児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

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名誉毀損,私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律違反,わいせつ電磁的記録記録媒体陳列被告事件 (札幌地裁h27.7.15)

 全部わいせつ画像であれば、科刑上一罪になるんですよね。

私事性的画像記録物公然陳列 1/19
名誉毀損 1/25
わいせつ電磁的記録記録媒体公然陳列 1/27
名誉毀損 私事性的画像記録物公然陳列 1/28

名誉毀損,私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律違反,わいせつ電磁的記録記録媒体陳列被告事件
札幌地方裁判所判決
(犯罪事実)
 被告人は,
第1 A(当時22歳)の交際相手であるBになりすまして,短文投稿サイト「C」にページを開設していたものであるが,別表記載のとおり,平成27年1月19日午前3時2分頃から同日午前6時12分頃までの間,札幌市a区b条c丁目d番e号の被告人方において,スマートフォンを使用し,インターネットを介して,「札幌・OL・D」などの文言とともに,Aの顔及び胸部等が撮影された画像データ3点を,C社が管理する場所不詳に設置されたサーバーコンピュータに送信して記憶・蔵置させ,不特定多数のインターネット利用者に対し,前記ページに掲載された前記画像データ3点の閲覧が可能な状態を設定し,もって第三者が撮影対象者を特定することができる方法で,衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって,殊更に人の性的な部位が露出されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものである私事性的画像記録物を公然と陳列した。
第2 同月25日午前3時59分頃,前記被告人方において,スマートフォンを使用し,インターネットを介して,株式会社Eが管理する不特定多数の者が閲覧可能な「前略プロフィール」と題するウェブサイト内に前記Aになりすまして作成した「Fのつぶやき」と題するリアルタイムブログに,前記Bを撮影した画像1点を掲載した上,「そういえばね最近ストーカー的なのされてて困ってるの」「Bっていう人」「友達の紹介であったきりしつこくて」「しかも他に女の子いるのにやってきてて」「誰かどうにかしてくれなーい」などと掲載し,これを不特定多数の者が閲覧することが可能な状態にさせ,もって公然と事実を摘示してBの名誉を毀損した。
第3 短文投稿サイト「C」にページを開設していたものであるが,同月27日午後11時54分頃,前記被告人方において,スマートフォンを使用し,インターネットを介して,男性の性器が露骨に撮影されたわいせつ画像データ1点を,C社が管理する場所不詳に設置されたサーバーコンピュータに送信して記憶・蔵置させ,不特定多数のインターネット利用者に対し,前記ページに掲載された前記わいせつ画像1点の閲覧が可能な状態を設定し,もってわいせつな電磁的記録に係る記録媒体を公然と陳列した。
第4 前記Bになりすまして短文投稿サイト「C」にページを開設していたものであるが,同月28日午前0時46分頃,前記被告人方において,スマートフォンを使用し,インターネットを介して,「A、22歳、札幌市f区、g中→h)高→i」などの文言とともに,前記A(当時22歳)の顔及び胸部が撮影された画像データ1点を,C社が管理する場所不詳に設置されたサーバーコンピュータに送信して記憶・蔵置させ,不特定多数のインターネット利用者に対し,前記ページに掲載された前記画像データ1点等の閲覧が可能な状態を設定し,もって公然と事実を摘示してAの名誉を毀損するとともに,第三者が撮影対象者を特定することができる方法で,衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって,殊更に人の性的な部位が露出されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものである私事性的画像記録物を公然と陳列した。
(法令の適用)
 被告人の判示第1の所為は別表各番号ごとに私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律3条2項,2条2項,同条1項3号に,判示第2の所為は刑法230条1項に,判示第3の所為は同法175条1項前段に,判示第4の所為のうち,名誉毀損の点は同法230条1項に,私事性的画像記録物公然陳列の点は私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律3条2項,2条2項,同条1項3号に,それぞれ該当するところ,判示第4は1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,刑法54条1項前段,10条により1罪として犯情の重い私事性的画像記録物公然陳列罪の刑で処断し,各所定刑中いずれも懲役刑を選択し,以上は同法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により刑及び犯情の最も重い判示第4の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役2年に処し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予することとする。