児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

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児童買春被害の少女ら、初の調査 警察庁、授業サボらず補導歴なし

 「初めて分析した」ということは、法律上義務づけられている児童の保護とか調査研究をやってなかったということですね。
 それで主に遊興費目的で児童ポルノ・児童買春事件の前後も生活変わらないというのであれば、何を「被害」と理解すればいいんでしょうか。弁護士を通じて被害児童からの損害賠償請求というのも時々ありますが、被害が立証できないようです。

 別途、児童相談所等での救済については、厚生労働省の審議会に上がってくるようですが、こちらも具体例がありません。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_456129.html
社会保障審議会 (児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会)

 4年前の児童買春事件で「被害児童」に接触して、中高生時代に援助交際やってて、そのまま成人して売春してる人がいたけど、どこを実害と理解すべきなんかなあ。

第一四条(教育、啓発及び調査研究)
 国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの所持、提供等の行為が児童の心身の成長に重大な影響を与えるものであることに鑑み、これらの行為を未然に防止することができるよう、児童の権利に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとする。
2国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの所持、提供等の行為の防止に資する調査研究の推進に努めるものとする。


第三章 心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置
第一五条(心身に有害な影響を受けた児童の保護)
 厚生労働省法務省都道府県警察、児童相談所、福祉事務所その他の国、都道府県又は市町村の関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2前項の関係行政機関は、同項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。


第一六条(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
 国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。


第一六条の二(心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等)
 社会保障審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとする。
2社会保障審議会又は犯罪被害者等施策推進会議は、前項の検証及び評価の結果を勘案し、必要があると認めるときは、当該児童の保護に関する施策の在り方について、それぞれ厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べるものとする。
3厚生労働大臣又は関係行政機関は、前項の意見があった場合において必要があると認めるときは、当該児童の保護を図るために必要な施策を講ずるものとする。

児童買春被害の少女ら、初の調査 警察庁、授業サボらず補導歴なし
2018.12.11 共同通信 主要/社会 (全801字) 
 児童買春の相手となった18歳未満の少女らを対象にした実態調査で、中高生などの半数以上が授業をサボらずに学校に通っていたことが11日、警察庁のまとめで分かった。約7割は補導・非行歴がなく、親や教諭が気付きにくい実情が浮かび上がった。会員制交流サイト(SNS)で男らとやりとりしていたとみられ、警察庁は家庭や学校で安全なスマートフォンの使い方を指導するよう求めている。
 警察庁が、昨年1年間に警視庁と大阪府警、愛知県警が摘発した事件の被害者194人(男児1人を含む)の生活実態を初めて分析した。平均15・8歳で、最年少は12歳。1人で複数の事件に関わっていた少女もいたという。
 子どもの性被害防止セミナーが11日、東京都内で開かれ、担当者が調査結果を報告した。
 学校生活について「怠学なし(怠けず)」と答えたのは57・7%で、「時々怠学(時々怠ける)」の20・9%を大きく上回った。「ほとんど、または全く行っていない」は16・0%だった。70・6%は、非行歴と補導歴がいずれもなかった。いずれもあったのは7・2%。「家族と同居」は92・8%に上った。
 一方、事件に巻き込まれた主な理由は、「遊興費など」が84・5%と大半を占めた。「好奇心」(1・0%)、「友人の誘い」(0・5%)などのほか、「生活費」(5・7%)、「学費」(2・6%)と、深刻な家庭環境をうかがわせる回答もあった。
 警察庁によると、買春事件に巻き込まれないために、スマホを契約する前に親子で「知らない人に会わない」「変なことに使ってしまったら親に見せる」など、約束事を決めておくのが有効。悪質なサイトへの接続を制限するフィルタリング機能を設定するのも効果的としている。
 また、事件で摘発された容疑者のうち、50歳未満は9割以上だった。「被雇用者・勤め人」は7割を超えており、警察庁は事件の防止には社員教育など企業の協力も必要としている。

児童ポルノDVD購入で870人余を書類送検+うち20人以上は、児童にわいせつ行為をしている様子を映した動画がパソコンから見つかるなどし、強制わいせつ容疑などで逮捕されたという。

 アリスクラブのDVD。
 捜索前に破棄した人は送検されないので、送検870というのは、捜索受けて所持を現認された人数。
 捜索の件数は、3000~4000と思われ、結構高い確率で所持犯がヒットしている。
 押収物の解析で、オリジナル画像が見つかれば、製造罪とか強制わいせつ罪とか児童買春罪とかの端緒になる。児童ポルノ所持=児童性愛者みたいな印象づけになる。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181211/k10011742881000.html
児童ポルノDVD購入で870人余を書類送検
2018年12月11日 13時00分

国内最大級の児童ポルノ専門のDVD販売業者が摘発された事件で、この業者からDVDを購入した870人余りが書類送検されていたことが、警察当局への取材で分かりました。捜査の過程で、実際に子どもに性犯罪をしていた疑いが発覚し、逮捕された人もいて、警察当局は、児童ポルノが子どもを狙った性犯罪の温床になっているとして、取締りを強化する方針です。

インターネットを利用して児童のわいせつなDVDを販売していたとして、去年5月、国内最大級の児童ポルノ専門のDVD販売業者が警視庁などに摘発されました。

関係先からはおよそ7000人分の購入者リストが見つかり、全国の警察が捜査を進めた結果、業者からDVDを購入し、所持していたなどとして、870人余りが児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検されていたことが、警察当局への取材で分かりました。

このうちの少なくとも20人は、捜査の過程で、実際に子どもにわいせつな行為をして、その様子を撮影したり、子どもの裸を盗撮したりしていた画像が自宅のパソコンなどから見つかり、強制わいせつなどの疑いで逮捕されたということです。

中には、子どもと直接、接する職業の教員や保育士などもいたということです。

警察当局は、児童ポルノが子どもを狙った性犯罪の温床になっているとして、取締りを強化する方針です。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181211-00000078-jij-soci
同庁などによると、サイトは国内最大規模で、関係先からは延べ約7000人分の購入者リストが見つかった。このリストを基に全国の警察が捜査し、今月5日までに全都道府県で約870人が書類送検された。

 このうち20人以上は、児童にわいせつ行為をしている様子を映した動画がパソコンから見つかるなどし、強制わいせつ容疑などで逮捕されたという。 

 この統計のために、警視庁に泣きついて捜索を回避した人も、職業を確認されていた。
 医師・歯科医師は罰金でも医道審議会にかかるので実名でるかも

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181211-00000073-mai-soci&fbclid=IwAR3qrFGHOZHEsYoaoQLEiw9hN_rTvFoTLEXNQP1ef6Jz3d2JtRx5YXxJJhM

児童ポルノ所持で摘発 教師や医師、検事も 警察庁まとめ
12/11(火) 22:02配信 毎日新聞
 性的な好奇心を満たすために児童ポルノを所持したとして、全国の警察が昨年1月~今年6月末に児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で書類送検した男570人のうち、教師や保育士など「教育関係者」が27人(4.7%)、医師や療法士など「医療関係者」が15人(2.6%)含まれていたことが、警察庁のまとめで明らかになった。
 教師は18人で保育士や幼稚園職員、塾経営者、学童保育児童福祉施設の指導員が数人いた。医師は6人で看護師や療法士、技師が数人ずつ。警察庁幹部は「児童ポルノの所持は罰金刑となることが多く、免許取り消しに至らないケースもある」と指摘する。
 書類送検された570人を職業別にみると、職業が判明した中では会社員240人(42.1%)が最多。他には無職62人(10.8%)▽アルバイト・パート37人(6.5%)▽派遣社員22人(3.8%)――などだった。
 平均年齢は37.0歳で、全体の6割が22歳までに児童ポルノに興味を持っていた。きっかけはネットやDVD、アニメやゲームで児童ポルノを目にしたことが多かった。
 警視庁が昨年5月、児童ポルノ専門のDVD販売業者を摘発した事件では、約7000人の購入リストが見つかり、今年6月末までに476人が摘発された。この中には教育や医療関係者のほか、警察官や検事、裁判所職員も含まれていた。【内橋寿明】

被告人は、共犯者と共謀のうえ、交番前歩道上において、交番に勤務する警察官の面前で、覚せい剤に偽装した白色結晶粉末が入ったポリ袋をズボンのポケットから落として、これを拾って逃走することにより、警察官及び警察職員らに追跡、任意取調べなどの不要な業務に従事させるなどして本来の業務の遂行を困難にさせた偽計業務妨害被告事件につき、40万円の罰金に処した原判決を不服として、被告人が控訴した控訴審において、被告人の控訴が棄却された事例(金沢支部H30.10.30)

 内容は未掲載

判例ID】 28264867
【判示事項】 【事案概要】
 被告人は、共犯者と共謀のうえ、交番前歩道上において、交番に勤務する警察官の面前で、覚せい剤に偽装した白色結晶粉末が入ったポリ袋をズボンのポケットから落として、これを拾って逃走することにより、警察官及び警察職員らに追跡、任意取調べなどの不要な業務に従事させるなどして本来の業務の遂行を困難にさせた偽計業務妨害被告事件につき、40万円の罰金に処した原判決を不服として、被告人が控訴した控訴審において、被告人の控訴が棄却された事例。
【裁判年月日等】 平成30年10月30日/名古屋高等裁判所金沢支部/第2部/判決/平成30年(う)43号
【事件名】 偽計業務妨害被告事件
【裁判結果】 控訴棄却
【裁判官】 石川恭司 栗原保 武見敬太郎
【審級関連】 <第一審>平成30年5月21日/福井簡易裁判所/判決/平成29年(ろ)2号...等 判例ID:28262825
【出典】 D1-Law.com判例体系

小学生へのsextingを姿態をとらせて製造罪として検挙した事例

強制わいせつ罪(176条後段)で立件するのが流行です。
 果たして、わいせつに含まれるのかは、わいせつの定義もないのでなんとも言えません。
 わいせつではないという高検の答弁書もあります


sextingの強制わいせつ罪
東京地裁H18.3.24
松山地裁西条 H29.1.16
高松地裁丸亀 H29.5.2
高松地裁H28.6.2
札幌地裁H29.8.15
岡山地裁H29.7.25

高裁岡山支部h30.8.29
http://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2018/06/13/000000
(2) 訴訟手続の法令違反の主張(前記第1 . 3(2))について
確かに, この主張のとおり,原判示第4の事実のうち,前記(1)の②の撮影
行為はそれ自体強制わいせつ罪を構成すると解される。

https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1206/kob_181206_8624466811.html
短編動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を介して知り合った小学4年の男児に裸の画像を送らせたとして、兵庫県警少年課と宝塚署は6日、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、三重県津市の会社員の男(32)を逮捕した。

 逮捕容疑は9月4日、男児(10)に自分の裸を撮影させ、スマートフォンを使って画像3枚を送信させた疑い。同署によると「幼い男の子が好きで要求した」と容疑を認めているという。

 同署によると、ティックトックに投稿された男児の短編動画を男が見つけ、男児にメッセージを送ったという。男児の母親が同署に相談して発覚した。

京都府青少年の健全な育成に関する条例の自画撮り規制についての検察協議

京都府青少年の健全な育成に関する条例の自画撮り規制についての検察協議
 h29.6議会に提出する前に協議されていました。
 検事からも、安易に送ってしまうから事前規制は意味無いだろうという指摘があります。

青少年の健全な育成に関する条例
http://www.pref.kyoto.jp/seisho/documents/kaiseigojourei.pdf
(青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止)
第 21 条の2 何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成 11 年法律第 52 号)第2条第3項に規定する児童ポルノ及び同項各号のいずれかに掲げる姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録をいう。以下同じ。)の提供を求めてはならない。
(平 30 条例 25・追加)
(罰則)
第 31 条
3 次の各号のいずれかに該当する者は、30 万円以下の罰金に処する。
(3) 第 21 条の2の規定に違反して、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求めた者であつて、次のいずれかに該当するもの
ア 当該青少年に拒まれたにもかかわらず、当該提供を行うように求めた者
イ 当該青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は当該青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該提供を行うように求めた者

1日時平成30年3月2日(金) 9 : 30~10 :40
2場所京都地方検察庁
3 出席~
京都地検s検事、企画調査課m事務官
京都府警生活安全部少年課少年対策担当n課長補佐
生活安全部少年課少年事件特別捜査隊i隊長補佐
京都府府民生活部青少年課y副課長、k主査
府民生活部府民総務課me主査
4 内容
(1)条例改正の目的について
○s検事
児童ポルノ等の提供を求める行為が規制されていない」とのことであるが、相手方の求めに応じ、撮影した画像が児童の携帯電話等に保存された段階でも、児童ポルノ規制法違反の既遂行為に該当し、処罰した例はある。自画撮り画像が児童から送付され、相手方の携帯電話等に保存された状態は、起訴する価値が高くなり、公判請求しやすくなることは事実であるが、送付される前でも処罰した例はある。
○y
・今回の条例は、提供を求める行為そのものを規制しようとするものである。青少年にとって、大人から裸の画像を撮って送って欲しいといわれること自体、ショッキングであって、健全な成育に好ましくないと考えるからである。
(2)処罰対象について
○s検事
・提供を求めた時点で条例違反になるとしても、実際に把握されるのは、写真を送った後、脅されるなどして不安になり警察に相談したときではないか。
・今の児童は、「裸の写真を送って」と言われれば気軽に送っしまうし、言われなくてもネットにあげたりしているのが実情である。条例案は、欺き、威迫云々と対象が限定されているので、本条例適用で処罰されるのはごく少数ではないか。
○y
・把握が難しい点については先に開催した京都府青少年健全育成審議会でも指摘がされた事項。この点については、広報や教育、相談等の行政施策を講じたいと考えている。
・対象を限定したのは、ふざけて冗談で要求したりするような行為まで処罰対象とするのは適当でないと考えたからである。~ ‘

○i隊長補佐
・提供を求める行為が青少年にとってショッキングであって、その行為自体を規制対象としようとするのであれば、欺き、威迫といった限定は不要であると考える。
・ふざけて要求する行為についても、育成条例には、青少年に適用しない、という規定があるので、京都府の心配は無用である。
.逆に限定されることにより、条例の適用が難しくなり、処罰される可能性が少くなる。~
○s検事
・要件のうち、「困惑」とは何か。どのような場合であっても「困惑」すると思うので、要件としてはよくわからない。神戸地検兵庫県にこの点を指摘したという。
○y~
・送ってくれないと別れる、死ぬ、などというような場合を想定している。
.また、東京都は、拒まれたにもかかわらず求める、行為を処罰対象としている。兵庫県は県庁内検討において、困惑と同視できる、との判断でこの規定をおいていない。東京都によると、「困惑」は青少年の内面に働きかける方法を指し、「拒まれた」は状態を指していることから条文を分けている、とのこと。
○i隊長補佐
.そうなると、メールやLINE等で一回求めたことが明らかであるだけでは検挙できないことになり、悪いことを考える者は条例に触れない形で求めるようになると思う。
○s検事
・~京都地検内では、育成条例21条の淫行規制について財産供与や精神的未熟に乗じて、といった条件が付されていることの必要性を疑問視する声があがっている。~
本件協議においても同様の指摘がある可能性がある。
・とはいえ、逆に、何も条件が示されないとどのような態様の行為が処罰対象であるのか疑義が生じる可能性もあるし、議会を通過させる際に難しくなることから、まずは限定した規制から始めようとされることは理解できる。また、東京都、兵庫県といった先進例と外れることが難しいということも理解する。
(3)他府県からの要求行為について
○s検事
~ ・提供を求める行為を京都府からした場合、条例が適用されず、実効性が伴わないのではないか。
・条例が適用される、と考える場合多くの府県に自画撮り要求をした場合、京都府だけ処罰されること、自らが知らない条例が適用されることから不適当ではないか。
○y
・東京都、兵庫県とも県外からの要求行為であっても条例適用される、と解している。S61. 12. 2高松高裁判決をその根拠とされている。
(4) 日程
○y
・今後3月6日に府議会の常任委員会に条例改正の骨子を報告し、3月中にパブリックコメント実施。その後パブコメで出された意見も踏まえながら府庁内の法令審査委員会による審査等を経て4月中くらいを目途に条例案を固めていきたいと考えている。
○s検事~
京都地検も検事正が交代し、庁内体制が固まっていないため、まだ上司の意見は聞けていない。今後庁内調整を進めていく。意見が出されたらその都度連絡させていただく。
(5)その他
○s検事
・その他審議会で出された意見等があれば聞かせていただきたい。
○y
・自画撮り画像提供要求行為の規制は大人を対象としたものであって、青少年には適用されないが、青少年同士でもいじめで裸の写真を撮らせたりするので、適用するべき、との意見があった。
これに対しては、育成条例は青少年を保護し、健全な育成を図れる環境を作り出すことを目的としていることから、対象が大人になっており、青少年の矯正は条例の目的ではない。青少年の行為が強要等法に触れる場合は、家裁での審判を経て処分が用意されており、そちらで対処されるべきと考えている。

○s検事
・同意見

児童を脅迫してビデオ通話機能を用いて裸体を送信させた行為を、強制わいせつ罪とした事例(岡山地裁H29.7.25)

 
 わいせつ性を問われているのに、裁判所はわいせつの定義を示していません。控訴せず確定。

裁判年月日 平成29年 7月25日 
裁判所名 岡山地裁 
裁判区分 判決
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強制わいせつ,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件

文献番号 2017WLJPCA07256001


上記の者に対する児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強制わいせつ,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件について,当裁判所は,検察官武用訓充出席の上審理し,次のとおり判決する。
主文
理由
 (罪となるべき事実)
 被告人は,
第7 L関係
 スマートフォンのゲームアプリを通じて知り合ったL(当時●●●歳。以下「L」という)が13歳未満であることを知りながら,Lに強いてわいせつな行為をしようと考え,平成27年10月28日,被告人方において,Lに対し,被告人が使用するスマートフォン(平成29年岡地領第188号符号3,5)からLが使用するタブレット端末にアプリケーションソフト「LINE」を通じて,「B」を名乗る第三者を装い,「C」を名乗る被告人がLの個人情報をインターネット上で漏洩させている旨及び「無視するならしらないよ」「街中の人が付け狙い,家に押しかけたり,いたずら電話がかかってきて,引っ越しを繰り返さなければならなくなる」等のメッセージを送信し,さらに,「C」を名乗り,「今頃なんやねん」「こうかいしろ」「小学生ちゃうねんからごめんなさいで許すわけないやろ」「なら胸出して顔出して写メとれ」等のメッセージを送信して脅迫し,その反抗を著しく困難にした上,その乳房,陰部等を露出した姿態及びその陰部を指で開いた姿態をとり,タブレット端末でその姿態を撮影して被告人が使用するスマートフォンに送信するよう要求し,
  (1)同日午後8時9分頃から同日午後10時33分頃までの間に,21回にわたり,●●●内のL方において,Lに,衣服を脱いでその乳房,陰部等を露出した姿態及び全裸で陰部を指で開くなどした姿態をとらせ,Lが使用するタブレット端末付属のカメラでその姿態を撮影させ,別表6記載のとおり,9回にわたり,その画像データ合計21点をLが使用するタブレット端末から被告人が使用するスマートフォンに「LINE」を利用して送信させ,
  (2)同日午後10時36分頃から同日午後10時45分頃までの間に,被告人方において,被告人が使用するパーソナルコンピュータとLが使用するタブレット端末を「LINE」のビデオ通話機能により接続した状態で,ビデオ通話機能を使用し,同タブレット端末付属のカメラの前で衣服を脱いでその乳房,陰部等を露出した姿態及び全裸で陰部を指で開いた姿態をとるよう要求し,その頃,L方において,Lに,衣服を脱いでその乳房,陰部等を露出した姿態及び全裸で陰部を指で開くなどした姿態をとらせ,Lが使用するタブレット端末から被告人が使用するパーソナルコンピュータにビデオ通話機能を使用して動画配信させ,
 もって,13歳未満の女子に強いてわいせつな行為をし,

第8 M関係
 スマートフォンのゲームアプリを通じて知り合ったM(当時●●●歳。以下「M」という)が13歳未満であることを知りながら,Mに強いてわいせつな行為をしようと考え,平成28年2月9日頃から同月14日頃までの間に,被告人方において,Mに対し,被告人が使用するスマートフォン(平成29年岡地領第188号符号10,11)からMが使用する携帯型デジタル音楽プレーヤー「iPod」にアプリケーションソフト「LINE」を通じて,「N」を名乗る第三者を装い,「E」を名乗る被告人がMの個人情報を漏洩させている旨及び「天誅リストにさらされてるよ」「あいつ2ちゃんねるとかニコニコとかで情報収集するの」「情報収集したらスレッド立てて嫌がらせのイベントするよ」「ただストーカーのイベントされるよ」「知らない人が多勢学校や家とかに待ち伏せして写真撮る」「何時何分になにしたとか晒されるの」等のメッセージを送信し,さらに,「E」を名乗り,「お前なにうそついてんねん」「嘘つきだれがゆるすねん」「なら胸出して顔かくさんといて写メ撮ってみろ」等のメッセージを送信して脅迫し,その反抗を著しく困難にした上,その乳房,陰部等を露出した姿態及びその陰部を指で開いた姿態をとり,Mが使用する「iPod」でその姿態を撮影して被告人が使用するスマートフォンに送信するよう要求し,
  (1)同月9日頃から同月14日頃までの間に,38回にわたり,●●●内のM方において,Mに,衣服を脱いでその乳房,陰部等を露出した姿態及び全裸で陰部を指で開くなどした姿態をとらせ,Mが使用する「iPod」付属のカメラでその姿態を撮影させ,別表7記載のとおり,19回にわたり,その画像データ合計38点をMが使用する「iPod」から被告人が使用するスマートフォンに「LINE」を利用して送信させ,
  (2)同月14日,被告人方において,Mに,被告人が使用するパーソナルコンピュータとMが使用する「iPod」を「LINE」のビデオ通話機能により接続した状態で,ビデオ通話機能を使用し,「iPod」付属のカメラの前で衣服を脱いでその乳房,陰部等を露出した姿態及び全裸でその陰部を指で開くなどした姿態をとるよう要求し,同月15日午後8時13分頃から同日午後8時23分頃までの間に,2回にわたり,M方において,Mに,衣服を脱いでその乳房,陰部等を露出した姿態及び全裸で陰部を指で開くなどした姿態をとらせ,Mが使用する「iPod」から被告人が使用するパーソナルコンピュータにビデオ通話機能を使用して動画配信させ,
 もって,13歳未満の女子に強いてわいせつな行為をし,

第2 強制わいせつ罪の成否
 1 関係証拠によると,被告人は,インターネット上で知り合った11歳ないし14歳の被害女児に,第三者を装って天誅リストに載っているから被告人に謝った方がいいなどと言うとともに,謝ってきた被害女児にごめんなさいで許すわけがない,胸と顔を出した写メを送れなどと言って脅迫し,その反抗を著しく困難にした上,乳房,陰部等を露出した姿態及びその陰部を指で開いた姿態をとり,被告人のスマートフォンに送信するよう要求し,被害女児の自宅において,衣服を脱いで乳房,陰部等を露出した姿態及び全裸で陰部を指で開くなどした姿態をとらせ,被害女児のスマートフォン等付属のカメラでその姿態を撮影させ,その画像データや動画データを被告人が使用するスマートフォンに送信させるなどしたことが認められる。
 2 一般に,被害者を裸にして写真を撮影する行為は,被害者に直接触れていなくとも,わいせつ行為に当たると解されているところ,本件において,被害女児らは,被告人の要求に従い,衣服を脱いで乳房や陰部等を露出したり陰部を指で開いたりする姿態をとり,それをスマートフォン等で自ら撮影して被告人に送信しているのであって,被害女児は被告人と全く面識がないこと,被害女児が撮影して送信した写真や動画は容易に複製や頒布が可能な拡散可能性の高いデータであったことなども考慮すると,被害女児らの性的羞恥心は著しく害されているといえ,被害女児らの性的な自由の侵害という点からみて,撮影者が被告人であるか被害者であるかに質的な違いは見出し難い。
 確かに,女性が密室において一人で自らの陰部等を撮影する行為が,直ちにわいせつ行為といえるかには疑問もある。しかし,本件において,被害女児らは,被告人から衣服を脱いで乳房や陰部等を露出したり陰部を指で開いたりしている写真等を自ら撮影して被告人に送信するよう要求されて,その要求どおりに撮影しているのであって,被害女児らが自らの陰部等を撮影した行為は,被告人に送信することのみを目的として行われたものである。
 また,本件においてわいせつ行為に当たるか否かが問題となっているのは,被害女児らのいわゆる自撮り行為のみではなく,自撮り行為により撮影した写真や動画を被告人のスマートフォンに送信したことまでを含めた一連の行為であって,その一連の行為は被告人も予定していたものであり,被告人は自撮り行為が行われた状況をリアルタイムで認識していないとはいえ,自撮り行為により撮影された写真や動画を予定どおり自撮り行為後間もなく認識している。
 弁護人は,このような行為がわいせつ行為に当たるとすると,子どもが自発的に撮った写真を率先して送信したのでない限り,ほぼ全ての児童ポルノ製造行為が強制わいせつ行為となると指摘するが,強制わいせつ罪の成立には,被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行脅迫が立証される必要があることなどに照らすと,その指摘は当たらない。
 また,弁護人は,同様の事案において強要罪児童ポルノ製造罪の成立を認めた裁判例(東京高判平成28年2月19日判例タイムズ1432号134頁)の存在を指摘するが,強制わいせつ罪ではなく強要罪として起訴された事案における判断であり,本件とは事案が異なる。
 3 以上によると,本件においては,被害女児らが陰部等を自ら撮影して被告人に送信するなどした行為はわいせつ行為に当たるというべきであり,強制わいせつ罪が成立する。

男性・女性の被告人が「監禁。陰部に木刀を押し入れるなどし、12日間のけがを負わせた」という強制わいせつ致傷被告事件(徳島地裁)

 
 監禁と強制わいせつ罪は科刑上一罪という判例がある。
 これだと性器傷害が全部強制わいせつ致傷罪になるので、この行為類型で性的意図が必要がとかわいせつの定義を問う必要がある。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181204-03133655-tokushimav-l36
監禁わいせつ2被告 起訴内容認める 徳島地裁で初公判
12/4(火) 10:06配信 徳島新聞
 女性を監禁し、わいせつ行為をしたなどとして、監禁致傷や強制わいせつ致傷などの罪に問われている徳島市の無職女(26)と、夫で解体業の男(34)両被告の裁判員裁判の初公判が3日、徳島地裁であった。両被告は起訴内容を大筋で認めた。

 検察側は冒頭陳述で「金に困っていた2人は、出会い系サイトで知り合った被害者から金を巻き上げようと計画。風俗店で働かせて給料を奪うことも話し合い、監禁のための手錠なども購入していた」と指摘。「わいせつ行為で体を傷付けた上、風俗店に連れて行き、接客をさせた」と非難した。

 起訴状によると、両被告は今年1月、女性を3日間自宅に監禁。陰部に木刀を押し入れるなどし、12日間のけがを負わせた。また、知人の男女2人と共謀して風俗店で女性を働かせ、給料などを脅し取ったとしている。

 事件では、性犯罪の厳罰化による判例変更を受け、性的意図のないわいせつ行為に対し強制わいせつ致傷罪が県内で初適用された。両被告は主犯格とされる。

弁護⼠法⼈・響の代表弁護⼠、⻄川研⼀⽒曰く「求刑通りの懲役は重い。」

 執行猶予が付く場合の刑期は、たいてい検察官求刑の刑期ですから、求刑通りだから重いということはありません。
 「求刑懲役2年、宣告刑懲役2年執行猶予5年」という場合に重いと感じさせるのは執行猶予期間が普通は3年程度なのに、法律上最長の「5年」になっている点です。

原田國男「量刑判断の実際〔第3版〕(立花書房・平成11年)」 P47
3 執行猶予の場合の刑期
(1) 次に,執行猶予を選択した場合に,刑期をどのように定めるのかを検討する。実務の大勢は,執行猶予の場合には,刑期は原則として求刑どおりとしているように思われる。ただし求刑自体が懲役3年を超える場合や再度の執行猶予を付する事案で求刑が1年を超える場合は,論外である。ここでは,求刑自体が懲役3年以下の主として単独事件の場合を想定している。これに対して,執行猶予を付するかどうかの問題と刑期の長短とは別の事柄であり,刑期は責任に応じて定め,執行猶予は主に予防の観点から決すべきであるから,まず,刑期を定めてから執行猶予とすべき情状があるか否かを検討すべきであって,実刑とすべき場合と執行猶予とすべき場合とで,刑期が異なることは許されないという考え方もあり得る。しかし,実務では,前述のように,刑期と執行猶予の許否を一体として量刑判断をしているものと思われる。これは,両者で厳密に情状を区別することが困難であること,執行猶予の刑期は,それが取り消されたときに服役しなければならない刑の期間を示して,善行保持のための心理的強制の効果をねらったものといえることなどを理由とする。したがって,執行猶予とするときの刑期が実刑とするときのそれよりも長期になることは,不合理ではない。そして,その刑期を求刑と同ーとするのが実務の大勢なのである。ただいこれは,あくまで原則的な取扱いであり,求刑よりも刑期を短く定めて執行猶予とすることもある
注46 古川・前注36 254頁,松本・刑の量定151頁。
注47 藤本・前注37 200頁。

松本時夫「刑の量定・求刑・情状立証」現代刑罰法体系6
筆者もかつて若干の実例について調査してみたことがあったが、その結果によっても、実刑の場合は求刑より一段階ないし二段階低い刑が言い渡された例が全体の九三パーセント近くに達し、一方、執行猶予が付された場合には求刑どおりが七七ハーセント、一段階低い刑までで九○パーセントを越えている(注14)。一般的にいって、まず、検察官が死刑を求刑しないときは、いかに残虐な事件においても、裁判所が死刑を言い渡すことはありえない。懲役刑の場合、求刑よりも重い刑を言い渡すのは極めて異例のことであり、右の調査結果にもみられるとおり実刑であれば求刑よりも一段階ないし二段階低い刑、執行猶予であれば刑期は求刑どおりというのが全体の傾向といってよいであろう。裁判所の量刑態度に対する一つの悪口として「求刑二割引」という言葉があるくらいである。
このように求刑と宣告刑との間に相関関係があるということは、量刑の具体的基準が確立し、裁判所の言い渡す刑及び検察官の求刑いずれもこれに基づいているということをまさに示すものである。
(14)前田俊郎「求刑刑期による量刑刑期の推定」植松正博士還暦祝賀・刑法と科学・心理学・医学編(有斐閣昭四五)六二九頁以下においては、詐欺犯についての実態調査結果に基づき、「検察官の求刑刑期(月で表わす必要がある)に○・七一五を掛けたものに一・○五月を加えると量刑刑期が算定される」(六三五頁)という「求刑刑期を説明変数とする量刑刑期の回帰方程式」を導き出しておられる。

前田俊郎「求刑刑期による量刑刑期の推定」
一求刑刑期と量刑刑期の関係
二求刑刑期を説明変数とする量刑刑期の回帰方程式
三使用例
四誤差の検討
五量刑刑期が求刑刑期の二分の一を下廻った場合の検事控訴
むすび
一 求刑刑期と量刑刑期の関係
かつて詐欺犯執行猶予予測表を作成した際に、実態調査を行なった有罪詐欺犯被告人の執行猶予・実刑別量刑刑期.求刑刑期の一致状況を表示すると第1表の通りである。第1表によれば、刑の執行を猶予された詐欺犯被告人の量刑刑期は求刑刑期と一致する公算が大であり、逆に実刑を言い渡された詐欺犯被告人の量刑刑期は求刑刑期と一致しない傾向が強い。換言すれば、執行猶予になる場合の詐欺犯被告人の量刑刑期は検察官の求刑刑期付近に落ちつくものと推定しても大過はあるまい。このことは、執行猶予判決の場合、被告は刑務所に収容されないのだから、検察官の主張する求刑刑期をほとんど認めることによって当事者を納得させようとする司法行動法則の存在を物語っているようである。両当事者を説得する巧みな解決とも言えようが、執行猶予が取り消されて被告が刑務所に収容される場合を考えると(実刑判決の量刑刑期は求刑刑期の二割引ないしは三割引が相場といわれるだけに)、過重の感を免れ難い。それはともかく、執行猶予の場合は量刑刑期が求刑刑期付近に落ちつく公算が強いから”執行猶予予測表″などによって執行猶予・実刑を判別し、執行猶予と判定し得る場合は求刑刑期を一応量刑刑期と考えてさしつかえないだろう。


 「執⾏猶予期間中、禁錮刑以上の罪を犯すと執⾏猶予が取り消され、実刑となる。」という点についても、執行猶予取消の要件はいろいろあって、罰金刑でも取消になることがあります。

第二六条(刑の全部の執行猶予の必要的取消し)
 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
一 猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
二 猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。

第二六条の二(刑の全部の執行猶予の裁量的取消し)
 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
一 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
二 第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部の執行を猶予されたことが発覚したとき。

https://www.sanspo.com/smp/geino/news/20181201/sca18120105030002-s.html

吉澤被告、事件後も断酒せず…弁護⼠が忠告「やめられた⽅が賢明」
2018.12.1 05:03
酒気帯び運転でひき逃げをしたとして、⾃動⾞運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪に問われた元モーニング娘。被告(33)の判決公判が30⽇、東京地裁で開かれ、懲役2年、執⾏猶予5年(求刑懲役2年)の有罪判決が⾔い渡された。
量刑について、弁護⼠法⼈・響の代表弁護⼠、⻄川研⼀⽒(48)は「求刑通りの懲役は重い。5年の執⾏猶予期間はしっかり反省を促すためだと思うが、⼀歩間違ったら実刑になっていたのでは」と“ギリギリ”だったとの⾒解を⽰した。執⾏猶予期間中、禁錮刑以上の罪を犯すと執⾏猶予が取り消され、実刑となる。被告が現在も飲酒を続けていることについては「お酒を飲むと規範意識が鈍化するので、粗暴な⼈には『酔っ払ってケンカしては駄⽬だよ』とよく⾔っている」とした上で、「お酒との関係をコントロールできないのであれば、やめられた⽅が賢明だと思う」と忠告した。

この事務所、強姦致傷罪についてこんな解説がありました。起訴猶予でしたよね

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160824-00000005-dal-ent
容疑者に対する量刑について、弁護士法人・響の徳原聖雨弁護士は、デイリースポーツの取材に対し「懲役7年程度の実刑判決になる」との見解を示した。
 徳原弁護士によると、容疑者の罪状は、刑の範囲として死刑および無期懲役・禁固が定められている「強姦致傷罪」であるため、裁判員裁判で裁かれることになる。その上で「初犯であること、既遂であること、被害者の負傷程度が軽いことなどからすると、検察側の求刑は懲役10年前後、判決は懲役7年程度の実刑になると推測されます」と話した。被害者が負傷しておらず「強姦罪」であった場合は、懲役3年程度の量刑が予想されたという。
 計画的な犯行を否定していることに関しては「弁護人は情状の要件として主張するかもしれませんが、基本的に量刑にあまり影響は与えないと思います」と解説。「性犯罪に対しては裁判員の目も厳しくなる。当然、芸能界復帰は難しいでしょうし、お母さまの活動にも影響が及ぶのでは」とした。
・・
刑法第一八一条(強制わいせつ等致死傷)
2第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。

児童ポルノを販売していた児童を補導せず、買い主を自己の性的好奇心を満たす目的所持罪で検挙した事例(京都府)

 

 国法を形式的に適用すると、児童も6項提供罪や7項製造罪になって結構重い罪で、犯罪少年・触法少年となるところですが、児童は補導されていないようです。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第七条(児童ポルノ所持、提供等)
6児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
7前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

 青少年条例の自画撮り規制規定では、児童は被害者であって、児童ポルノ罪の主体にならないという趣旨なので、その趣旨を生かして、児童を犯罪者として扱わなかったものと思われます。
 買主は条例31条3項3号イ「当該青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該提供を行うように求めた者」にも該当しますが、現実に提供されてしまった場合にも成立するのかは不明です。

http://www.pref.kyoto.jp/seisho/documents/kaiseigojourei.pdf
(青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止)
第 21 条の2 何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成 11 年法律第 52 号)第2条第3項に規定する児童ポルノ及び同項各号のいずれかに掲げる姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録をいう。以下同じ。)の提供を求めてはならない。
(平 30 条例 25・追加)
(罰則)
第 31 条
3 次の各号のいずれかに該当する者は、30 万円以下の罰金に処する。
(3) 第 21 条の2の規定に違反して、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求めた者であつて、次のいずれかに該当するもの
ア 当該青少年に拒まれたにもかかわらず、当該提供を行うように求めた者
イ 当該青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は当該青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該提供を行うように求めた者

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181128-00000070-kyt-l26
中2女子裸自撮り画像フリマアプリで購入 容疑の男ら書類送検
11/28(水) 19:24配信 京都新聞
 女子中学生から裸の自画撮り画像を購入したとして、京都府警少年課と向日町署は28日、児童買春・ポルノ禁止法違反(自己性的目的所持)の疑いで、大阪府和泉市の会社員ら24~50歳の男5人を書類送検した。
 書類送検容疑は、3月19日~26日、ツイッターを通じて知り合った京都府内の中学2年の女子生徒(13)から、自画撮りした裸の画像や動画データをそれぞれ千~5千円で購入し自宅パソコンなどに保存した疑い。
 府警によると、女子生徒がツイッター上で「画像売ります」と持ちかけ、スマートフォンのフリマアプリ「ラクマ」の決済機能を使って代金のやりとりをしていたという。

13歳という点については、「十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年」「自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。」に該当して、「都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。」
「警察官は、客観的な事情から合理的に判断して、第三条第一項第二号に掲げる少年であると疑うに足りる相当の理由のある者を発見した場合において、必要があるときは、事件について調査をすることができる。」とされています

少年法
第三条(審判に付すべき少年)
1 次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
一 罪を犯した少年
二 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
三 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

2家庭裁判所は、前項第二号に掲げる少年及び同項第三号に掲げる少年で十四歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。
第六条の二(警察官等の調査)
1 警察官は、客観的な事情から合理的に判断して、第三条第一項第二号に掲げる少年であると疑うに足りる相当の理由のある者を発見した場合において、必要があるときは、事件について調査をすることができる。
2前項の調査は、少年の情操の保護に配慮しつつ、事案の真相を明らかにし、もつて少年の健全な育成のための措置に資することを目的として行うものとする。
3警察官は、国家公安委員会規則の定めるところにより、少年の心理その他の特性に関する専門的知識を有する警察職員(警察官を除く。)に調査(第六条の五第一項の処分を除く。)をさせることができる。

数回の(強制わいせつ罪+児童淫行罪)を科刑上一罪とした事例(北陸の高裁支部)

 児童淫行罪を起訴しなければ処断刑期は15年。
 
 児童淫行罪と強制わいせつ罪が観念的競合、児童淫行罪は包括一罪なので、串刺しになって科刑上一罪になるという判例です。かすがい現象
 1審が一部行為否認で、控訴審弁護人も気付かず、量刑不当だけで控訴されましたが、高裁が職権で罪数処理を訂正しています。

罪となるべき事実
児童A 父親的立場利用して 児童であることを知りながら、強いてわいせつ行為しようと企て
第1 平成30年11月29日、被告人方 性交類似行為させ、 もって、強いてわいせつ行為するとともに 児童に淫行させる行為をした
第2 平成30年8月29日、被告人方 性交類似行為させ、 もって、強いてわいせつ行為するとともに 児童に淫行させる行為をした

内妻の娘に対する監護者性交で求刑6年判決5年(長崎地裁H30.5.16)

 1回性のようです。

裁判年月日  平成30年 5月16日  裁判所名  長崎地裁  裁判区分  判決
事件名  監護者性交等被告事件
文献番号  2018WLJPCA05166004
出典
エストロー・ジャパン
主文
 被告人を懲役5年に処する。
 未決勾留日数中70日をその刑に算入する。
理由
 (犯罪事実)
 被告人は,平成29年8月当時,内縁の妻Aの娘であるB(当時16歳)と同居してその寝食の世話をし,その指導・監督をするなどして,同人を現に監護していた者であるが,Bが18歳未満の者であることを知りながら,同人と性交をしようと考え,平成29年8月25日から同月26日までの間に,福岡市〈以下省略〉において,Bを現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて同人と性交をした。
 (証拠の標目)(各証拠書類等に付記した番号は,検察官請求の証拠番号である。)
 (法令の適用)
 罰条
 被告人の判示行為は,刑法179条2項,177条前段に該当する。
 宣告刑の決定
 所定刑期の範囲内で,被告人を懲役5年に処する。
 未決勾留日数の算入
 刑法21条を適用して未決勾留日数中70日をその刑に算入する。
 訴訟費用の処理
 訴訟費用は,刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に負担させない。
 (量刑の理由)
 犯行態様は,被告人がAやBらとホテルに宿泊した際,隣のベッドにAらが寝ているにもかかわらず,同じベッドに寝ていたBと性交するというものであり,大胆かつ悪質である。しかも,被告人は避妊措置をとっておらず,その点でも非難は免れない。Bは,すぐ近くに実母であるAらが寝ている中で性交をするという異常な状況に置かれており,本件犯行により受けた精神的苦痛は非常に大きく,また,肉体的苦痛も軽視できない。犯行の動機も,自身の性欲を解消するとともに,Bの実母であるAらが横で寝ている状態でBと性行為に及ぶスリルを感じるためという身勝手極まりないもので,特に酌むべき事情はない。
 以上によれば,被告人の刑事責任は重く,酌量減軽を行うべき事情は見当たらないが,他方で,想定される監護者性交等の犯行態様の中で,本件をことさらに重く処罰すべき事情も存在しない。
 そして,被告人が公判廷において事実を認め,反省の弁を述べていること,Bとその家族に二度とかかわらない旨誓約していること,被告人に前科がないこと等の被告人に有利な事情が認められるので,それらの事情も考慮し,主文のとおりの刑に処するのが相当と判断した。
 (検察官大西杏理,国選弁護人中田昌夫各出席)
 (求刑―懲役6年)
 平成30年5月17日
 長崎地方裁判所刑事部
 (裁判長裁判官 小松本卓 裁判官 堀田佐紀 裁判官 佐野東吾)

「うその被害を宗像署に申告。同署や福岡県警の捜査員延べ648人を10日間にわたり捜査に当たらせて、警察官らの本来の業務を妨害した」という偽計業務妨害事件で罰金50万円(宗像簡裁h30.11.7)


 偽計公務妨害罪はないので、徒労の業務に従事させたのではなく「本来の業務を妨害した」という起訴状になっていますが、それは軽犯罪法に罰則があります。

軽犯罪法
第一条[軽犯罪]
 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
十六 虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者
三十一 他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者

集団強姦虚偽 女に罰金 宗像区検が簡裁に略式起訴
2018.11.20 西日本新聞
 福岡県宗像市で6月、複数の男から強姦(ごうかん)されたなどとうその通報をして警察の業務を妨害したとして、宗像区検は19日、偽計業務妨害罪で、元銀行員の20代の女=同市=を宗像簡裁に略式起訴したと発表した。簡裁は罰金50万円の略式命令を出した。命令は7日付。

 福岡県警は8月、女に協力したとして、女とともに20代と40代の男2人も同容疑で書類送検したが、福岡地検は「諸事情を考慮した」として、2人を不起訴処分にした。処分は10月31日付。

 起訴状などによると、6月11日夜、宗像市内で、インターネットを通じて知り合った男らに車での連れ去りを依頼して性交させ、翌12日、「知らない男に無理やり車で連れ去られた。粘着テープで縛られて複数人からレイプされた」とうその被害を宗像署に申告。同署や福岡県警の捜査員延べ648人を10日間にわたり捜査に当たらせて、警察官らの本来の業務を妨害したとされる。
 女は県警の任意の調べに対して「仕事に行きたくなかった」と話し、男2人は「女から頼まれた」と説明していた。

 (押川知美)

西日本新聞社
・・・・
「集団強姦」でっちあげ 「仕事行きたくなくて」ネットで依頼 虚偽通報容疑の女ら書類送検
2018年08月21日06時00分 (更新 08月21日 09時05分)

 福岡県宗像市で6月、男2人から性的暴行の被害に遭ったなどとうその通報をして警察の業務を妨害したとして、福岡県警が今月、偽計業務妨害の疑いで、県内の男女3人を福岡地検書類送検していたことが捜査関係者への取材で20日、分かった。

 書類送検されたのは、いずれも県内在住で、銀行員の20代の女と、女に協力した20代の男ら2人。書類送検容疑は6月中旬、共謀して、うその性犯罪事件をでっち上げ、警察官の業務を妨害した疑い。

 捜査関係者によると、女がインターネットを通じて知り合った男2人に「連れ去ってレイプしてほしい」などと依頼。2人は実際に、宗像市内で帰宅中の女を車で連れ去り、わいせつな行為をしたという。女が家族に「集団強姦(ごうかん)の被害に遭った」と相談し、両親が県警に通報した。

 県警は防犯カメラの映像などから男2人を特定。事情を聴いたところ、「女から頼まれた」と話し、女と連絡を取り合って計画していたことなどから虚偽の事件と判断した。女は動機について「仕事に行きたくなかった。彼氏の気も引きたかった」と話したという。

   ◇    ◇

捜査に延べ70人投入

 “事件”の一報を受け、県警は延べ70人以上の捜査員を投入した。浜松市の女性看護師(29)が車ごと拉致され、6月上旬に静岡県の山中で遺体が見つかった事件の発生直後で、捜査幹部は「手口に共通点もあり、大きく構えた。性犯罪は被害者の心情に配慮して細かく聞けない場合もあり、初動が肝心だ」と話す。

 うその通報で摘発されたケースは過去にもある。福岡県内では昨年11月、警察に虚偽の通報をして駆け付けたパトカーから走って逃げ回る「パト戦」という行為を繰り返したとして、15~17歳の少年約10人が軽犯罪法違反(虚偽申告)などの疑いで書類送検された。

 一方で、目撃者からの通報は、火災や事件事故を早く察知する重要な手段だ。警察庁は「善意の通報なら、結果的に違っても罪に問われることは基本的にはない」と呼び掛ける。

 今回、書類送検に踏み切ったことについて県警幹部は「虚偽の通報に対応している間に、別の重大事件が起きる可能性もある。うその代償は大きい」と指摘した。

=2018/08/21付 西日本新聞朝刊=

「本判決において、性的意図という行為意思は、超過的内心傾向であることは否定されたが、「わいせつな行為」という実行行為の判断において一定の役割を果たすことは肯定されており、それが、一定の場合における単なる判断要素か、あるいは、実行行為判断における不可欠な要件なのかという違いに過ぎず、本書は、後者の立場を採用するものである(その限度で、改説する)。」  高橋則夫刑法各論[第3版]

 大法廷判決が出ると改説する学者が出てきた。

(2)わいせつな行為
「わいせつな行為」とは、本罪の保護法益を性的自由と解する以上、被害者の性的自由を侵害するに足りる行為をいうことになろう7.前述のように、性的感情それ自体は保護法益に含まれないことから、性的に未熟な幼児に対しても本罪は成立する。もっとも、判例は性的蓋恥心の存否を間題にしている。たとえば、新潟地判昭和63.8.26判時1299号152頁は、7歳の女児の乳部を撫でまわし、さらにスカートの中に手を差し入れて、パンツの上から臂部を撫でた事案につき、「性的に未熟で乳房も未発達であって男児のそれと異なるところはないとはいえ、同児は、女性としての自己を意識しており、被告人から乳部や臂部を触られて蓋恥心と嫌悪感を抱」いているとして、本罪の成立を認めた。
・・・
その他、判例において「わいせつな行為」とされた事例として、たとえば、被害者の体に直接触れない場合として、婦女を無理矢理裸にして写真撮影をする行為(東京地判昭和62.9. 16判タ670号254頁:女性下着販売業の従業員として稼動させるという目的のために、婦女の全裸写真を強制的に撮影しようとした事案)、男女に性交を強要する行為(釧路地北見支判昭和53. 10.6判タ374号162頁:内縁関係にある男女を脅迫して裸体にさせ性交の姿態および動作をとらせた事案)などがある。

・・・
しかし、最大判平成29. 11 .29刑集71巻9号467頁は、「行為者の性的意図を同罪の成立要件とする昭和45年判例の解釈は、……もはや維持しがたい。」として、判例変更を行った。
本判決は、甲が、インターネットを通じて知り合ったAから金を借りようとしたところ、金を貸すための条件として被害女児とわいせつな行為をしてこれを撮影し、その画像データを送信するように要求されたので、被害者(当時7歳)が13歳未満の女子であることを知りながら、被害者X女に対し、甲の陰部を触らせたり、口にくわえさせたり、X女の陰部を触ったりする等のわいせつな行為をした事案につき、性的意図を要件とする法律上の根拠がないこと、性的意図の有無で強要罪と強制わいせつ罪の法定刑の違いを説明できないこと、強制性交等罪には主観的事情を要しないことの整合性がないこと、ドイツやわが国の刑法改正から社会の意識の変化や被害の実態に対する社会の受け止め方が変化したことなどを踏まえて、性的意図を成立要件とする解釈を否定しつつ、他方で、次のように判示した。
すなわち、「もっとも、刑法176条にいうわいせつな行為と評価されるべき行為の中には、強姦罪に連なる行為のように、行為そのものが持つ性的性質が明確で、当該行為が行われた際の具体的状況等如何にかかわらず当然に性的な意味があると認められるため、直ちにわいせつな行為と評価できる行為がある一方、行為そのものが持つ性的性質が不明確で、当該行為が行われた際の具体的状況等をも考慮に入れなければ当該行為に性的な意味があるかどうかが評価し難いような行為もある。その上、同条の法定刑の重さに照らすと、性的な意味を帯びているとみられる行為の全てが同条にいうわいせつな行為として処罰に値すると評価すべきものではない。そして、いかなる行為に性的な意味があり、同条による処罰に値する行為とみるべきかは、規範的評価として、その時代の性的な被害に係る犯罪に対する社会の一般的な受け止め方を考慮しつつ客観的に判断されるべき事柄であると考えられる。[改行]そうすると、刑法176条にいうわいせつな行為に当たるか否かの判断を行うためには、行為そのものが持つ性的性質の有無及び程度を十分に踏まえた上で、事案によっては、当該行為が行われた際の具体的状況等の諸般の事情をも総合考慮し、社会通念に照らし、その行為に性的な意味があるといえるか否かや、その性的な意味合いの強さを個別事案に応じた具体的事実関係に基づいて判断せざるを得ないことになる。したがって、そのような個別具体的な事情の一つとして、行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合があり得ることは否定し難い。しかし、そのような場合があるとしても、故意以外の行為者の性的意図を一律に強制わいせつ罪の成立要件とすることは相当でなく、昭和45年判例の解釈は変更されるべきである。[改行]そこで、本件についてみると、. .…・当該行為そのものが持つ性的性質が明確な行為であるから、その他の事情を考慮するまでもなく、性的な意味の強い行為として、客観的にわいせつな行為であることが明らかであり、強制わいせつ罪の成立を認めた第1審判決を是認した原判決の結論は相当である。
」と。
要するに、本判決は、性的意図を強制わいせつ罪の故意とは別個の主観的要件とすることを否定しただけで、「わいせつな行為」(実行行為)を判断する際の考盧要素であることを否定したわけではない。
本判決の判断構造は、3段階構造(A・B.C)になっている。
すなわち、A=行為に性的性質があるか否か(有無の問題)→B=行為に性的意味があるか否か(a=性的性質が明確な場合→性的な意味あり、b=性的性質が不明確な場合→具体的状況等を考慮して判断(性的意図も一つの判断資料)) (程度の問題)→C=行為に可罰的違法性があるか否か、という判断構造である。
これによれば、たとえば、女性が嘔吐する姿に性的興奮を覚える者が、女性の口に指を入れて嘔吐させる行為(青森地判平成18.3.l6LEX/DB28115159は暴行罪とした)については、Aがないとして不成立か、Bbとして性的意図があるので成立かが問題となろう。
学説の状況として、古くから、性的意図必要説と性的意図不要説が対立してきた。
以前は、強制わいせつ罪が傾向犯(あるいは目的犯)であることを根拠に必要説が通説であったが、本罪の保護法益は、公然わいせつ罪やわいせつ物頒布罪とは異なり、個人の性的自由であることから、被害者の性的自由を侵害し、そのことの認識があれば、強制わいせつ罪は成立するという不要説が通説となってきた'6.従来は、故意とは別個に性的意図が必要か否かという問題、すなわち、強制わいせつ罪は傾向犯(あるいは目的犯)であるか否かという、主観的違法要素をめぐる行為無価値論と結果無価値論の論争の一場面という基本問題が争われたのである。
しかし、近時は、強制わいせつ罪の構成要件の解釈および保護法益論の帰結として、性的意図という故意とは別個の主観的要素が必要か否かという論争に移行し、「わいせつな行為」は客観的に判断されるべきであるという根拠から、不要説が通説化してきた。
ここでは、「わいせつ」概念の定義(徒らに性慾を興奮又は刺激せしめ且つ普通人の正常な性的差恥心を害し善良な性的道義観念に反する)を前提に、これを行為者の性的意図として主観的構成要件要素に位置づけるか、「わいせつな行為」それ自体の性格づけとして客観的構成要件要素に位置づけるかという論争に変わったように思われる。
本書は、従来、強制わいせつ罪を傾向犯と位置づけ、性的意図を故意とは別個の主観的要件と位置づけていたが、この考え方は本判決によって完全に否定された。
しかし、本判決は、傾向犯「性」を依然として認めているように思われる。
すなわち、客観的要件自体の中に、その傾向が実現されるものであるということを完全には排除していないのである。
本書によれば、行為意思と実行行為・故意との関係が問題となり、行為意思が、実行行為を基礎づける場合と、故意の内容を基礎づける場合とがあり、本判決において、性的意図という行為意思は、超過的内心傾向であることは否定されたが、「わいせつな行為」という実行行為の判断において一定の役割を果たすことは肯定されており、それが、一定の場合における単なる判断要素か、あるいは、実行行為判断における不可欠な要件なのかという違いに過ぎず、本書は、後者の立場を採用するものである(その限度で、改説する)。

埼玉県青少年健全育成条例の自画撮り規制は、検察協議の結果、年齢知情条項が外れています。

 検察庁からの指摘があって、条例31条に、19条の3がありません。

埼玉県議会事務局長殿
   さいたま地方検察庁検事正
罰則の定めのある条例の制定に伴う事前協議について(回答)
平成30年7月18日付け埼議第30110号をもって協議のありました下記条例案について検討した結果,別紙のとおり回答いたします。
なお,条例公布後は,直ちに条例写しを当庁へ送付願います。

埼玉県青少年健全育成条例の一部を改正する条例
・・・
3本条例第19条の3(児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止)及び第31条について
犯罪成立要件としての主観的要件が欠如していると思われます。
(1)本条例第31条においては,本条例第19条の~3の規定に違反した者は,当該青少年の年齢を知らないことを理由として,本条例第29条の規定による処罰を免れることができない旨定めています。
しかしながら,自画撮り被害は相手を直接認識できないインターネット上のやりとりの中で行われることが想定され,やりとりの相手方が青少年と認識していない者にまで本条例第29条による罰則を適用することは過剰な規制となるおそれがあります。
本条例第19条の3は,当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うよう求めることを禁止するものであることからすれば,当該相手方が青少年であると認識できるような事実が全くない場合には罰則を適用できないと解すべきと思料します。
(2)よつて,本条例第31条において,本条例第19条の3の規定は除外するのが相当と思料します。
その他の点については,指摘すべき問題点はないと思料します。

埼玉県青少年健全育成条例
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0307/jourei/documents/301016jourei.pdf
児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止)
第十九条の三 何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二条第三項に規定する児童ポルノ及び同項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第二十一条の四第一項及び第五項第二号において同じ。)その他の記録をいう。第二十九条第三号において同じ。)の提供を求めてはならない。
追加〔平成三十年条例三四号〕

・・・
第二十九条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
三 第十九条の三の規定に違反して、次に掲げる行為を行つた者
イ 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めること。
ロ 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の申込み若しくは約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めること。
一部改正〔平成二年条例四二号・四年一一号・八年四号・三八号・一三年七八号・一六年五五号・三十年三四号〕
・・・
第三十一条 第十一条第三項、第十二条第三項若しくは第四項、第十六条第二項、第十七条の二、第十七条の四第一項若しくは第二項(第一号又は第二号に係る部分に限る。)、第十七条の五(第三号に係る部分を除く。)、第十八条第一項、第二項若しくは第三項、第十八条の二、第十八条の三、第十九条第一項若しくは第二項、第十九条の二、第二十条、第二十一条第二項又は第二十一条の二第
一項の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第二十八条から第二十九条までの規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。