児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童は悪いと分かっていて、また危険を承知で、不適切な行為を行うことがある。そのようなケースで犯罪被害に遭ったとしても、悪いのはあくまで加害者である大人であり、被害者である児童を責めることはできない。松木秀彰「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部改正と警察の対応について」警察学論集70巻11号

 sextingについては、形式的に考えると児童が正犯なのに、法律を枉げて、頼んだ方を製造犯にするという実務をやめて、児童を検挙していけばいいんじゃないでしょうか。

松木秀彰「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部改正と警察の対応について」警察学論集70巻11号
最後に私見を述べたい。
インターネットに起因した児童の性犯罪被害等については、そもそも最初から被害者を出さないようにすることの方が、被害が発生してしまった後から加害者を検挙し、被害者の救済をすることよりもずっと重要であるが、しかし同時に、それはずっと困難なことである。
こうした、いわば事後対応から事前対応へのシフトを実現するためには、関係者・関係機関のうちの特定の誰か又はどこかが努力するだけでは不十分であり、関係者全員・関係機関全てが相互に連携しつつ、互いの取組の重複を顧みず、それぞれのできることをするという考え方が必要である。
また、児童は悪いと分かっていて、また危険を承知で、不適切な行為を行うことがある。そのようなケースで犯罪被害に遭ったとしても、悪いのはあくまで加害者である大人であり、被害者である児童を責めることはできない。ただ、被害をそもそも発生させないという困難なミッションを達成するためには、潜在的被害者層である児童自身にも危険認識や防犯意識をしっかり持って適切な行動をとってもらうことが必要不可欠である。
フィルタリングは有害環境から児童を守る有効な手段の一つであり、実施を強く推奨すべきであるが、他方それのみでは、被害の発生を完全に防ぐことは難しい。そのため、児童に普及啓発することが必要であるが、それをするに当たっては、児童の発達段階に応じて具体的な事例を話してあげ、児童の印象に残るようにすることが効果的である。
また、具体的な手口を知らせることで児童のデイフェンスカを上げることも必要である。手口の公開は模倣リスクを伴う側面もあるが、他方、そういうことを言っていられないほど状況が悪化しており、被害に遭ってしまう児童は、常に児童から裸の画像を送らせることばかり考えているような加害者が一心に考え出した悪質・巧妙な手口の前に無防備のままさらされ、泣く泣く裸の画像を送らされるケースも多い。そうした状況は変えていく必要がある。
警察の力だけでは被害発生を防ぎきることは難しいが、警察にしかできないことも多い。まずはそれにしっかりと取り組んでいくべきではないかと考えている。

スマホを破壊しても画像は復元される

 男湯の女児については省令等で許容されているわけだから、それを撮影したとしても、「殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」かどうかが疑わしい。

自衛官、入浴施設で女児盗撮=児童ポルノ法違反容疑で送検-大阪府警
2017.11.06 時事通信  
 入浴施設で女児を盗撮したとして、大阪府警浪速署は6日、児童買春・ポルノ禁止法違反(盗撮製造)容疑で、陸上自衛隊与那国沿岸監視隊の2等陸曹の男(38)=沖縄県与那国町=を書類送検した。容疑を認め「数年前から7、8回この施設で盗撮した」と話しているという。
 逮捕容疑は昨年8月に4回、大阪市浪速区の入浴施設で、男性脱衣場にいた小学生くらいの女児計4人の裸の動画をスマートフォンで盗撮し、児童ポルノを製造した疑い。
 同署によると、男は大阪出身で、休暇で帰省するたびに同施設で盗撮していたという。今年8月にも女児を盗撮し、気づいた父親に問い詰められて発覚した。男はその場でスマホを壊したが、同署が提出を受けて解析。その女児の動画は保存されていなかったが、昨年に別の女児を映した動画などが見つかり、自分が撮ったものと認めたという。

某県青少年健全育成条例において青少年は「十八歳未満の者(婚姻により成人に達したとみなされる者を除く。)をいう。」と定義されているので、青少年の特定も「A(15歳 婚姻歴なし)」と記載されるべきであり、被告人の認識も「Aが18歳未満であり、婚姻歴がないことを知りながら」であることを要する

 婚姻してない18歳未満の者というのが構成要件ですから、それは検察官が立証してください。

某地裁h29
被告人は、Aが18歳未満であり、婚姻歴がないことを知りながら 平成29年11月7日 某県ホテルにおいて 
性欲を満たす目的で、A(15歳 婚姻歴なし)と性交した。このようにして青少年に対して淫行した

広島県青少年健全育成条例
(定義)
第十五条 この章以下(第六章を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者(婚姻により成人に達したとみなされる者を除く。)をいう。
第三十九条 
1何人も、青少年に対し、淫いん行又はわいせつ行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
(罰則)
第四十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第三十八条の九第一項又は第二項の規定による命令に違反した者
二 第三十九条第一項の規定に違反した者

児童が喜んで性交していたとしても監護者性交罪は成立しうる。

児童が喜んで性交していたとしても監護者性交罪は成立しうる。

今井検事「刑法の一部を改正する法律の概要」警察公論72巻12号
3 捜査上の留意点
ア「現に監讓する者」の要件について
監護者わいせつ罪岐び監護者性交等罪の主体は. 18歳未満の者を「現に監護する者」に限定されており.教師やスポーツのコーチ等の指導者などについては.個別の具体的事例ごとに判断されるべき事柄ではあるが,一般的に, その者の生活全般にわたって.依存・被依存ないし保護・被保護の関係が認められるとはいえないことから、通常は.監護者には該当しないと考えられる。
もっとも、こうした教員等による性的行為が監護昔性交等罪等の適用対象とならないとしても,強制性交等罪等や準強制'性交等罪等が成立し得るのであり.教師等の立場や影響力の有無無・程度は.強制性交等罪等の暴行・脅迫要件や準強制性交等罪等の抗拒不能の要件を判断する際の重要な要素となり得ると考えられる。
したがって. こうした事案においても,犯罪の成否について.行為者と被害者との関係具体的な影響力の内容や程度.被害者の意思決定の過程などについて十分な捜査を尽くし,適切な判断をすることに留意する必要がある。
イ「影響力があることに乗じて」の要件について
被疑者からは, 18歳未満の者が積極的に(あるいは喜んで)性的行為に応じたから.影響力があることに乗じて行ったものではなく,影響力と無関係に行われたものであるとの主張がなされることが考えられる。
しかし, 18歳未満の者がそのような行動をとる例として.例えば、幼年のころから継続的に.監護音による性的行為を受け続け, そのような行為が当然のことであると思い込んでいる場合や.監護者を喜ばせ, あるいは監護者の機嫌を損なわないようにするために、積極的に応じるような場合が考えられるところ, いずれも. 「現に監護者であることによる影響力」によって18歳未満の者がそのような行動に至っていると一般的に考えられることから, このような行動が認められたとしても。「影響力があることに乗じて」行ったものではないとはいえないことに留意する必要がある。
工13歳未満の者に対する性的行為について
本罪は, いわゆる性的虐待を対象とするものではあるが, 13歳未満の者に対して'性的行為に及べば, 「その者を現に監護する音であることによる影響力があることに乗じて」との要件を満たすか否かを問わず.強制わいせつ罪(176条後段)や強制性交等罪(177条後段)が成立するので,実際に本罪の適用対象となるのは,被害者が13歳以上18歳未満の場合であることに留意する必要がある。

性的意図なくても強制わいせつに!? 最高裁大法廷が約半世紀ぶりに判例変更へ

 「あるベテラン刑事裁判官は「もともと評判が悪い判例だった」と話す。」という裁判官もこれまで性的意図必要説で判決してきたわけで、ずるい奴らだ。
 奥村は、正面から性的意図不要説を唱えて、性的必要説の高裁判例
東京高等裁判所H28.2.19(最決H29.2.2)
広島高裁岡山支部H22.12.15(最決H24.4.4)
をもらっていて、これらと本件の原判決の判例違反も生じている

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171106-00000502-san-soci
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171106-00000502-san-soci.view-000
男は、平成27年1月に13歳未満の女児の体を触っている様子を携帯電話で撮影するなどしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反罪や強制わいせつ罪に問われている。問題となっているのは、男の「性的意図」だ。

 強制わいせつ罪について無罪を主張する弁護側の根拠となっているのが、最高裁が昭和45年1月に示した判例。報復目的で女性の裸の写真を撮影したとして、強制わいせつ罪に問われた男の上告審で、同罪の成立には「自分の性欲を興奮させたり満足させたりする性的意図が必要」と判示した。

 最高裁判例の背景には、医療や介護従事者ら性的意図なく相手の身体に接触するような人が、強制わいせつ罪に問われないようにとの配慮があったとみられる。

 今回のケースでも、男は「知人から金を借りる条件として、女児とのわいせつ行為を撮影したデータを送るよう要求された」と供述。弁護側は性的意図はなく、強制わいせつ罪は成立しないと主張している。

 ■「評判悪い判例

 最高裁判例は地裁や高裁の判断に大きな影響を与えるが、あるベテラン刑事裁判官は「もともと評判が悪い判例だった」と話す。

 通常、多くの犯罪は「行為」と「故意」があれば成立する。ただ、この判例を前提とすると、強制わいせつ罪にはそれに加えて、性的意図という「主観」を求めていることになる。

 似た例が通貨偽造罪だ。刑法は「行使の目的で、通用する貨幣、紙幣または銀行券を偽造し、または変造した者は、無期または3年以上の懲役に処する」と規定。通貨の偽造という「行為」と「故意」に加え、行使の目的という「主観」を求めている。

 ただ、通貨偽造罪が「主観」を条文に明記しているのに対し、強制わいせつ罪は明文ではなく判例によって「性的意図という主観が必要」と解釈されてきた。

 ベテラン裁判官は「強制わいせつの場合、被告に性的意図があってもなくても、体に触るなどの行為をしていることに違いはないわけだから、一般的な理解が得にくい」と話す。

 実際、今回の被告について1審神戸地裁判決は「犯人の性的意図の有無によって、被害者の性的自由が侵害されたか否かが左右されるとは考えられない」とし、最高裁判例は「相当ではない」と判断。同罪の成立を認め、2審大阪高裁判決も支持した。

 一方、仮に判例変更をするとしても、最高裁の言及の仕方によって、影響範囲は異なってくる。注目の判断は11月29日に示される。

同一生徒に同様の行為をしたとして、これまでに会社員の男(26)と男子大学生(19)の2人を逮捕したという芋づる式検挙の事例

 
 1件終われば次の被疑者ということになるので、後の被疑者は時間があるので弁護士に相談して逮捕回避を図って下さい。

女子高生を買春疑い、28歳会社員を逮捕 ツイッターで出会いホテルに…摘発3人目 兵庫県
http://www.sankei.com/west/news/171031/wst1710310063-n1.html
逮捕容疑は4月23日、神戸市中央区のホテルで、高校2年の女子生徒(17)が18歳未満と知りながら、現金数万円を渡して淫らな行為をしたとしている。
 同署はこの生徒に同様の行為をしたとして、これまでに会社員の男(26)と男子大学生(19)の2人を逮捕している。いずれの事件も生徒から事情を聴いて発覚した

兵庫県青少年愛護審議会愛護部会「児童ポルノの自画撮り勧誘行為の問題も盛り込むべきだという議論」というのが見当たらない

兵庫県少年愛護審議会愛護部会「児童ポルノの自画撮り勧誘行為の問題も盛り込むべきだという議論」というのが見当たらない

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk16/documents/gijigaiyou.pdf
平成29年度 第1回青少年愛護審議会愛護部会 議事概要
開催日時:平成29年10月11日(水)14:00~16:00
開催場所:兵庫県民会館7階 亀の間
出席委員:8名出席
小林会長、野々山部会長
内海委員、小石委員、中島委員、林委員、藤井委員、矢橋委員
(委員)
本日の議論を汲み取っていただいた上で、パブリック・コメントの改正骨子案を委員にお示しいただけるか。
(事務局)
骨子案については、本日議論いただいた内容、例えばフィルタリング有効化措置を希望しない理由のところで、宣言的な内容を込めるべきではないかといったこと等を踏まえ、更に、児童ポルノの自画撮り勧誘行為の問題も盛り込むべきだという議論もあることから、もう少し内部で検討させていただいた上で委員の皆様にご提示できればと考えている。
その後、パブリック・コメントをかけ、県民に皆様のご意見をいただくという形になる。
(部会長)
各委員は条例改正に賛同している。
我々の意見だけでなく、県民の皆様の意見も反映させ、実効性のある条例に
していただきたい。

自画撮りの議論がない

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk16/documents/h29aigobukaishiryo.pdf
平成 29 年度 第 1 回青少年愛護審議会愛護部会 次第
日時:平成 29 年 10 月 11 日(水)14:00~
場所:兵庫県民会館 7階 亀の間

少年愛護条例の改正について(改正骨子案)
平成29年10月11日
兵 庫 県 青 少 年 課

電車内痴漢の強制わいせつ被告事件で、故意を否定して無罪にした事例(名古屋地裁h29.9.5)

電車内痴漢の強制わいせつ被告事件で、故意を否定して無罪にした事例(名古屋地裁h29.9.5)

名古屋地方裁判所平成29年09月05日
主文
被告人は無罪。

理由
 第1 本件公訴事実は、「被告人は、平成28年6月26日午後9時43分頃から同日午後10時8分頃までの間、愛知県(以下略)B株式会社C駅から(住所略)同社D駅に至るまでの間を進行中の電車内において、座席に座っていたA(別紙記載。当時23歳)に対し、同人の右隣に座って、同人の後頭部を右手でつかんで、その唇に接吻した上、同人の右手を手でつかんで引っ張って、同人の右手で自己の陰茎を着衣の上から触らせるなどし、もって強いてわいせつな行為をしたものである。」というものである。
 被告人は、上記日時場所においてAに接吻したことはあるが陰茎を触らせたことはなく、接吻もAの意に反してしたものではない旨供述し、弁護人もその供述に沿って陰茎を触らせる行為については否認し、接吻についてはAの同意があった、仮に同意がなかったとしても被告人は同意があると誤信していたとして、無罪を主張する。
 証拠調べの結果、被告人がAに対して公訴事実記載の行為をしたこと、これらの行為がAの意に反したものであったことは認められるものの、被告人にはこれらの行為がAの意に反するとの認識がなかったという合理的な疑いが認められるので、強制わいせつの故意を欠くものとして無罪と判断した。以下詳述する。
 第2 A供述の評価
 被告人の客観的行為態様を認定する上で中核となるのはAの警察官調書(同意部分)及び公判供述であるところ、その概要は以下のとおりである。本件当日、当時の婚約者(現在の夫)の実家に挨拶に行き、帰宅のため単独で本件電車に乗り、進行方向左側にある二人掛けの座席の左側(窓側)に座ったところ、被告人がAの右側に座った。被告人はAに自分の名前を言い、Aの氏名や仕事先を聞いてきたので、すぐには答えなかったものの、結局下の名前と仕事先については答えた。被告人から電話番号の交換を求められ、最初は断っていたが、最終的に被告人の電話番号を携帯電話に登録することを承諾し、登録後被告人の携帯電話に発信した。その後被告人から飲みに行かないかと誘われ、仕事が忙しくていけない、なかなか休みが取れないなどと少なくとも3回は断った。その後、特に会話などなく、被告人がAに体を向け、後頭部を右手でつかみ、被告人の方を向かされて唇に接吻された。歯をしっかりかみ合わせた状態でいたところ、歯の上を被告人の舌がなぞってきて、とても気持ち悪かった。荷物を持っており、被告人の胸との間に手を差し込むほどのスペースもなかったため、抵抗はできなかった。被告人に「やめてください」と言ったような気がするが記憶は曖昧である。同様のやり方で計3回、唇に接吻された。2回目の接吻の前に再度被告人から飲みに誘われて断り、3回目の接吻の後、「君、かわいいね」と言われた。席を立ったり、周囲に助けを求めることはできなかったものの、助けてほしいと思って夫宛に2度携帯電話で発信したが、夫と会話はしていない。その後被告人が「もう僕こんなになっちゃったんだよね。」と言いながら、Aの右手首をつかんで被告人の着衣の上から陰茎の勃起している股間に手を置いた。Aはすぐ手を放した。その後D駅に着くまでの約5分間ほど会話等はなかった。D駅に到着した後、被告人より先に席を立ち、帰宅してすぐ夫に電話して被害に遭ったことを話した。以上である。
 Aの供述は、若い女性が面識のない外国人の男性と、夜間の電車内の二人掛けのシートに隣り合わせて座った合計25分ほどの間に、声をかけられて強く拒否することもできず、結局接吻や陰茎接触等の行為に及ばれたという状況に照らして、特に不自然不合理な点はない。その場で被告人の接吻等を拒絶できなかったというのも、動揺、羞恥心、恐怖心等によるものと合理的に理解できる。記憶が変容した点や曖昧な点は率直にその旨供述しており、被告人の行為について虚偽を述べたり、誤解が入り込んだ余地も伺われない。陰茎接触を強いられたという点も、その際被告人が発した言葉と符合するものであって、誤信したとは考え難い。夫に助けを求めようとしたり、直後に夫に被害を申告した経緯及びその内容は、Aの携帯電話の発信履歴等の客観的証拠や夫の公判供述と整合している。Aの供述は、被告人の行為がAの意に反したものであったという点を含めて、その根幹部分において信用できる。
 被告人は、Aが積極的に会話に応じていたと述べている。弁護人は、被告人の供述に沿って、Aが結婚間近の身でありながら被告人と意気投合し、その場の雰囲気に流されて接吻を許したものの、夫の手前、虚偽の被害申告をした可能性があると主張するが、電車乗車中、夫に2度にわたり携帯電話から発信している事実に照らし、そのようなことは考えられない。Aが自分の電話番号を被告人に知らせるため調べようとした際に誤って夫宛の発信をした可能性も指摘するが、現実的に到底考えられず、採用できない。
 第3 被告人の故意について
 初対面の女性に対し、明示の承諾を求めず繰り返し唇に接吻し、自己の陰茎を触れさせる行為に及ぶことは、それだけでその女性の意に反する行為であることが一般的に推認される事情である。
 しかしながら、被告人はまずAの隣に座って自ら名乗り、Aの氏名や仕事先を尋ね、電話番号の交換を求め、飲酒に誘うなどの会話を行っている。これに対してAは即答ではないものの、結局下の名前や仕事先の概略を回答し、電話番号の交換にも結果的に応じ、飲酒の誘いは断ったものの、「行きたくない」と言うのではなく、「忙しいので行けない」という口実を設けた返答をしている。Aの対応は消極的であり、婉曲に拒絶の意を示したものと理解することができるが、一方ではっきりとした拒絶の意思や態度を示したわけではなく、むしろ被告人の求めを受け容れているように理解することも可能な対応である。特に被告人は外国人であり、Aの婉曲な拒絶の態度が理解できず、はにかんでいるに過ぎないと受け止めた上で、Aが名前や電話番号などプライベートな情報を教えてくれたことで、自分に好意を抱いているものと誤解した可能性が否定できない。被告人が電車内で、被告人とAの顔を携帯電話で撮影している(Aは記憶がないという。)こともその可能性を強める事情である。
 また、本件行為は3回の接吻と、その後陰茎を着衣の上から触れさせるというものであるが、その際行使された有形力は、Aの後頭部をつかんで引き寄せ被告人の方に向かせる、Aの手首をつかんで股間に持ってくるというものである。通常これらの行為に伴う程度の有形力であって殊更強いものとはいえず、Aもこれに対するはっきりした抵抗を示していない。被告人が外国人であることをも考慮すれば、好意を抱き、自分にも好意を抱いていると思った相手にまず接吻し、それが受け入れられたとみて更に接吻を繰り返し、それも受け入れられたとみて更に性的な興奮を示す言葉を発しながら陰茎を触れさせる行為に出ることは、被告人がAとの関係を深めていくため行ったと解して、さほど不自然なものではない。
 更に、現場は夜間とはいえ走行中の電車内であり、他の乗客も乗り合わせていた(Aの供述によっても、通路を挟んだ隣の席に女性客がいたという。)。Aがその場から逃げたり、他の乗客に救助を求めることが、客観的には比較的容易にできる状況であったといえる。それにもかかわらず、被告人は特段人目を避けることもせず、Aの被害申告を殊更困難にさせるような手段も講じることなく、Aとの会話等の段階を経て順次本件行為に及んでいる。電車内の混雑に乗じて密かに女性の体を触る、隙をみて瞬時に触るなどという典型的な痴漢の事案とは全く異なる。このことは、被告人が、Aの同意があると誤信していたことをうかがわせる事情である。
 以上のとおりであって、被告人はAの意に反する行為であることを認識していなかったと、合理的に疑うに足りる事情が認められる。
 第4 結論
 結局、被告人には本件行為時、強制わいせつの故意があったと認めることはできないので、結局本件公訴事実については犯罪の証明がないことになるから、刑訴法336条により被告人に対し無罪の言渡しをする。
(求刑 懲役2年)
刑事第6部
 (裁判官 田邊三保子)

WEP鍵は、無線通信の内容として送受信されるものではなく、無線通信の秘密にあたる余地はないから、WEP鍵の利用は犯罪を構成せず、結局前記公訴事実については罪とならないから、同部分につき、被告人を無罪とした事例(東京地裁h29.4.27)

WEP鍵は、無線通信の内容として送受信されるものではなく、無線通信の秘密にあたる余地はないから、WEP鍵の利用は犯罪を構成せず、結局前記公訴事実については罪とならないから、同部分につき、被告人を無罪とした事例(東京地裁h29.4.27)

東京地裁平成29年 4月27日
事件名 不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反、電子計算機使用詐欺、私電磁的記録不正作出・同供用、不正指令電磁的記録供用、電波法違反被告事件
主文

 被告人を懲役8年に処する。
 本件公訴事実中,平成27年7月1日付け追起訴状記載の公訴事実第1の電波法違反の点については,被告人は無罪。 
理由
 (罪となるべき事実)
 (一部無罪の理由)
第1 無線通信の秘密の窃用の公訴事実等
 平成27年7月1日付け追起訴状記載の公訴事実第1は,「被告人は,Q方に設置して運用する小電力データ通信システムの無線局である無線LANルータのアクセスポイントと同人方に設置の通信端末機器で送受信される無線局の取扱中に係る無線通信を傍受することで,同アクセスポイント接続に必要なパスワードであるWEP鍵をあらかじめ取得し,平成26年6月11日午前11時26分頃,松山市 ab 丁目 c 番 d 号被告人方において,同所に設置のパーソナルコンピュータを使用し,前記WEP鍵を利用して前記アクセスポイントに認証させて接続し,もって無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を窃用したものである。」というものである。
 被告人が,同日時頃,Q方無線LANアクセスポイントにかかるWEP鍵を利用して,同アクセスポイントに接続していたことは,証拠上認められるものの,当裁判所は,WEP鍵は電波法109条1項にいう「無線通信の秘密」にはあたらず,それを利用することが同項違反にはならないと判断したので,以下補足して説明する。
第2 WEP等
 1 WEPは,無線通信を暗号化する国際的な標準形式である。その際に用いられる暗号化鍵がWEP鍵である。
 暗号化の過程は概ね以下のとおりである。平文(暗号化したい情報)に,104ビットのWEP鍵と24ビットのIV(誰にでもわかるようになっている数字)を組み合わせた128ビットの鍵をWEPというシステムに入れることでできる乱数列を足し込んで暗号文を作成する。復号するためには,平文に足し込まれた乱数を引く必要があるが,その乱数を知るためには,WEP鍵が必要になる。
 WEP方式の無線LAN通信において,WEP鍵自体は無線通信の内容そのものとして送受信されることはない。
 2 前記(事実認定の補足説明)第2の3に認定のとおり,被告人は,1号パソコンからRに収録されているSを用いて,Q方無線LANのWEP鍵情報を取得している。Sの攻撃手法はARPリプライ攻撃と言われるものであり,WEP鍵を計算で求める前提として,通信している者が出しているパケットが少ない場合に,大量のパケットを発生させることで大量の乱数を収集するというものである。
第3 検討
 1 電波法109条1項の「無線通信の秘密」とは,当該無線通信の存在及び内容が一般に知られていないもので,一般に知られないことについて合理的な理由ないし必要性のあるものをいうと解される。
 2 前記のとおり,WEP鍵は,それ自体無線通信の内容として送受信されるものではなく,あくまで暗号文を解いて平文を知るための情報であり,その利用は平文を知るための手段・方法に過ぎない。
 WEP鍵は,大量のパケットを発生させて乱数を得ることにより計算で求めることができるという点では,無線通信から割り出せる情報ではあるものの,WEP鍵が無線通信の内容を構成するものとは評価できない。このことは,WEP鍵を計算によって求めるためには,必ずしも無線LANルータと端末機器との間で送受信されるパケットを取得する必要はなく,ARPリプライ攻撃によってパケットを発生させることでも足りることからもいえる。すなわち,WEP鍵は,無線LANルータと端末機器との間で送受信される通信内容の如何にかかわらず,取得することができるのであり,無線通信の内容であるとはいえない。
 3 そうすると,WEP鍵は,無線通信の内容として送受信されるものではなく,無線通信の秘密にあたる余地はない。
 したがって,WEP鍵の利用は犯罪を構成せず,結局前記公訴事実については罪とならないから,刑訴法336条により,被告人には無罪の言渡しをする。
 (求刑 懲役12年,主文同旨の没収)
 東京地方裁判所刑事第16部
 (裁判長裁判官 島田一 裁判官 島田環 裁判官 髙野将人)

匿名起訴について、関係各証拠に照らせば,判示第1の各事実及び判示第2の各事実について,検察官が,被害者の氏名を訴因に記載すれば再被害のおそれがあるとして被害者を匿名にして公訴提起した点はその時点の判断として誤っておらず,かつ,氏名以外の方法による被害者の特定は十分なものであったといずれも認められるから,検察官の各公訴提起の手続に違法はない。また,証拠調べの結果によっても,判示第1の各事実及び判示第2の各事実の被害者の氏名は明らかとならなかった。(金沢地裁h29.9.4)

 証拠上は、児童ポルノ画像で特定できるんだろうな。

金沢地方裁判所平成29年9月4日判決
       判   決
 前記の者に対するわいせつ略取未遂,強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件について,当裁判所は,検察官進藤勇樹及び弁護人串田光成各出席の上審理し,次のとおり判決する。
       理   由
(罪となるべき事実)
 被告人は,
第1(訴因変更後の平成29年3月24日付け起訴状記載の各公訴事実関係)
1 被害者A(当時7歳)が13歳未満であることを知りながら,平成29年1月20日午前7時30分頃,富山県射水市内の体育館駐車場に駐車した自動車内において,前記被害者Aに対し,その陰部を手で触り,その陰部に自己の陰茎を押し付けるなどし,もって13歳未満の女子に対し,わいせつな行為をし,
2 前記日時場所において,前記被害者Aが18歳に満たない児童であることを知りながら,同児童に,陰部を露出した姿態,被告人が同児童の陰部を手で触る姿態等をとらせ,これらを動画撮影機能付きスマートフォンで動画撮影して録画した上,同日頃,同県高岡市α×××番地所在の被告人方において,その動画データ1点をパーソナルコンピュータを介して電磁的記録媒体であるUSBメモリ(金沢地方検察庁平成29年領第176号符号2)に記録して保存し(データのファイル名「IMG_0362.MOV」),もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し,
第2(平成29年4月21日付け起訴状記載の各公訴事実関係)
1 被害者B(当時7歳)が13歳未満であることを知りながら,平成29年1月25日午後3時9分頃から同日午後3時47分頃までの間,石川県七尾市内の公園駐車場に駐車した自動車内において,前記被害者Bに対し,その陰部をなめ,その陰部及び肛門に手指を挿入し,さらに,自己の陰茎を口淫させるなどし,もって13歳未満の女子に対し,わいせつな行為をし,
2 前記日時場所において,前記被害者Bが18歳に満たない児童であることを知りながら,同児童をして前記1記載のわいせつ行為等に係る姿態をとらせ,これを自己の所有するビデオカメラで動画撮影して録画した上,同月27日午後9時13分頃から同日午後9時43分頃までの間,富山県内又はその周辺において,その動画データ18点を同ビデオカメラに挿入されたSDHCカード(金沢地方検察庁平成29年領第177号符号3)に記録して保存し,さらに,同月31日午後11時54分頃から同日午後11時56分頃までの間,富山県高岡市α×××番地被告人方において,同SDHCカードからパーソナルコンピュータ(同庁同年領第177号符号4)のハードディスクに記録して保存し,もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態,他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し,
第3(平成29年3月1日付け起訴状記載の公訴事実関係)
 わいせつな行為をする目的で女児を略取しようと考え、平成29年2月1日午後2時55分頃,石川県小松市内の路上付近において,被害者C(当時8歳)に対し,その手首をつかんで引っ張り,駐車していた被告人使用車両運転席側後部ドアから同車内に連れ込み,もってわいせつの目的で略取しようとしたが,同人が同車助手席側後部ドアを開けて逃走したため,その目的を遂げなかった。
(証拠の標目)《略》
(事実認定の補足説明)
 被告人は,判示第1の2の事実のうちスマートフォンで撮影した動画データを被告人方においてパーソナルコンピュータを介してUSBメモリ(金沢地方検察庁平成29年領第176号符号2。以下「本件USBメモリ」という。)に記録して保存したという点について,記憶がない旨述べ,弁護人も,被告人と同意見であるとして,積極的に争うものではないとしつつも上記事実を否認している。 
 しかしながら,捜査報告書抄本(甲33)を始めとする関係証拠によれば,本件USBメモリには,スマートフォンであるiPhone7 Plusによって判示第1の1の強制わいせつに係る犯行状況を撮影したものであることが明らかな動画データのファイル(ファイル名「IMG_0362.MOV」)及びそれが加工され,再生時間が短縮されてファイル形式も変換された2個の動画データのファイルが記録されていたことが認められ,このことからすれば,何者かが,iPhone7 Plusで撮影された上記犯行状況に係る動画データを本件USBメモリ内に記録して児童ポルノを製造し,かつ,同データの再生時間やファイル形式につき改変を加えた2個の動画データも本件USBメモリ内に記録したことが明らかである。そして,被告人が当時iPhone7 Plusを保有・使用していたこと,上記3個の動画データの「更新日時」及び「作成日時」の各日がいずれも上記強制わいせつの犯行日と同一の平成29年1月20日であること,被告人が同年2月8日の逮捕時にその所有する本件USBメモリを所持しており,被告人自身,本件USBメモリを被告人以外の者が使用することはなかった旨述べていることに照らせば,判示第1の1の強制わいせつに係る犯行状況を撮影した動画データをiPhone7 Plusから本件USBメモリに記録する過程において,被告人以外の第三者が関与したとは考え難いというべきである。さらに,被告人方から押収された被告人所有・管理のパーソナルコンピュータから上記3個の動画データと同形式,同内容の各動画データが復元できたことが認められるところ,このことも併せ考えると,iPhone7 Plusから本件USBメモリへの動画データの移行や,改変の上での移行は,被告人自身の手によって被告人方の上記パーソナルコンピュータを使用して行われたことが強く推認される。
 したがって,被告人が,被告人方において,判示第1の1の強制わいせつに係る犯行状況をスマートフォンで撮影録画した動画データ1点をパーソナルコンピュータを介して本件USBメモリに記録して保存し(データのファイル名「IMG_0362.MOV」),児童ポルノを製造したと優に認められる。なお,動画データの改変は訴因に掲げられていないことなどから,本件USBメモリ内のその余のデータに係る児童ポルノ製造は訴因の内容になっていないものと解した。
(法令の適用)
 判示第1の1及び第2の1の各所為はいずれも平成29年法律第72号附則2条1項により同法による改正前の刑法176条後段に,判示第1の2の所為は包括して児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項(2条3項2号,3号),2項に,判示第2の2の所為は包括して同法7条4項(2条3項1号,2号,3号),2項に,判示第3の所為は刑法228条,225条にそれぞれ該当するところ,判示第1の2及び第2の2の各罪についていずれも所定刑中懲役刑を選択し,以上は同法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により最も重い判示第3の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役5年に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中30日をその刑に算入することとし,金沢地方検察庁で保管中のUSBメモリ1本(同庁平成29年領第176号符号2)は判示第1の2の犯罪行為を,SDHCカード1枚(同庁同年領第177号符号3)及びパーソナルコンピュータ1台(同庁同年領第177号符号4,押収時の品名「パソコン」)は判示第2の2の犯罪行為をそれぞれ組成した物で,いずれも被告人以外の者に属しないから,刑法19条1項1号,2項本文を適用してこれらを没収することとする。
 なお,関係各証拠に照らせば,判示第1の各事実及び判示第2の各事実について,検察官が,被害者の氏名を訴因に記載すれば再被害のおそれがあるとして被害者を匿名にして公訴提起した点はその時点の判断として誤っておらず,かつ,氏名以外の方法による被害者の特定は十分なものであったといずれも認められるから,検察官の各公訴提起の手続に違法はない。また,証拠調べの結果によっても,判示第1の各事実及び判示第2の各事実の被害者の氏名は明らかとならなかった。
(量刑の理由)
平成29年9月5日
金沢地方裁判所
裁判長裁判官 田中聖浩 裁判官 千葉康一 裁判官 新谷真梨

児童淫行罪の罪となるべき事実中で,「もって児童に淫行をさせる行為をした」との法的評価を基礎付ける事実として,被告人とAがB高校の教頭と生徒という関係にあったこと,被告人がAから相談を受ける「など」していたこと,Aの年齢,ホテルで被告人を相手に性交させたことを摘示している(訴因も同様である。)。これらの事実からは,被告人が教頭という立場を利用し,相談に乗ってくれる被告人に信頼を寄せていたAに事実上の影響力を及ぼし,淫行をなすことを助長し促進する行為をした事実が推知できる。また,冒頭陳述や原判決の(事実認定の

 地裁管轄に移ってきてから正常化してるような気がする

広島高等裁判所平成29年9月5日第1部判決
       判   決
 上記の者に対する児童福祉法違反,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件について,平成29年4月13日広島地方裁判所が言い渡した判決に対し,被告人から控訴の申立てがあったので,当裁判所は,検察官西尾正出席の上審理し,次のとおり判決する。
       理   由
1 控訴の趣意
 本件控訴の趣意は,主任弁護人佐々木和宏及び弁護人我妻正規共同作成の控訴趣意書に記載されているとおりであるから,これを引用する。
 原判決は,定時制の県立高校(以下「B高校」という。)の教頭として,当時16歳の女子生徒(以下「A」という。)から相談を受けるなどしていた被告人が,平成28年(以下の日付は,特記しない限りいずれも同年のものを指す。)2月13日午前4時12分頃,ラブホテル「C」の客室で,ひそかに就寝中のAの胸部及び陰部等が露出した姿態を撮影・保存して児童ポルノを製造し(原判示第1),同月21日午前1時10分頃(入室)から同日午前10時19分頃(退室)までの間に,ラブホテル「D」の客室で,Aに被告人を相手に性交させて児童に淫行させる行為をするとともに,その間の午前7時14分頃,ひそかに就寝中のAの胸部が露出した姿態を撮影・保存して児童ポルノを製造した旨認定している(原判示第2,第3)。
 これに対し,論旨は,原判示第3の児童淫行罪(児童福祉法60条1項,34条1項6号)に関し,被告人が原判示の日時場所でAといた際,被告人とAが性交した旨のA供述は信用できないから,性交の事実を認めた原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があるというものと解される。
2 原判断の要旨
 原判決は,(事実認定の補足説明)の項で,論旨に関し,要旨,おおむね次のとおり説示している。 
(1)前提となる事実関係等
 Aは,B高校に在籍していたが,教室で授業に出席することなく,職員室で過ごしたり,校外に遊びに出たり,粗暴な言動に及んだりするなどの逸脱行動を繰り返しており,被告人を含めた教員がその指導に当たっていた。Aは,解離性障害に罹患し,精神的に不安定な状態にある中で,人間関係の悩み等について相談に乗ってくれた被告人に好意を示すようになった。Aは,平成27年12月10日未明にB高校に電話を掛けて自殺をほのめかした際に,対応した被告人から携帯電話の番号を教わって以降,深夜早朝を問わず繰り返し被告人に電話をかけるなどして被告人に対する依存を強め,長電話をしたり,被告人に車で迎えに来てもらって校外で会ったりするようになった。被告人は,Aと外食やカラオケに行き,化粧品,服,携帯音楽プレーヤーを買い与えるといったAの依存を助長する不健全な行動に及んだ。Aは,2月中旬頃,被告人に対し電話で,「子供が欲しい。今度はゴム着けんでね」などと言った。
 被告人とAは,本件の際(2月12日から翌13日まで,同月21日)に原判示の各ホテルに滞在した以外にも,1月10日から2月14日にかけて,4回にわたり,Dの客室に滞在した。また,1月30日未明から翌31日にかけて山口県内に出掛けた際には,ラブホテル及び被告人が予約したビジネスホテルの同じ部屋(ダブルベッド1台)に滞在した。これら本件を含めた合計8回の滞在(本件は6回目と8回目)のうち,3回目以降の滞在当時,Aは精神科に任意入院中であった。被告人は,5回目の滞在の際,Aの露出した乳房と指で左右に広げた状態の陰部の静止画を撮影した。6回目の滞在(原判示第1)の際,被告人は,客室備付の性玩具の自動販売機でローションを購入した。
 6回目の滞在時に撮影された原判示第1の静止画は,ほぼ全裸の状態のAが,両乳房及び陰部を露出させて寝ている姿を,膝の上から頭までが写るように撮影したもので,中央に陰部が位置している。8回目の滞在時に撮影された原判示第2の静止画は,ガウンの胸部が開かれて両乳房が露出した状態で寝ているAの上半身をほぼ正面から撮影したもので,中央やや左寄りに乳房が位置している。各静止画は,Aの露出した陰部や乳房が目立つように意図的に撮影したものであると認められる。
(2)性交の有無について
 被告人は,性交が行われることが通常予定されているラブホテルに,Aと約9時間滞在する最中に,自己の性欲を興奮させる意図をもって原判示第2の静止画を撮影しており,Aは,被告人の面前で着衣を脱いで両乳房を露出させることに抵抗がない状態にあったのであるから,滞在中に性交があったと推認するのが自然である。加えて,この8回目の滞在に至る経緯として,被告人が,自分に対して好意を示して依存を強めるAとの関係にのめり込み,恋人のように特別扱いして繰り返しラブホテルに行き,乳房や陰部の静止画を撮影し性玩具の自動販売機を利用するという,性欲の興奮に向けられた行動をとっていた事実があり,Aが被告人との性交経験を前提とした発言をしていたという事実もある。これらの事実を併せれば,被告人が性的に不能であったといった特段の事情のない限り,原判示第3の滞在の際に被告人とAとの間で性交があったと強く推認される。
 本件に至る経緯や被告人に対する当時の心情に関するAの供述を全面的に信用することはできないが,原判示第3の滞在の際に被告人と性交したという核心部分(証人尋問調書239,242項等)については,前記推認によって裏付けられており,信用することができる。
 これに対し,被告人は,何度もラブホテルに行っていたのはAと話をしたり仮眠をとったりするためであり,Aに対する性欲はなく,疲弊していたため,Aと性交したことは一度もないなどと供述するが,性欲を興奮させる意図で児童ポルノを製造していることと整合しない不自然極まりない内容であって,信用できない。Aとの性交を妨げる特段の事情も見当たらない。
3 検討
 以上の原判断には,被告人とAが滞在していたホテルの特定に関し,後記(1)のような問題点はあるものの,その他の部分に論理則,経験則等に照らして不合理な点は見当たらず,性交があったとする結論に誤りはない。
(1)所論は,前提事実の認定に関し,原判決(5頁(5))は,被告人とAが,2月13日午後9時39分から翌14日午前9時59分までの間,D×××号室に滞在したと認定しているが,被告人らは2月14日午前2時4分から同日午前4時47分までの間Cに滞在していたから,原判断は誤っていると主張する。
 確かに,原判決の滞在時刻認定の根拠となった甲9号証を見ると,D×××号室の客室利用伝票(41丁)と,同室滞在者の特定根拠であるノートの記載内容(42丁)が整合しておらず(同伝票には原判決の認定する日時が印字されているが,ノートには2月15日の欄の末尾午後11時20分から午前9時38分までの利用者の車両として被告人の車のナンバーが記載されている。),「業務が忙しくて車両番号をすぐに確認できなかったので,末尾に付け足すような感じで書き込んでいる」旨の同ホテル従業員の説明はこの齟齬を十分に説明できているとはいい難い。一方,甲18号証及び甲19号証(172,179丁)によれば,被告人とAが同伝票記載の時間帯と重なる時間帯にC×××号室に滞在していた可能性は否定できず(ただし,同室滞在者特定の根拠となった車両番号記載のファイルの宿泊日は2月13日とされている。),滞在したのはCであり,2月13日から翌14日にかけて一旦Dに入った後中抜けしてCに行き,またDに戻ったことはない旨の被告人の原審公判供述を排斥することはできない。したがって,この点に関する原判決の認定は不合理であるといわざるを得ないが,原判決が認定する日時頃に被告人とAがラブホテルに滞在した事実には変わりがないから,A供述の信用性判断を左右するような問題点ではなく,所論のいうような予断偏見の表れとみることもできない。
(2)所論は,被告人供述に依拠して,〔1〕被告人がAと繰り返しラブホテルに行っていたのは,落ち着いてAの話を聞くためであり,性的関係を持つことなく就寝していた,〔2〕原判示第2の静止画は,被告人がいたずら心から寝相の悪いAがガウンのはだけた状態で眠っている姿を撮影したにすぎない,〔3〕被告人が性玩具の自動販売機を利用したのは,ローションを見付けたAがこれは何かと執拗に尋ねてきたからであり,性交のためではないとして,これらは性交の事実を推認させるものではないと主張する。
 しかし,ラブホテルに行った経緯,ローション購入等に関する被告人供述は,Aが被告人に対して好意を抱き,依存を強めていたことを前提としても,Aが被告人に話を聞いてもらうためだけのためにラブホテルに行くことを望んだという点や,Aを教育すべき教頭の立場にある被告人が,話を聞くだけの目的でラブホテルという場を選び続け,使うつもりもないのに千円を支払って性行為に用いられるローションを購入したなどの点で,不自然・不合理であり,信用できない。被告人とAが通常性行為を目的として利用される場所であるラブホテル等に8回にわたり滞在していた事実は,本件を含む各滞在時に性交等の性行為があったことを推認させる事情であり,6回目の滞在時に被告人がローションを購入した事実は,その時点で既に被告人とAが性交にまで至り得る関係にあったことを示している。8回目の滞在時に撮影された原判示第2の静止画の両乳房の露出状態は,寝ている間に偶々はだけてしまったものとは考え難く,意図的に作出されたとみるのが自然である。被告人がそれ以前の5回目及び6回目の滞在時に撮影した静止画の内容からしても,被告人の性欲がAに向けられていたことは明らかであって,原判示第3の滞在中に性交があったとの推認を補強している。原判決の推認力判断が不合理とはいえない。
(3)所論は,2月中旬頃のAの被告人に対する電話での前記発言に関し,Aの証言によれば,実際の発言の趣旨は原判決の認定とは異なっており,被告人との性交体験がなくても言える内容で,Aが被告人の歓心を買うためにした作り話の可能性があるとして,性交の事実を推認することはできないと主張する。
 しかし,電話口でのAの発言を聞いた母親の証言(74項)に基づき発言内容を認定し,それが被告人との性交体験を前提とするとみた原判断に不合理な点はない。仮にA自身が証言(195項)するように「コンドームを着けんでやってほしい。子供が欲しい」という内容であったとしても,発言以前の性交体験を推認させるものであることに変わりなく,所論指摘のA証言も同事実を前提としている。このAの発言に,前記(2)の推認を併せれば,原判示第3の滞在の際に被告人と性交したというA供述の核心部分の信用性を補強するに十分である。
(4)その他所論に鑑み検討を加えても,原判決に事実誤認はなく,論旨は理由がない。
 なお,原判決は,原判示第3の児童淫行罪の罪となるべき事実中で,「もって児童に淫行をさせる行為をした」との法的評価を基礎付ける事実として,被告人とAがB高校の教頭と生徒という関係にあったこと,被告人がAから相談を受ける「など」していたこと,Aの年齢,ホテルで被告人を相手に性交させたことを摘示している(訴因も同様である。)。これらの事実からは,被告人が教頭という立場を利用し,相談に乗ってくれる被告人に信頼を寄せていたAに事実上の影響力を及ぼし,淫行をなすことを助長し促進する行為をした事実が推知できる。また,冒頭陳述や原判決の(事実認定の補足説明)の項における説示等も併せ考慮すれば,前記「など」には,被告人が,Aから相談を受けるという名目やAの家庭環境を熟知しているのに乗じて,精神的に不安定な状態にあったAをA方や入院先から自車で連れ出し,校外で外食したり,ラブホテルに行って性交したりすることを繰り返していたといった働きかけの経緯が含まれていると解される。そうすると,原判示第3の罪となるべき事実の記載は,児童淫行罪の構成要件該当事実の摘示として不十分であるとまではいえず,理由不備又は訴訟手続の法令違反はない。
4 結論
 よって,刑訴法396条により本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。
平成29年9月5日
広島高等裁判所第1部
裁判長裁判官 多和田隆史 裁判官 杉本正則 裁判官 内藤恵美

8/13準強制性交等罪容疑で逮捕→9/1処分保留釈放→9/29青少年条例違反で罰金30万円(熊本簡裁)

「抗拒不能に乗じて」が立証できませんでした。
 刑事弁護的には、被疑者国選弁護対象罪名で逮捕された方が、被疑者も必死になるし、弁護活動が早くで厚いので有利になります。青少年条例違反で逮捕されると被疑者国選弁護がないので初動が遅れます。
 最初から条例違反で起訴しているので「訴因変更」はありません。
 暴力的性犯罪と青少年条例の守備範囲は曖昧なので、控訴して、「強姦罪だから、青少年条例違反罪は成立しない」という主張をしたことがあります。控訴審でも強姦罪不成立を確認することができます。

わいせつ行為 男に略式命令 県条例違反に訴因変更=熊本
2017.10.27 読売新聞
 女子高生にわいせつな行為をしたなどとして準強制性交容疑で逮捕されたイベント企画会社経営の男性(30)について、熊本地検は26日、県少年保護育成条例違反(みだらな性行為等の禁止)に訴因変更し、熊本簡裁に略式起訴したことを明らかにした。9月29日付。
 地検は9月2日に処分保留で釈放し、任意で捜査を続けていた。地検は「捜査の結果、準強制性交罪には当たらないと判断した」としている。簡裁は今月6日、罰金30万円の略式命令を出した。

わいせつ事件 処分保留で釈放=熊本
2017.09.02 読売新聞
 酒を飲ませて女子高生にわいせつな行為をしたとして準強制性交容疑で逮捕されたイベント企画会社経営容疑者(30)について、熊本地検は1日、処分保留で釈放した。地検は「今後も任意で捜査を続ける」としている。

準強制性交容疑、企画業の男逮捕 女子高生に酒 熊本 【西部】=続報注意 2017.08.14 朝日新聞
 高校生に酒を飲ませて酔わせ、性行為をしたとして、熊本県警は13日、イベント企画業容疑者(30)を準強制性交等の疑いで逮捕し、発表した。
 県警によると、容疑者は13日午前2時ごろ、熊本市のビジネスホテルで、酔って抵抗できない状態の女子生徒(16)に性行為をした疑いがある。12日にあったイベントに女子生徒を誘い、終了後に「話がある」と居酒屋に呼び出し、酒を飲ませたという。

 生徒は気づいた時には自分が泊まるホテルの部屋に容疑者といて、部屋を出て助けを求めた。「最初から、そのつもりで飲ませたのではない。酔いつぶれたのでその気になった」と容疑を認めているという。
 <続報注意>
 熊本地検は2017年8月1日、さんを処分保留で釈放した。

強制わいせつ罪傾向犯説もH29.11.29までか?

 
判決日が公表されました。弁護人の都合を聞かずに決められたので、別件の期日を変更中です。 
 問題は、性的意図必要を前提としたわいせつの定義(いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう。(最判昭26・5・10刑集5-6-1026))が、不要説として、どう変わるかです。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017102701063&g=soc
強制わいせつ要件、来月判決=「性的意図」判例見直しか-最高裁
 強制わいせつ罪の成立に「性欲を満たす意図」が必要かどうかが争われた刑事裁判の上告審で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は27日までに、判決期日を11月29日に指定した。最高裁は1970年、成立には「性欲を刺激させたり、満足させたりする意図」が必要との判断を示したが、見直される可能性がある。

文春の記事は間違っていて、学説はS45判決までは性的意図必要説で、S45判決以後性的意図不要説になった感じです。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171027-00004690-bunshun-soci
司法担当記者が解説する。
「この問題について最高裁は約半世紀前に判例を示したきりで、刑法学者の間では社会の変化などに伴って判例を変更すべきだとの声が上がっていました。今回の裁判はこの法律問題が焦点となっていて、事件の内容にはあまりスポットが当たっていませんが、被告の犯行は実に卑劣なものでした」

 被告は甲府市に住む男(40)。2015年、13歳未満の女児にわいせつな行為をさせた上、全裸の姿をスマートフォンで撮影するなどし、知人の男に送信したとして起訴されている。このため、男は強制わいせつ罪以外に、児童ポルノ処罰法違反などにも問われている。ちなみに、強制わいせつ罪と強制性交等罪(今年6月の刑法改正で強姦罪から名称変更)との違いは、「姦淫」(性交)の有無。前者は性交を伴わないわいせつ行為に適用される。

「被害女児は、性的行為の意味すら分からない幼さでした。被告と非常に近しい関係だったため、言われるままに応じてしまったのです。今後、成長する中でトラウマになるかもしれません。可哀そうな事件です」(同前)

 そもそも「強制わいせつ罪の成立に性欲を満たす意図が必要」とした判例(1970年)の事件で、最高裁は「被告の目的は被害女性への報復で性的意図はなかった」として強制わいせつ罪の成立を否定していた。今回の事件では、被告は「知人から金を借りようとしたら、条件としてわいせつ画像を求められたので、(わいせつ行為や撮影などの)行為に及んだ。性欲を満たす意図はなかったので、判例に従えば、強制わいせつ罪は成立しない」と主張しているのだ。

 しかし最高裁は「金を借りる目的だったとしても、強制わいせつ罪が成立する」として判例を変更する見通しだ。

去年、サイト上「21歳」と数回買春行為して、今年連絡取れなくなったので、売春仲間に聞くと「実は16歳・補導された」と告げられ、弁護士に相談した上で警察に相談したら、「当時14歳」と判明して、被害児童が「行為前に16歳と告げた」と供述していて、のべ20時間くらい取調を受けたが、結局起訴猶予となった事例。  

 弁護人も のべ20時間警察署に居ました。
 青少年条例の過失処罰条項は適用されないと、意見書を出して、被疑者にも言わせた。

強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪を観念的競合とした裁判例60

 60個になりました
 同じ事件で、A検事は観念的競合、B検事は併合罪で起訴していて、判決もそのままになっている事件もありました。


名古屋地裁一宮H17.10.13
東京地裁H18.3.24
東京地裁H19.2.1
東京地裁H19.6.21
横浜地裁H19.8.3
長野地裁H19.10.30
7札幌地裁H19.11.7
東京地裁H19.12.3
高松地裁H19.12.10
10山口地裁H20.1.22
11福島地裁白河支部H20.10.15
12那覇地裁H20.10.27
13金沢地裁H20.12.12
14金沢地裁H21.1.20
15那覇地裁H21.1.28
16山口地裁H21.2.4
17佐賀地裁唐津支部H21.2.12
18仙台高裁H21.3.3
19那覇地裁沖縄支部H21.5.20
20千葉地裁H21.9.9
21札幌地裁H21.9.18
22名古屋高裁H22.3.4
23松山地裁H22.3.30
24さいたま地裁川越支部H22.5.31
25那覇地裁沖縄H22.5.13
26横浜地裁H22.7.30
27福岡地裁飯塚H22.8.5
28高松高裁H22.9.7
29高知地裁H22.9.14
30水戸地裁H22.10.6
31さいたま地裁越谷支部H22.11.24
32松山地裁大洲支部H22.11.26
33名古屋地裁H23.1.7
34広島地裁H23.1.19
35広島高裁H23.5.26
36高松地裁H23.7.11
37大阪高裁H23.12.21
38秋田地裁H23.12.26
39横浜地裁川崎支部H24.1.19
40福岡地裁H24.3.2
41横浜地裁H24.7.23
42福岡地裁H24.11.9
43松山地裁H25.3.6
44横浜地裁横須賀H25.4.30
45大阪高裁H25.6.21
46横浜地裁H25.6.27
47福島地裁いわき支部H26.1.15
48松山地裁H26.1.22
49福岡地裁H26.5.12
50神戸地裁尼崎H26.7.29
51神戸地裁尼崎H26.7.30
52横浜地裁H26.9.1
53津地裁H26.10.14
54名古屋地裁H27.2.3
55岡山地裁H27.2.16
56長野地裁飯田H27.6.19
57広島地裁福山H27.10.14
58千葉地裁松戸H28.1.13
59横浜地裁H28.7.20
60名古屋地裁岡﨑H28.12.20