児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「上りエスカレーターで女性の尻のにおいかごうとした」という卑わいな言動

 兵庫県条例では「相手方に「不安を覚えさせるような」「野卑で、みだらな言動」をいう。」と説明されています。「女性の尻に顔をうずめ」で該当するように思われます。

兵庫県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
(卑わいな行為等の禁止)
第3条の2
1 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
・・・・・・・・・
兵庫県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の解説(2016年9月)
「不安を覚えさせるような卑わいな言動」とは、相手方に「不安を覚えさせるような」「野卑で、みだらな言動」をいう。
「不安を覚えさせるような」とは、いやらしいことをされるのではないかという心配を起こさせるようなという意味であるが、不安を覚えさせる言動かどうかは、個別具体的に認定しなければならない。
また、現に被害者が不安を覚えなくてもよく、被害者が当該行為に気付かない場合でも、もし、気付いたならば不安を覚えることが明らかな場合は本項が成立する。
(1) 痴漢行為
刑法の強制わいせつに至らない行為であり、具体的には、「電車等において、同意を得ていない人の身体に、衣服その他の身に着ける物の上から直接触れる」といった行為である。
(2) のぞき見行為
通常衣服等で隠されている人の下着又は身体をのぞき見するものである。要件として、のぞき見が、一般人をして不安を覚えさせるような卑わいな程度でなされることを必要とする。
具体的には、人のスカート内の下着等を下から積極的にのぞき見たり、手鏡をスカートの下に差し出して下着等を見る行為等をいう。
なお、1段落目の「のぞき見が、一般人をして不安を覚えさせるような卑わいな程度でなされることを必要とする」とは、積極的にのぞき見を行う(故意がある)ことが必要であるとの意味であって、例えば、スカートが風で捲れ上がった際に偶然に下着が見えたというような場合(故意がない)は、当然にして含まれない。
(3) 盗撮行為
通常衣服等で隠されている人の下着又は身体を、その人の承諾なく隠し撮りする行為である。
具体的には、写真機等を使って赤の他人のスカート内を隠し撮る行為、隠し撮る目的で写真機等をスカートに差し入れる行為をいう。
(4) その他卑わいな言動「痴漢行為」、「のぞき見行為」、「盗撮行為又は盗撮目的で写真機等を向ける行為」以外のいやらしく・みだらで性的道義観念に反し、人に不安を覚えさせるような卑わいな言語・動作をいう。
具体的には、スカートを捲る、傘の柄等を他人の胸部や臀部に押しつける、耳元等に息を吹きかける、耳元で卑わいな言葉をささやく、女性に声をかけ「おっぱい大きいね。」「おつばい触らせて。」「おじちやんとエッチしよう。」などと言う言動がこれに当たる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ecfeff5adb194e506b32f60a8f46c2b4a56079aa
警察によりますと、男は6月10日午後5時半過ぎ、神戸市中央区三宮町の商業施設「さんプラザ」の上りエスカレーターで、前に立っていた20代の女性の尻に顔をうずめ、匂いを嗅いだ疑いが持たれています。
尻に何かが当たった感覚のあった女性が、エスカレーターを降りた後、後ろにいた男をスマートフォンで撮影。
男は、その後自ら警察を訪れ、「女性にものがぶつかってトラブルがあった」と相談していましたが、男が2022年9月にも同様の行為をした疑いで逮捕されていたことから、警察が防犯カメラを調べたところ、前かがみの状態から顔を上げる男の姿が写っていたということです。
警察に調べに対し、男は、「女性のお尻に顔を近付けただけで、鼻で匂いを嗅いだわけではありません」と、容疑を一部否認しているということです。

https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202308/0016706110.shtml
逮捕容疑は6月10日午後5時半ごろ、同市中央区三宮町1の商業施設内で、上りエスカレーターに乗っていた女性(23)の後ろにかがみ、女性の尻に顔を近づけた疑い。