児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

自治体の青少年健全育成条例では,児童買春に準ずる行為を「淫行」ないしは「みだらな性行為」として規制してきた。しかしその概念は不明確であり,最高裁判例の限定解釈(最大判昭和60年10月23日刑集39巻6号413頁)によって絞り込まれるとはいえ,立法論としてはのぞましくはない。(安部哲夫)

 長野県では条例で淫行を規制する方向の座長とかやってるようですが

安部哲夫「児童買春と児童ポルノの規制」
性犯罪・被害 性犯罪規定の見直しに向けてP206
その1は,児童の性被害を防止し,児童の成長発達の権利を守るとともに被害を拡大させないためには何をなすべきなのかという視点を最重視することから問題に対処することである。それには,児童買春や児童ポルノを規制することで何を保護しようとするのかを再確認すべきであろう。児童の性を買う行為は,それがたとえ児童の意思によるものであったとしても,その成長発達に重大な影響を及ぼすことになると考えられるところから,児童買春は犯罪として規制されるのである。買春は,児童の尊厳の否定で、あって,性的に搾取乱用されることである。であるならば,大人が立場を利用したり,虚言を弄したりして児童の性をもてあそぶような行為も性的乱用であり,被害という意味では,買春と何のかわりもない行為といえなくない。児童買春に準ずる行為として,抑制すべきであるものと考えるがどうであろうか。自治体の青少年健全育成条例では,児童買春に準ずる行為を「淫行」ないしは「みだらな性行為」として規制してきた。しかしその概念は不明確であり,最高裁判例の限定解釈(最大判昭和60年10月23日刑集39巻6号413頁)によって絞り込まれるとはいえ,立法論としてはのぞましくはない。性被害を可能な限り明確にしたうえで,買春に準ずる行為を,児童に対する性的乱用行為として規定化することがのぞましいものと思う。