児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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少年による児童ポルノ製造行為による観護措置(小倉支部r5.10.16)

少年による児童ポルノ製造行為による観護措置(小倉支部r5.10.16)

裁判年月日 令和 5年10月16日 裁判所名 福岡家裁小倉支部 裁判区分 決定
事件番号 令5(少ロ)2号
文献番号 2023WLJPCA10166002
上記少年に対する児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反保護事件について、令和5年10月6日、福岡家庭裁判所小倉支部裁判官がした観護措置決定に対し、同月14日、付添人から適法な異議の申立てがあったので、当裁判所は、次のとおり決定する。 
主文
 本件異議の申立てを棄却する。
理由
 1 本件異議申立ての内容は、観護措置決定に対する異議申立書記載のとおりである。
 2 本件は、少年が、共通の友人を通じて女児(当時12歳)が家出していることを知り、性交渉を期待して宿泊場所として自宅を提供した上、女児が18歳に満たない児童であることを知りながら、①共犯者と共謀の上、女児の胸部を露わにさせるなどの姿態をとらせ、これを少年のスマートフォンで動画撮影して保存し、②女児に陰茎を口淫させるなどの姿態をとらせ、これを少年のスマートフォンで動画撮影して保存し、児童ポルノを製造したというものである。
 一件記録から認められる本件事案の内容・性質、少年の供述状況等によれば、少年が常習性を含む重要な情状事実について、友人に働きかけるなどして罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由が認められる。また、少年が家族と同居する自宅において本件各非行に及んでいることや少年の非行歴等に照らせば、逃亡すると疑うに足りる相当な理由も認められる。
 そして、本件非行の内容や経緯に照らすと、少年の非行性は軽視できるものではなく、少年の両親が身元引受や監督を誓約していること等の付添人の主張する事情を踏まえても、今後の適切な調査及び審判のためには、少年を少年鑑別所に収容した上で心身鑑別を行う必要があると認められる。
 3 以上によれば、少年を少年鑑別所に送致した原決定は正当であり、本件異議の申立てには理由がないから、少年法17条の2第4項、33条1項を適用して、主文のとおり決定する。
 福岡家庭裁判所小倉支部
 (裁判長裁判官 竹尾信道 裁判官 松浦絵美 裁判官 町田哲哉)