児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

共有アプリ社長、処分保留で釈放 東京地検

 前例踏襲の捜査機関に対して、弁護人は教科書的対応。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H7C_V21C15A1CC1000/
東京地検は25日、写真共有アプリに投稿された児童ポルノ画像を放置したとして、警視庁に児童ポルノ禁止法違反(公然陳列)ほう助容疑で逮捕されたアプリ運営会社社長の男性を処分保留で釈放した。今後は任意で捜査し、起訴の可否を慎重に検討する。


 winny地裁判決の被疑事実を「著作権侵害児童ポルノ公然陳列」「ソフト→アプリ」に置換したような被疑事実と思われます。

変換前
児童ポルノ法違反幇助被疑事件
 (罪となるべき事実)
 被告人は,送受信用プログラムの機能を有するファイル共有アプリZを制作し,その改良を重ねながら,自己の開設した「Z Web Site」及び「Z2 Web Site」と称するホームページで継続して公開及び配布をしていたものであるが,
第1 甲が,平成15年9月11日から翌12日までの間,甲方において,児童ポルノが記録されているハードディスクと接続したパーソナルコンピュータを用いて,インターネットに接続された状態の下,上記各情報が特定のフォルダに存在しアップロード可能な状態にあるZを起動させ,同コンピュータにアクセスしてきた不特定多数のインターネット利用者が閲覧し得るようにし,児童ポルノ公然陳列の犯行を行った際,これに先立ち,同月3日ころ,Zが不特定多数者によって児童ポルノの送受信に広く利用されている状況にあることを認識しながら,その状況を認容し,あえてZの最新版である「Z2.0 β 6.47」を被告人方から前記「Z2 Web Site」と称するホームページ上に公開して不特定多数者が入手できる状態にした上,同日ころ,上記甲方において,同人にこれをダウンロードさせて提供し,
・・・
もって,それぞれ,前記甲及び乙の前記各犯行を容易ならしめてこれを幇助したものである。

変換前
  著作権法違反幇助被告事件
京都地方裁判所判決平成18年12月13日
【判示事項】 ファイル共有アプリを開発していた者のインターネットを介したファイル共有アプリの提供行為が,著作権法違反幇助に当たるとされた事例
【掲載誌】  判例タイムズ1229号105頁
【評釈論文】 税務事例40巻5号72頁
       法学セミナー52巻5号124頁
       立命館法学320号1211頁
       NBL848号41頁
 (罪となるべき事実)
 被告人は,送受信用プログラムの機能を有するファイル共有アプリZを制作し,その改良を重ねながら,自己の開設した「Z Web Site」及び「Z2 Web Site」と称するホームページで継続して公開及び配布をしていたものであるが,
第1 甲が,法定の除外事由なく,かつ,著作権者の許諾を受けないで,平成15年9月11日から翌12日までの間,甲方において,別表記載の各著作権者が著作権を有するプログラムの著作物である「スーパーマリオアドバンス」ほか25本のゲームアプリの各情報が記録されているハードディスクと接続したパーソナルコンピュータを用いて,インターネットに接続された状態の下,上記各情報が特定のフォルダに存在しアップロード可能な状態にあるZを起動させ,同コンピュータにアクセスしてきた不特定多数のインターネット利用者に上記各情報を自動公衆送信し得るようにし,上記各著作権者が有する著作物の公衆送信権を侵害して著作権法違反の犯行を行った際,これに先立ち,同月3日ころ,Zが不特定多数者によって著作権者が有する著作物の公衆送信権を侵害する情報の送受信に広く利用されている状況にあることを認識しながら,その状況を認容し,あえてZの最新版である「Z2.0 β 6.47」を被告人方から前記「Z2 Web Site」と称するホームページ上に公開して不特定多数者が入手できる状態にした上,同日ころ,上記甲方において,同人にこれをダウンロードさせて提供し,
・・・
もって,それぞれ,前記甲及び乙の前記各犯行を容易ならしめてこれを幇助したものである。

変換前
児童ポルノ法違反幇助被疑事件
 (罪となるべき事実)
 被告人は,送受信用プログラムの機能を有するファイル共有アプリZを制作し,その改良を重ねながら,自己の開設した「Z Web Site」及び「Z2 Web Site」と称するホームページで継続して公開及び配布をしていたものであるが,
第1 甲が,平成15年9月11日から翌12日までの間,甲方において,児童ポルノが記録されているハードディスクと接続したパーソナルコンピュータを用いて,インターネットに接続された状態の下,上記各情報が特定のフォルダに存在しアップロード可能な状態にあるZを起動させ,同コンピュータにアクセスしてきた不特定多数のインターネット利用者が閲覧し得るようにし,児童ポルノ公然陳列の犯行を行った際,これに先立ち,同月3日ころ,Zが不特定多数者によって児童ポルノの送受信に広く利用されている状況にあることを認識しながら,その状況を認容し,あえてZの最新版である「Z2.0 β 6.47」を被告人方から前記「Z2 Web Site」と称するホームページ上に公開して不特定多数者が入手できる状態にした上,同日ころ,上記甲方において,同人にこれをダウンロードさせて提供し,
・・・
もって,前記甲の前記犯行を容易ならしめてこれを幇助したものである。