為を構成することを認めている。
      
 もっとも、本件では、Aが被告人方である程度自由に生活しており、Aが被告人の「実力支配内」にあったかが問題となる。しかし、本罪は、本判決も摘示するように、被拐取者の自由のみならず、監護権をも保護法益とし(同旨の判例として、福岡高判昭31.4.14判例秘書L01120290・高刑特3巻8号409頁)、従来の生活環境から引き離されることにより被拐取者の自由や安全が害されることが本罪の実質的な処罰根拠である(高橋則夫『刑法各論〔第2版〕』104頁〔2014〕など参照)。それゆえ、未成年者である被拐取者の利益・福祉に反して従来の生活環境から引き離されていることが重要であり、被拐取者が行動の自由を全く奪われていることまでは要求されないとすべきであろう(同様の理解として、富山地裁高岡支判平28.12.15判例秘書L07151043)。本判決は、被告人宅で生活させたことについて、当時14歳というAの年齢や、被告人方は従来生活を営んでいた親権者宅から遠く離れたAには土地勘のないとうかがわれる地方にあること、また、Aが小遣いを受け取ることはあったとはいえ5000円を超えない程度と僅少であり、自由にできる金銭も乏しいことから、独力で生活することは困難であるなどとして、本罪の成立を肯定している。このような事情は、Aが独力で生活が困難であることの反面として、被告人に生活を依存しなければならないことを意味するから、被告人はAを実力支配下に置いた評価できるだろう。
      
 さらに、本罪の故意も争われているが、本判決は、被告人がこれらの事情を認識していたと認められることから、故意も存在したとして、本罪の成立を肯定している。
      
(2) 児童淫行罪における「淫行」とは、性交又は性交類似行為をいい(最一小決昭47.11.28判例秘書L02710200・刑集26巻9号617頁参照)、性交がなされた本件では、「淫行」に当たることは当然である。問題となるのは、淫行を「させる行為」に当たるか、である。
      
 児童淫行罪について、かつては児童の性交の相手方となった場合には、本罪の成立を否定する下級審裁判例が見られた(たとえば、福岡家裁小倉支判昭35.3.18判例秘書L01560047・家月12巻7号147頁)が、最三小決平10.11.2判例秘書L05310102・刑集52巻8号505頁は、「『児童に淫行をさせる行為』とは、行為者が児童をして、第三者と淫行させる行為のみならず、行為者が児童をして行為者自身と淫行させる行為をも含む」と判示し、児童を相手方とした淫行にも本罪の成立を肯定した。もっとも、単に児童を相手方として淫行を行うだけでは、本罪は成立しない。最一小決平28.6.21判例秘書L07110035・刑集70巻5号369頁は、高等学校の常勤講師である被告人がその教え子と性交に及んだ事案につき、「単に同児童の淫行の相手方となったにとどまらず、同児童に対して事実上の影響力を及ぼして同児童の淫行をなすことを助長し促進する行為をした」として本罪の成立を認めた原判決を是認した。本罪の成立には、児童に対し「事実上の影響力」を及ぼしたことを要求するものと理解できる(同旨の下級審判例として、東京高判平22.8.3判例秘書L06520719・高刑63巻2号1頁)。本判決は、被告人とAとの間には一定の支配関係があり、被告人はこの支配関係を利用して性交するよう要求した旨を摘示し、単に淫行の相手方となったに止まらず、事実上の影響力を及ぼし、Aに淫行をさせたものとであることを明らかにしている。
      
 また、児童淫行罪の成否については、本件は、弁護人が児童買春にあたり児童淫行罪は成立しない旨、主張するが、そもそも児童買春罪と児童淫行罪は、排他的関係にないとするのが判例である(名古屋高裁金沢支判平成14.3.28公刊物未掲載)。本判決も、この主張を排斥している。