児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「「面会要求」容疑で全国初摘発」の報道は、不同意わいせつ罪に注意

 面会要求罪初適用を取り上げているが、
 16歳未満との援助交際について、不同意わいせつ罪(懲役6月~10年)と児童買春罪(罰金~5年)が適用されて、罰金では済まなくなったのが大変化である。改正前であれば罰金50万円であった。
 性交があれば、不同意性交(5年~20年)が適用される。

 要求罪(罰金~1年)は、児童買春罪の対償供与約束と重複するので、児童買春罪に吸収されるという主張が可能である。

第百七十六条
1 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
3 十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

第百八十二条 わいせつの目的で、十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
二 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
三 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
2 前項の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該十六歳未満の者と面会をした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
3 十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限る。)を要求した者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023081500489&g=soc
「面会要求」容疑で全国初摘発 13歳少女と1万円で約束―警視庁
2023年08月15日12時25分
 16歳未満の少女とわいせつ目的で面会したなどとして、警視庁少年育成課は15日、会社員の男(32)=東京都武蔵野市=を面会要求と不同意わいせつなどの疑いで書類送検した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。同庁によると、7月13日の刑法改正で新設された面会要求の禁止規定を巡る摘発は全国初。
「不同意性交罪」施行 性犯罪の要件具体化―改正刑法

 「SNSで知り合った少女にわいせつな行為をしてもらった」と容疑を認めている。
 同課によると、男は7月22日にSNSで「パパ活」と検索し、少女と連絡を取るようになった。ダイレクトメールでのやりとりの中で「2009年生まれ」と16歳未満であることを告げられていたが、1万円を渡す約束で会ったという。
 送検容疑は7月22日、関東地方に居住する13歳の少女に対し、金銭を渡す約束をして、調布市の駐車場でわいせつ目的で面会するなどした疑い。
 男が同月30日に同庁調布署に自首し発覚した。
 7月の改正刑法は、16歳未満の子どもに対し、金銭を渡す約束をして、わいせつ目的で面会したり、繰り返し面会を要求したりする行為を禁止した。