児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

千葉県のエアドロップ痴漢


 不特定又は多数の者にわいせつ画像を送信すると、わいせつ電磁的記録頒布罪(刑法175条)が成立して、迷惑条例違反罪は成立しないと思います。1審では主張できませんが。

女子大生にエアドロップ痴漢、千葉県初の逮捕者
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9489ee0e9600c29231688f8cefd05d423b595e8
容疑者は先月29日、市川市内の飲食店で、スマートフォンの通信機能「AirDrop」を悪用して見ず知らずの19歳の女子大学生に男性器などわいせつな画像を送りつけ、閲覧させた疑いが持たれています。こうした、いわゆる「AirDrop痴漢」の検挙は千葉県では初めてだということです。

 兵庫県の事例

被告人は、令和2年7月2日 1413~1450ころ、兵庫県○○駅間走行中の列車内において A(21)に対して 携帯電話機を利用して男性器を露骨に撮影したわいせつ画像データ1点をAの携帯電話機に送信し、もって公共の乗物において 不安を覚えさせるような卑わいな言動をした。
 兵庫県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反 15条1項 3条の2 第1項1号

罰条
第3条の2 
1何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
第15条
1 第3条の2第1項から第3項まで、第5条第1項若しくは第2項又は第10条の2第1項の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
昭和三十九年四月一日条例第三十一号
(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第三条
2 何人も、女子に対し、公共の場所又は公共の乗物において、女子を著しくしゆう恥させ、又は女子に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。男子に対するこれらの行為も、同様とする。

〔本条の趣旨〕
第3条は、公共の場所又は公共の乗物における粗野又は乱暴な行為を禁止する規定である。
第2項は、女子に対してなされる卑わいな言動を対象としてそれぞれ規制し、もって街頭や乗物等における個人の意思及び行動の自由を保護し、善良な風俗環境を阻害する言動を防止しようとするものである。
第2項
15 「女子」とは、成年、未成年を問わないが、ここでいう女子とは、卑わいな行為の相手方であるから、その行為を卑わいなものとして感じうる能力を有するものであることを要する。
また、卑わいな言動は、女子に対するものであれば足り、その直接たると間接たるとを問わないo
行為者が女子の認識しうるものであることを知ってなす場合には、本項に触れる
ものと解すべきである。
本項の「女子」又は「女子を」とは、女子を相手方としていう意味で、女子のいない場所で男同士が大きな声で卑わいなことを話し合うていても、本項の対象とはならない。しかし、男同士の話であっても、女子のいる場所において女子に聞こえよがしに大声で話し合っているような場合は、女子に対するものであるか否かの点について問題はあるが、女子を意識しての行為であれば、本項違反となる。
「男子」に対する行為も、同様に規制したが、その解釈について変わることはない。
16 「しゅう恥させ」とは、性的な恥じらいを感じさせることを意味している。しゅう恥は、卑わいな言動によって引き起こされるものであるから、当然、性的しゅう恥心と考えられる。
しゅう恥心とは、幅の広い概念であるから、本条においては「著しく」という限定を付したものである。
17 「不安」とは、前記9において説明したとおりであるが、ここでは、卑わいな言動によって身体に対する危険を覚えさせ、心理的圧迫を与えることをいう。
なお、不安を覚えさせる行為は、客観的に不安を覚えさせるに足るものであることを要する。
18 「卑わいな言動」とは、野卑でみだらな言語、動作であって、普通人の性的道徳観念に反し、性的しゅう恥心を起こさせ、嫌悪の念を催させ、また、それによって不安を覚えるような言動をいう。 〔本条と他の法令との関係〕
1軽犯罪法との関係
(2)本条第2項と軽犯罪法第1条第20号(身体露出の罪) との関係は、観念的競合である。
2刑法との関係
(2)本条第2項と刑法第174条(公然わいせつ罪) との関係は、法条競合である。