同種事案は圧倒的に「懲役1年6月執行猶予」ですが、被害者参加してもちょっと軽い。
東京地裁平成30年 4月25日
強制わいせつ被告事件
主文
被告人を懲役1年4月に処する。
この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
理由
【罪となるべき事実】
被告人は,被害者Aに強制わいせつ行為をしようと考え,平成29年6月3日午前4時11分頃,東京都〈以下省略〉先路上において,被害者に対し,その口を左手で塞ぐなどの暴行を加え,ワンピースの裾から右手を差し入れて下着の上からその陰部を触るなどした。
【証拠の標目】
【法令の適用】
罰条 平成29年法律第72号附則2条1項により同法による改正前の刑法176条前段
刑の執行猶予 刑法25条1項
【量刑の理由】
早朝の路上で通行中の女性に背後から近付き,口を塞いだ上でわいせつ行為に及んだとの犯行態様は卑劣である。
被害者が受けた精神的苦痛は大きく,示談成立後もなおその処罰感情は厳しい。
自らの欲望を満たすためとの犯行動機にもとより酌量の余地はない。
そうすると,本件は,軽視し難い路上類型の強制わいせつ事案ではあるが,紆余曲折もあって被害者の精神的苦痛が十分に慰謝されたとはいえないものの,被告人が被害者に損害賠償金50万円を支払って示談が成立したこと,被告人には前科がないことなども踏まえれば,同種事案の量刑傾向に照らして,執行猶予付き懲役刑が相当な事案といえる。以上に加えて,被告人が事実を認め反省の態度及び更生の意欲を示していること,父親が今後の監督等について証言し,母親も同旨の誓約書を作成していること,自業自得ではあるものの,被告人は,本件を契機に当時の勤務先であった大手新聞社を懲戒解雇され,また,現役の新聞記者が起こした事件として本件が実名入りで大きく報道されたとの社会的制裁も受けたことなども踏まえて,刑期及び執行猶予の期間を定めた。
(検察官青木朝子,鎌田祥平,私選弁護人B,被害者参加弁護士C出席)
(求刑 懲役1年4月)
東京地方裁判所刑事第3部
(裁判官 大川隆男)